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思考の旅する文庫

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つれづれなるままに、文庫本を読んで思いついたあれこれ。 書物との接し方も人生の後半戦になると、知識を得るためではなく、己の人生に悔いを残さないために、と変化するのです。
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#エッセイ

『パンツが見える。_駅の上り階段は要注意』

チラリズムって、不謹慎ですか?駅ホームの階段もしくはエスカレーターを上る際、こんな経験をしたことはありませんか? 目の前を歩く人もしくは立っている人が女性で、しかもその女性は短めのスカートを履いています。 目のやり場に困るなぁ、と思っていたら、手にしているバッグを女性がスッと後ろに回すのです。 あたかもパンチラを防御するかのように。 この時、「目のやり場に困っていたので助かった」と思うか、 「覗き魔もしくは痴漢と思われるなんて心外だ」と思うかはその人次第でしょう。 (もし

『乳房の神話学_乳見せはめくらましです』

日本男児、おっぱい星人がデフォルトです学生のころから、周りの友人たちに「おっぱい星人」が多いように感じていましたが、実はこの現象がいわゆるデフォルトであることがわかりました。そりゃあ、私の周りにおっぱい星人が多いはずです。 へぇぇー、巨乳好きなんだねー、と感心するばかりで、おっぱいネタにはほぼ関心がありませんでしたが、この世のオトコはほぼおっぱい好きなのです、たぶん。 そういえば、大学生の頃に、宮沢りえやマドンナの写真集が社会現象になりましたが、どうしてビーチクが見える見

見せびらかすにはワケがある、と云うお話。

 ランボルギーニやフェラーリといった、富裕層向けのクルマを専門に扱う雑誌の編集長を務めていた頃、雑誌の巻頭にコラムを執筆していました。  あるとき、そのコラムに「スーパーカーを所有したくなる人の心理」というテーマで書いてみようと思ったことがあります。しかし、このテーマの論旨をノートに展開していく段階で、「これはまずいな」ということになりました。つまり、こういうわけです。スーパーカーを購入するような読者の方達が読んで、あまり気持ちのよい内容にならないのです。  人はよく、雑誌も

理解できない事って、やっぱり絶対にある、と云うお話。

 哲学的なことに目覚めたのは、小学1年生のときのお別れ遠足の帰路。そのときの記憶はまたの機会に譲るとして、それからいろいろ、思索するようになりました。小学高学年の時、「この世の中で絶対的なものって、なんだろ? そんなものって、あるの?」と考えはじめました。それは、愛? 宗教? それとも金?  数日間考えた挙げ句、逆説的にこんな仮説をひとつ立ててみました。 「絶対的なものは、この世に〈絶対〉にない」  この仮説を証明してみれば、何か答えに近づけるような気がしたのです。しかし、そ