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思考の旅する文庫

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つれづれなるままに、文庫本を読んで思いついたあれこれ。 書物との接し方も人生の後半戦になると、知識を得るためではなく、己の人生に悔いを残さないために、と変化するのです。
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2022年3月の記事一覧

『アイデアの接着剤_所詮、大衆ですから』

コロナ禍の影響で、テレワークが当たり前になってしまった今日この頃。だいぶ現在の生活にも慣れてそろそろ飽きてきたところですが、2020年当時はどのように自分を取り巻く環境を考えていたのか振り返ってみたくなりました。以下が2020年11月当時に書き記した当時の心境です。 ●リアルではない仮想現実的な現実の生活 ほんの数年前までは、家にいる方が珍しくて、国内外を問わず常にどこかに出掛けていて、それはそれで落ち着かなくて、いつか腰を下ろしてしっかりと思想の深淵に静かに沈潜していき

『イメージを読む_美意識が求められる現在』

●ゴクツブシでごめんなさい 幼い頃、すでに文学部なんて潰しの利かない学部で、そんな所に進学するのは穀潰しである的な空気はありました。法学部、経済学部、商学部……なんてものが、生きていく(お金を稼ぐ)上で有利であると。 さらに、文学部のなかでもヒエラルキーがあって(少なくとも早稲田にはあった)、小説家目指してます! 的な「文芸専修」、映画目指してます! 的な「演劇専修」というのが人気で、あと、「社会専修」というのも狭いヒエラルキーのなかでは上位に位置していました(潰しが利き

『持たない幸福論_自分の言葉とは』

読書すればするほど、文章を書きたくなるか否か 本を読めば読むほど、自分が思いついたこと、考えたこと、その他もろもろ、既に誰かが書いていたということがわかり、若い頃はモノを書く意味を見出せなくなっていたものです(先達の本を読めば済むことだから)。 その意味では、30代から40代半ばまで、とにかく雑誌を作る(企画立案する、ディレクションする、書く、撮る、ラフをひく、デザインする、営業する…その他)ことに追われて、仕事に直結しない趣味の読書量が激減したのは、実は幸いだったのかも