化学の娘 lyrics

    展開図

キミをベッドに広げる 美しい展開図

長い手足を伸ばす 体温は移動する

そこから先は分からない ボクは液体 形を夢見る

キミをベッドに広げる 血まみれの展開図

抑制の味がする 虚構への供げもの

ボクは固まる片隅で 痺れと吐き気 光は屈折する

ベッドに展開図 ステキな眺め

永遠を感じる この瞬間

      指に鱗粉

通りの向こう 女友達は 水蒸気のように揺らめいていた

全てを手に入れたいと願ってた この指先には鱗粉が残った

陽射しの中 僅かに地面から浮かんでた姿 焼き付いたまま

光を浴び透けていく体 黄金の時間に守られていた

何か満ち足りた限りない感じ 風に膨らんだ薄着の午後に

駆け下りた丘 曲がりくねった道 脅かす緑 高く低く飛ぶ

      サルガッソー

巻きつけたカーテンのドレス姿 古タイヤと空き瓶のお墓

ガラスの破片で光る十字路 街角の彫像たちに見とれてた

ここはサルガッソー 動くものは何も見当たらない

受話器の熱から生まれた怪物 追いかけっこのお相手をよろしく

開いたページから文字が蠅になって飛ぶ 忘れられた場所 張られた結界

まるでサルガッソー 魚は住んでいるの シーツの海に

      クッキングノート

ピーナッツは兵隊でアーモンドは王様

ピスタチオの王女はエメラルドに輝く

路地で遊ぶ女の子 半裸で痩せっぽち

何も持ってないけど全てを手にしている

クッキングノートをめくってごらん

植民地の微笑み 二本足の災害

アナタの恋人はボクじゃないって分かってる

水脈に指を置く 蘇る地形の記憶

この起伏の先には小さな赤い実がなる

クッキングノートをめくっていく

      排水口

バスタブに付いた泡が人の顔になる

半開きの唇 女が囁く

恋なんて簡単 こっちへおいでよ

求めることもなく得られるものはない

やがて蒸気と水滴に蝕まれて

女の顔は崩れて流れていく

音を立てて吸い込まれていく

排水口がその時 住所を告げる

排水口から聞いた奇妙なアドレス

パイプを通り抜けてちょっとキツいトリップ

湿った草地に古びた建物 何かのメーター 窓の向こうに自分が、、

      海辺

水の中で太陽を見た 歩き出した歩けたから

海辺の小屋 アナタの愛 独り占めにしたかったんだ


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