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中日新聞杯分析「競馬の基本に立ち返るべし?」

 こんばんは、ヒデです。今週は香港、3重賞と大忙し。そのなかで土曜日に行われるのが中日新聞杯です。荒れることでおなじみの同競走。21年には3連単236万円が飛び出したほか、過去5年間すべてのレースで3連単が万馬券になるなど、毎年波乱が起きている難解なハンデ重賞です。
 果たしてどのような馬が有利な傾向となっているのでしょうか。今回も分析していきたいと思います。それでは本日もよろしくお願いします。

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1.難解だけに傾向がない。それが傾向!?

 難解なハンデ重賞ということで、やはり傾向がないというのが正直なところ。脚質で見ても先行以外は勝利していますし、枠別でみてもほとんどの枠が馬券になった経験のあるといった結果になっています。もうこれは「傾向がないことが傾向」と言えるのかもしれません。

 それでもなにか見つけないと企画倒れになってしまいますのでそれはやめておきましょう。そこで着目したいのは「脚質と回収率」。
 逃げ馬は1勝ながら回収率は394%。差し馬は2勝で20%、追込みも2勝で90%。前かもしくは最後方が有利な傾向になっています。これをもう少し詳しく見るために複勝の回収率も見ていきます。逃げは106%、先行馬は350%差しは76%、追込みは37%となっています。
 これは競馬の鉄則が出ているといえばそうなりますが、重賞でここまできれいに回収率が下がっていくのは稀。同週に行われるG1、阪神JFもこの通りには並んでいません。

 これらの事からわかるのは先行が有利であるということ。地下粗があれば差してくることができるでしょうが、それはハンデ差や馬齢などが影響しており、結果として"このメンバーなら力が抜けていた"ということになるのではないでしょうか。
 実際に穴馬の激走は逃げ先行馬が多く、昨年は先行した10人気アイコンテーラーが3着に粘りました。そのほかの年でも21年は逃げ先行馬が馬券内を独占し、8→17→10人気の順で決着。3連単236万馬券を演出しています。
 このように毎年波乱をもたらす逃げ先行馬。強い差し馬から前へ行きそうな馬へ流す。これが鉄則になっていきまそうです。

2.斤量に攻略の糸口あり!?

 ハンデ戦の一戦ですが、ハンデ戦らしからぬ前残り決着が多発するので忘れそうです。
 そこで斤量別に見てみると極端な斤量の馬は好走できない傾向にあることがわかってきました。近5年で勝利した馬は牡馬ならば55~56キロに集中していることからもいかに中間の斤量であるかが重要になっているかを窺うことができます。
 つまり、今年の基準でいけば55キロから57キロのハンデをつけられた馬たちが好走すると考えるのが自然であり、55キロ以下の馬や57キロ以上の馬は好走することができないとみるのが良いでしょう。一頭だけ極端に重たいという斤量を背負った馬は嫌うのがよさそうです。
 これは牝馬も同じ傾向が出ており、斤量は変わらないか減った馬で、今年の傾向でいえば53キロから56キロとなった馬が好走する確率の高い斤量帯ということができるでしょう。

 また、前走距離がサラブレッドに忠実な形となっており、興味深いので掲載しておきたいと思います。
 同距離はこの距離が単純に得意な馬で馬券になるのはわかりますが、距離変更がポイント。延長してくる馬は前走よりもテンが遅く、前走よりも楽に先行できた馬が好走。これには20年21年と連続で穴を開けたシゲルピンクダイヤがそれに該当します。
 一方、短縮してきた馬は前走よりも流れて差しを決めやすくなったことで好走しているパターンがほとんど。上り3位以内のスピードを出した馬の中ではキラーアビリティ(菊花賞)やサトノガーネット(エリザベス女王杯)、それにギベオン(セントライト記念)がこのパターンで好走を果たしています。
 このように、馬の脚質的に好走しそうなところを狙っていくのがポイントになっていきそうです。

3.血統配合で狙い撃ち!?

 ここもサラブレッドの基本に忠実といった形になっているのがこの競走。まさにタイトル通りです。見ていると面白くなってきます。
 つまり、先行して粘る馬と差してくる馬の血統配合が基本に忠実かどうかを意識してみていけば攻略しやすいレースと考えられるのです。

 それを意識して先行馬からみていきましょう。まず必要なのは日本の芝に合致しているかどうか。これは当たり前の話なのでさらっと流しますが、サンデー系やkingmambo系であるか、つまり主流血統かどうかが一番のポイントになります。
 それに必要なのが米国の血統です。米国血統は基本的に加速力やその持続力が武器の血統。先行して粘るために必要な力を持っています。この競走に限って言えばミスプロ系が非常に強い傾向に。
 この主流血統×米国系という組み合わせでは昨年10人気3着のアイコンテーラー(父kingmambo系×母父ゴーンウエスト系)や21年17人気2着のアフリカンゴールド(父ステイゴールド×母父ゴーンウエスト系)が該当します。前目に進んだ米国系ならばストロングタイタンもフォーティナイナー系でした。

 一方差し馬になりますと、今度大事になってくるのは"決め手"に。つまり瞬発力も重要になってきます。
 この競走は前述の通り主流血統に、今度は欧州系の血が大事になってくるのです。特にナスルーラを祖とする母父欧州系は好走しやすく、過去5年には昨年1着のキラーアビリティ(父ディープインパクト×母父ブラッシンググルーム系Congaree)や、18年12人気2着のショウナンバッハ(父ステイゴールド×母父サクラバクシンオー)が好走を果たしています。
 そのほか19年1着だったサトノガーネットは父ディープインパクトに母父仏2000ギニー覇者Victory Noteという組み合わせでした。

 このように逃げ先行馬ならば米国血統との組み合わせで、差し追い込み馬ならば欧州系との組み合わせで好走する確率が高いですから、馬券を検討する際にはこれらの傾向を意識してみるのが良いでしょう。

4.該当馬

 それでは中日新聞杯の該当馬を見ていきましょう。

9.ユーキャンスマイル
短縮×差し〇 斤量〇 血統〇
 
 前走アルゼンチン共和国杯では12着と大敗を喫したものの、2走前新潟記念では二着。その前走目黒記念でしたから、今回は近走好走できている短縮のローテに。ここまでくると合致しているところが多いですから、狙っていくのが良い一頭。斤量はやや重いですが、トップハンデではありませんし、狙ってみる価値はありそうですね。

10.リューベック
延長×先行〇 斤量〇 血統〇

 昇級戦となった前走は6着と惜敗。それでも勝ったヒシイグアスからは0.2秒差・1馬身程度の差であったことからも十分に戦えていました。食らいついた相手もシュネルマイスターなど錚々たるメンバーであったことも忘れてはなりません。
 ハービンジャー産駒で父系としては微妙ですが、スペシャルウィークが母父で逆ながら条件の血統は完成しかけています。久々で差しに回るという展開になれば少しチャンスが上がるかもしれません。ただ、本来の形で好走することを期待したいです。

16.スパイダーゴールド
延長×先行〇 斤量〇 血統〇

 未勝利戦から破竹の4連勝でオープンまで昇格もその後は2走して二桁着順。人気はある馬で素質十分な馬なのですが、一歩踏み出せていません。それで今回人気が下がるのであれば改めて狙ってみるのも良いでしょう。さらに鮫島駿騎手に乗り替わることもプラスになるはずです。
 ダイワメジャー産駒×Candy Rideでサンデー系×ファピアノ系とこの競走と相性のよさそうな血統構成になっていますから、馬券になっても不思議ではありません。一発を。


業務連絡と独り言…

 12月だというのに暖かかったり寒かったり。あまり好ましい気候ではありません。しかし、いつまで地方競馬の混乱はつづくのでしょうか。明日も大井競馬場の開催があると思うと変な気もします。
 さて、大きなレースが続きますから、わたしも体調には注意しながら楽しみます。

 それでは!

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