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思考の旅する文庫

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つれづれなるままに、文庫本を読んで思いついたあれこれ。 書物との接し方も人生の後半戦になると、知識を得るためではなく、己の人生に悔いを残さないために、と変化するのです。
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#雑誌編集者

『花森安治の編集室「暮しの手帖」ですごした日々_書を持って、家にいよう』

●文章にもある適材適所 雑誌にかかわらず、メディアに執筆する際にはそのメディアにあった文章というのが必要となります、当然ながら。 先日、尊敬する二十代の頃からお仕事をご一緒させていただいている方と、自動車評論に関してある話題があがりました。 それは、自動車のインプレで、「私にはとうてい買えるような値段ではないが」という内容から始まり、「仮に購入できる余裕があっても買わない」という感じで終わる文章です。 この手の文章って、インプレ原稿の中でまったく意味がないよねー、とい