Loveletter 16

また
新しいあなたに逢いました
10年前のあなたに

今日と言う日の
232分間
ずっとあなたを見つめていました

まだ20代のあなたが
既に天国と地獄を知り
その事を語る表情に
暗い影を感じる事はありませんでしたが

乗り越えたと言うには
ほんの数年の
まだ時間が十分だとは思えない時点でのあなたは

以前はひた隠しにしていた
辛い
しんどいを
言えるようになったと微笑んでいました

信じられるうなぎの前でなら
弱音を吐けるようになったと語っていました

でもきっとあなたは
辛い
しんどいと口にしたとしても

だから
立ち止まる
休む
には至らなかったでしょう


前を向けるようになれた
だから大丈夫

辛さを経験したから
きっと乗り越えられる
だから大丈夫

それを
必死に自分に言い聞かせているようで
痛々しくも感じました


あなたが最も苦しんでいた時期に
あなたから離れてしまった
このバカヤロウな私が言える事ではないけれど


メイキングの中
ステージを共にした仲間の皆さんが
アーティストとしてのあなたはもちろん
人としてのあなたを絶賛していました

ステージでのあなたを見ているだけでも
その言葉が決して大げさな称賛でない事を
容易に感じる事ができました

周りに気を配り
常に明るく
時に甘え上手に愛嬌を見せ

もっともっとステージを素晴らしいものにしたいと考え
努力し、ある時はもっと良いものにするための変更もいとわず
どんなに疲れていても頑張るあなた

完璧じゃなくてもいい

そう言いながら
全てにおいての最大限以上の努力を惜しまないあなた

辛い
しんどいが言えるようになっても
あなたはそういう人なのだと思いました


メイキングに収められた各地会場での映像
どの場所でのどの部分を見ても見ごたえがあり
新鮮な魅力、感動がありました

同じものを何度も見れば
人は慣れ、あるいは飽きてしまうものなのだろうけれど
各地の会場を回られたり
同じ場所でのステージを複数回ご覧になった方であっても
そんなマンネリを一切感じなかった事でしょう

本編を見て
さらにメイキングを見た
私もそうだったように


そして
このDVDの中には
私を絶句させた
あなたの一言がありました

他の誰かのところに行ったとしても
きっと自分のところに帰ってくる

そう言ったあなたが
積み重ねてくれたものが
本当にまた
こんなにも長い年月を経て
私を惹きつけてくれた事に
涙が出ました

悲しみや苦しみさえ糧にして
あなたが歩いてきた10年

奇しくもこのDVDより少し前に見た
あなたのステージ

20代と30代のあなたの姿
うまく言葉にできない想いが
胸を熱くします








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