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サンフランシスコでM&A交渉


踊る食感プロデューサー サンフランシスコ赴任編

1991年冬

サンフランシスコ赴任のミッションの1つが
M&Aレストランを探し商談を設定する事。

日々の食べ歩きから2社に目をつけた。

1社は、KIMCO(オーナーがBill Kimpton)という投資会社。
都心にある小さなホテルを買い取り、コンセプト、デザインを変える。
1階には、宿泊者以外で賑わうオーナーシェフのレストランを入れる。
オーナーシェフといっても、レストランの株10%程度出資するだけで、残りは投資ファンドが出資する。
レストランのオペレーションは、オペレーション会社(KIMCOの関連会社)が担当する。
シェフはオーナーとなり、お客さんもその認識でブランド価値が上がり、
同時にオペレーション(マネジメント)は別の会社が担当するという仕組み。
チェーン店とオーナーシェフのいいとこどりした仕組。
また、そのレストランによって、ホテルの価値も上がるのだ。

そのKIMCOが手掛けていたのが、俺の一番のお気に入りPOSTRIOだった。(ホテルはPrescott Hotel)

POSTRIO以外のレストランも確認したところ、既に俺が視察して、気に入っていた店、気になったいた店が多い。

こりゃ凄い!

広島から、ボス二人(オーナー藤井社長と菅久副社長)を呼んで、商談となった。
通訳兼アドバイザーとして、サンフランシスコでお世話になっていた永沼さん。
場所は、KIMCOの本社があり、KIMCOのホテルであるギャラリアパークホテル(今もある)
1Fのレストランがみえるバーエリア。



午前だったので、窓から日がさして、スタッフが準備してたと思う。

KIMCO側で出てきたのが、GMのロバートプッチーニ氏。
映画スターのような風貌でかっこいい紳士だった。
また優雅で力強い言動と、商談中でもスタッフに対する何気ない会話に
俺は、強い憧れを抱き、今後の自分のビジネスマンとしてのモデルとなった。

商談で提案されたのが、エンバカデロセンターにあるスプレンディードという地中海料理の店。
プッチーニ氏に案内してもらって皆んなで行った。
ランチ時という事もあり、賑やかで活気があった。
ボス二人は乗り気だったが、現地事情をよく知る永沼さんは大反対。
ビジネス立地で土日はガラガラ。店が広くて、ここは今でも赤字のはず。
あの笑顔でふっかけられている。進めるなら大幅な値下げ交渉をすべき。

その後、値下げ交渉や他のレストランを交渉するといった事はせず、消滅させた。

もう1社は、スペクトラムフーズという様々なコンセプトのイタリアレストランを運営している企業で、マリオットホテルの子会社だった。
俺がサンフランシスコで最初に行った店TuttoBeniを始め、Ciao!、Prego、エトラスカ といったイカした店ばかりだったが、今ではどれも残っていない。
商談内容は覚えていないが、具体的な提案は無かったように思う。

結局、M&Aをあきらめ、その後に関しては、またの機会とする。

ちなみに、俺の憧れでKIMCOとの商談相手だった ロバートプッチーニ氏は、数年後、Puccini&Pinettというレストランをダウンタウンに出店して話題になっていた。

それも今は閉店しているようだ。

写真は商談したギャラリアパークホテルとそのバー。
バーは当時と変わってると思うが。

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