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#18 志欲(しよく) 育てたい欲 

人間が生きていく上で欲は必要
これがなければ
生きていくことができません

これを仏教では、割愛かつあいと言います
現在ではベーシックニーズとも呼ばれる、
例えば、食欲、睡眠欲、性欲などですね

お腹が空いた時、美味しいもの食べたいなと思う
そしてお店などで何か食べる
すると次は、あのお店が美味しいと聞きそこへ行く

しかし、そんなにお金持ちじゃなくても
美味しいものって、今は食べられますよね
お菓子にしろ、料理にしろ、
とてもこだわって凝っているものがたくさんあります

巡り巡って、昔からある普通のパンとか、
家で採れたこの野菜でいいよねとか言ったりします

このように、私たち日本人は、ご飯が食べられるお金は持ってます
そんなに高級なものじゃなくても、
素敵なものがあふれています

割愛かつあいというのは、
ものが無かった時代の人々にとっては、
このもっともっと欲しいという欲が人生を破滅させてしまったりしました

ですから、生きて行く上で必要な欲が
生きるのに必要以上のエネルギーを奪われてしまうので、
割愛かつあいを減らそうとか言われました

割愛かつあいというのは、
そのエネルギーを奪うのと同時に、苦しみも生んでしまいます
私たちは、たくさんの感覚器官で刺激を求めます
でもその刺激に慣れてしまうと、もっともっとと、
さらに求めていきます
だからそれをいさめたわけですね

現代では、欲しいものが手に入らないという苦しみ、ではなく、
欲しいものがいつでも手に入ってしまいつまらないという苦しみ、
これが生まれてるんですよね
これが非常に厄介です

戒律かいりつとかいましめと聞くと
すべての欲を手放さないと
と、勘違いされがちです

結婚式とかで多く包んだから
お腹いっぱいだけどたくさん食べなきゃ
これが欲ですね

足るを知るっていうのはそういうこと
なんでも禁欲っていうは違いますね

これは日ごろからよく耳にしたり、目にしたりすると思います

さらに仏教では、志欲しよくを育てることを奨励しています

先に書いた割愛かつあいのように、
自分が取り入れる、食べたいものを食べる、
見たいものを見る、というような、
感覚器官に刺激を入れていくために行動するのではなく、

私たちの生活の質とか、生きて行く上での質とか、
自分という人間の質を高めるという方向に向かって、
この欲のエネルギーを使っていく
これが、育てたい欲、つまり志欲しよくです

これはどこでも聞けないことだと思います
話されていないことだと思います

もし、わからない人は、
自分の大好きな食べ物、なんでもいいです
毎日毎日食べてみてください
必ずや、飽きます
それが口に起き、目に起き、頭に身体に起きてくるんです
ただ自分の感覚器官に刺激をもたらすために生きることに、
飽きてしまうんです
これはもう、つまらないですよね

志欲しよくというのは、
知識とか、智慧ちえと関係してきます
これが無いと、育っていかない欲なんです

人間にはそれぞれ個性や感性があります
そして世の中を見渡せば、自分ができることってあるんですよね
ですから、自分のとって取り入れる生活から、
自分から他に出して行くんです

自分の持っている能力、お金でもいい、
持っている知識を、持っている力を、
そういったものを世の中に提供していく、還元していく

もし自分に何ができるかわからなければ、
志欲しよく持って行動している人の手伝いをするでもいいです
明らかにこういう世界が広がれば素晴らしいなと、
思う人がいれば協力する
これだって、志欲しよくを育てることになります

このようなを志欲しよく持った人が増えていけば、
きっとこの世の中は素晴らしくなります
そして先進国とも呼ばれる日本では、あるいは私たちは、
もうそういう時期に来ていると思います

自分が何をすべきかわからない、
そしたらここからでも始めてみませんか?

Desires are necessary for human survival
人間が生きていく上で欲は必要


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