見出し画像

#59 矛盾は面白い

私の家にも20年ほど前まで、猫がいました
すごく長生きでかしこく、でっかい猫でした
可愛くて、いつも一緒でした

隣の親戚の家にも、今、猫が3匹います
それだけでなく周りの家にも、あちこちに猫や犬がいます

もちろんどの子も可愛いです
けれども、やはり機嫌きげんが悪い時、何かを守ろうとしてる時、
いつもとは全然違う、ものすごい表情でえたり、引っかいたり、
時には噛みついたりします

山里に暮らしているので、野生のたぬききつね鹿しか、うさぎ、イタチやテンなど、
たくさん近くで目にすることができます
もちろんみなさんもご存じの通り、見た目には非常に可愛いです
けれども、うっかり触ろうとするなら、確実にケガをします

どんなに小さい時から可愛がって、家族のように接していても、
ふとした瞬間に、きばをむいたりするわけです
これは本能だからですよね

人間でもそうです
私たちも、怒ります
これも、本能です

前に投稿した、まん、これも本能です
私たち人間に備わっている一つの機能なんです

この怒りやまん、これが人間には必要だから、
発達した現代においても、私たちの中に残っています

しかしこれを仏教では、否定したりします、これも矛盾に聞こえますよね

私たちは、オセロのように白か黒かではない世界を、現実を生きています
車に乗っている人は、アクセルを踏めば進み、ブレーキで止まります
エレベーターに乗っている人は、
上に行きたい時は上、下の時は下を押します
「これは矛盾ですよね」って、言わないですよね

いつしか私たちは、この現実を観ることなく、
右か左かどっちですかって、急かされます

でも、まん貪瞋痴とんじんちが私たちには誰にもあるんです
それらはそれで、なんらかの機能を果たしているんですよね

子育てでもそうですよね
自分の子どもが一番可愛いと思わなかったら、こんなに大変なことを、
二人も三人も出来ないです
もはや自分も同然なんですよね、だからこそ、どんなに疲れていても、
どんなに眠くても、どんな時でも真っ先に子どものことを考えます

そしてあんなに大変だった子育てが落ち着いても、
自分にその経験があるからこそ、
自分以外の人の子育ての大変さがわかります
隣の子だって可愛くなるんです
このように、他人の痛みを自分のことのように感じられる、
それが、人間の良きところであったりします

自然界の動物達でも、そうした行動が見られたりします
私たちには、これほど発達した考えられる脳がありますよね

ですから、自分の中に怒りがあるからこそ、
心が穏やかな時がどんなに幸せかがわかります

自分の中に、まんがあるからこそ、
謙虚けんきょでいるということが、自分や周りの人たちにとっても、
素敵なことだとわかります

自分の中に、があるからこそ、
他人を思いやる心や優しさに、いやされたりするわけです

このように、怒りやまんがあり、それを自覚することで、
その反対の心の安心あんじん謙虚けんきょさ、思いやりや優しさを育てることができます

失敗することで、より上手くすることができます
やることなすことすべて上手くできる人は、
上手いかどうかもわからないんです

この世の中には、白と黒、あるいは陰と陽が同時に存在しています
その中で命が成り立って生きています、これが現実です

自分の中の嫌な部分を観たり、知ったりすることは、
すごく落ち込んだりするかもしれません
でも、それを知るからこそ、心の成長や平穏へいおんも訪れます

世の中には矛盾と呼ばれることはたくさんあります
だからこそ、面白くないでしょうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?