a certain scene 1

悶々と過ごした日々が嘘のように
回り始めた日常

全てが完全では無いけれど

がんじがらめだったあの頃とは違う

寝起きの髪を手グシで整えながら
彼は自分の顔を見つめる

腫れぼったく
疲れが滲む目元

昨夜も眠ったのは
日付が変わって
かなりの時間が経ってからで

大好きなアルコールも
存分に摂ったから
仕方ない
仕方ない

彼はふわりと笑った

そんな事
大したことじゃない

やりたい事をとことんやって
気絶するように寝てしまうまでに疲れ果て

それがたまらなく
嬉しいんだから
何も問題は無い

パンパンな顔さえも
愛おしくなる朝


もうがんじがらめに
縛られて
逸る気持ちを制御されて
立ち止まり続ける必要のない今が
嬉しくて
幸せで
たまらない


息つく暇もなく
走り続ける

それが生きていると言う事

自分らしい自分


ワクワクを隠せない笑顔で
彼は大きく伸びをする

さぁまた

新しい一日が始まる


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