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夜はとっくに明けたのに
街はちっとも目覚めない
深い深い夢の中
そのまま夢の中にいるのなら
何も失うものはないけれど
夢で手にした
夢の世界のものばかり
それらをみんな抱きしめて
時間の河に呑み込まれ
どこかの海へ流されて
息もできない水底で
さらに深い深い夢の中
それでも目覚めることができなくて
いつまでも目覚めることができなくて
夢と一緒に…
夢で手にしたものたちと
泡のように消えてゆく
手に手を取って
泡のように消えてゆく

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             愚かな者は生涯賢者に仕えても、真理を知ることがない。
             匙が汁の味を知ることがないように。
                             ダンマパダ(真理の言葉 六四)中村元訳  より

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