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抗原迅速キットの無症状者への適用(2021/8/13)

【飛騨市民病院 中林玄一ICD】

抗原迅速定性キット(以下、抗原キットと略)と”飛騨市の検査センター”について

新型コロナウイルスの平均発症期間は5日目ですが、抗原キットは4日目から、PCRは3日目から(最速で)検出できます。PCRと抗原キットの1日の違いはウイルス学的に「とてつもない感度の差」なのですが、一般的な感覚としては…さて、いかがでしょう?「所詮は1日の違い」という程度でしょうか。この点を踏まえて有用性を検討いたしますと、現在の大規模流行は「多数に対し同時展開可能な検査の市中実践が求められるフェーズ」と考えられ、抗原キットの大規模運用が正当化される状況と判断いたします。

本日昼に飛騨市で開設する「飛騨市新型コロナまちなか簡易検査センター(センター化した即時判明サービスの行政提供は知る限り本邦初?)」で採用する抗原迅速定性キットは「PCR寄りの高感度」を備えており、一方で偽陽性は増加していない「医療品質の優秀なキット」です(”ワクチン済みの方”も影響されずに判定できます)。

さらに、鼻腔2cmの浅い挿入で自己検査可能であるのに、なんと感度は上咽頭(鼻の一番奥)での検査に匹敵します(公式スペックはむしろ上回り、付属綿棒の高性能が良影響と推察)。
したがって「検査は怖いなぁ、痛いのは嫌だなぁ」と思っておられる方に優しい検査方法です。さらに鼻腔乾燥で採取困難な方におかれましては「舌下で唾液を浸漬する方法」でも検査頂けます(※注)。
「飛騨市へやむを得ず来訪される無症状者」や、「外部との接点があり心配をお持ちの飛騨市民」におかれましては、ぜひ御活用頂ければ幸いです。また、他の地域におかれましても、ひとつの運用解としてご参考にしていただければ幸いです。
なお「いかなる検査”においても1回の検査で感染の否定は不可能」です。判明することは「検査時点におけるウイルス排泄が無い~極めて低レベルであり、気づかず広範囲へ感染を引き起こす状態ではない」ということです。検査で陰性でも、日常的な防疫活動を継続頂きますよう御理解ください。


該当事業に関する飛騨市長の広報リンク

「飛騨市新型コロナまちなか簡易検査センター」を開設します!!      飛騨市では、簡易なキットを使って、新型コロナの抗原定性検査を行うセンターを飛騨古川駅裏の若宮駐車場内に設置することとしました。8月13日(金)から開設します。   自分...

Posted by 都竹 淳也 on Wednesday, August 11, 2021

※注:キットの厚労省届出時の運用法とは異なりますが、当疾患の性質(唾液に高濃度なウイルスが存在。特にδ株では更に多量)を示唆する国内外の知見から、唾液による検査法を可能な体制に設定いたしました。すでに一般市販品の抗原キットには唾液検査可能品が多数見られており、また本検査センターは医療保険外の行政運用サービスのため厚労省の保険規定に縛られない点からも、唾液での運用も問題ないと判断しております(なお非公式ながら当キットで唾液検出が可能との先例あり)。専門家の方々におかれましてはご理解いただければ幸いです。

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