高額な水道料金の原因を調査する
ここ数年、我が家では水道代が高いのが悩みです。
以前はそれほど高くなかったような気もするのですが、高額になっている原因が知りたいところです。
今回は、水道の使用量をローテク装置と力業で分析するお話です。
スマートメーターで可視化!?
近年、水道メーターもスマート化されたため、水道アプリから1日の使用量をグラフで確認……と言いたいところですが、そうはいきません。
インフラ業界でのデジタル化は、まだまだこれからという状況のようです。
少なくとも、うちの自治体には、一般利用者が日々の水道使用量を確認できるアプリは存在しません。
水道メーターの確認
アプリがないからと言って、あきらめるのはまだ早いです。
自宅の水道メーターを確認すると、1リットル単位での使用量をリアルタイムに読み取れるようでした。
下の写真だと、指針値は274639リットルと読み取れます。
数字部分で1000リットル単位の0274.6、右側中央の赤色の指示で10リットル単位の3、中央下の赤色の指示で1リットル単位の9と読みます。
アナログです……。
しかし、これを一定間隔で写真に撮れば、利用状況をグラフ化することができそうです。
力技の発動
今回使う道具は下の写真のとおりです。
300円ショップで売っていたスマホ向けのクリップホルダー、来たるべき首都直下型地震に向けて常備しているLEDランタン、機種変前に使っていたスマホです。
これらを水道メーターに取り付けます。
メーターボックスは、ドアを閉めると真っ暗になるのでLEDランタンでメーターを照らします(暗闇でのスマホのフラッシュはピントが合わない)。
撮影には一定間隔で写真が撮れる「Interval Camera」アプリと、撮影中のスリープを防ぐための「Never Sleeper」アプリを使用しました。
写真を解析
この装置で、生活パターンが異なる日の水道メーターを10分間隔で撮影しました。
得られた画像は1000枚ちょっとです。
このうち対象とする5日分の生活時間帯の画像は、約600枚あります。
一覧表示すると、気が遠くなる……。
これらの画像から、メーター値を1枚ずつ読み取って集計すれば、水道の使用状況を分析できます。
この手の作業には機械学習での画像認識が使いたくなるところですが、私は3時間かけて手作業で1枚ずつデータ化する方法を選びました。
このコラム、ノリで書いてみたけど、私の記事のテイストに合わないので数日後には消す予定。
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機械学習は実践経験がないため、この機会に試してもよいのですが、どうも気が乗らない……やる気が出ないのは年齢のせいかとも思いましたが、そうでもないようです。
思えば、30数年前、小学校時代にファミコン用のプログラミング環境に初めて触れたときには、ファミコンの音源で曲を演奏することに感動を覚えました。
中学生でアセンブラを勉強したときはドット絵エディタの実行速度と実用性に、大学生でWindowsを勉強したときには自分が作ったファイル管理ソフトが理想に向かって成長していく姿に夢中になりました(そしてこれは数年前の再開発を経て、現在も続く……)。
どうも私の性分としては、感動や理想を形にするという動機がないと、プログラムを作る苦痛に耐えられないようです。
以前、転職の面接でプログラミングは好きですかと聞かれ、好きでない人などこの業界にいるのかと思いました。
しかし、そう思った私自身、プログラミングという行為そのものが好きなのではなく、プログラミングの結果、実現できる理想を追い求める行為が好きだったのだと、ここ数年でようやく気づきました。
というわけで、機械学習による画像認識、やればできるのでしょうが、感動がない結果を得るために、数時間で終わる作業に何日もかけられない、というのが私の出した答えです。
解析結果
画像ファイルを解析した結果、各日の水の消費量は次のようになりました。
グラフから、おおよその傾向が読み取れます。
まず目につくのは灰色の日の上昇です。これは3回にわたって洗濯機を回していた結果に加え、夕方には洗濯しながら犬を洗い、そのままシャワーを浴びて風呂掃除をした結果であることが分かっています(我ながら水道的に無茶をした)。
また、夜の上昇は洗濯やシャワー、昼のなだらかな上昇はトイレや手洗い、軽い洗い物などと読み取れます。
分析を終えて
消費量のグラフと生活パターンを照らし合わせると、どこで水を使っているかが分かります。
一般的に洗濯では水の消費量が多いと言われていますが、その通りでした。
うちの洗濯機は10年を超えているため、センサー類のリフレッシュも兼ね、節水が進化した商品への買い換えを検討した方が良いのかもしれません。
また、シャワーの際の水圧に気をつけるほか、ヘッドの交換なども効果があるかもしれません。
社会生活では節水や省エネが重要ですが、こうして目で見えると、状況をリアルに理解でき、改善点も検討できます。
今後、住まいのIT化が進んで、スマートメーターや連携アプリが一般化されると、何ができるようになるかが楽しみです。
あと最後に。わが家では、洗濯しながら犬を洗った後、そのままシャワーを浴びて風呂掃除するときには、水の使いすぎに注意します。