パリ五輪バスケットボール、日本対フランス戦のバスカンについて思うこと

こにちは、中川ひちゃゆきです

今回はいつものnoteとは一味違えまして、記憶に新しいパリ五輪でのバスケットボール日本代表対フランス代表の試合について書いていきたいと思います

ただ高知県というバスケットボール不毛の地の一回戦敗退常連高校出身おじからみた意見ですので、そのつもりで見てほしいという予防線だけ張っておきます

まあまず、本当に、本当にいい試合でした

バスケットボール後進国と言われて数年前までは国際大会の出禁すら喰らっていた日本代表が、NBAのスター目白押しのフランス代表とあんな試合をしてくれるなんて、それだけでバスケットボールを好きで良かったと思えます

湘北の石井なら立ち尽くして泣いていることでしょう

フランスをあそこまで苦しめて、ほぼ勝利を手中に収めるところまでいった日本代表が本当に誇らしいです

でもだからこそ、めちゃくちゃに悔しかった

勝ってほしかった

あのフランスに勝つところを見たかった

悔しすぎて本格的に寝られなかった

見ている僕たちでこれなのだから、実際に戦った選手たちの悔しさは計り知れないでしょう

なんせ残り時間10秒までは4点差で勝ってたんですから

4点差というのはバスケットボールにおいてはかなり大きい点差です

ではそれは何故なのか

バスケットボールてのは基本的に得点は2点で、フリースローなら1点、3Pラインの外からのシュートなら3点を得ることができます

つまり1回の攻撃で得られる基本的な最大得点は3点ということになります

ただ1つ例外を除いては

それが今回起こった3点シュートにファウルがついてフリースローで1点という、所謂4点プレイというやつです

スラムダンクで山王戦終盤に三井がフェイクから決めたやつですね

このこれしかないというミラクルプレイが起こってしまったのです

まあこれはまず何よりも決めた相手の選手がすごいですね

あの状況あの体勢で決められるはバケモンです

では何故このプレイが起こってしまったのか

それについて今回は僕が思うことを書いていきたいと思います

まず、この4点プレイについてはニュースやらSNSやらでたくさんのことが言われています

1番多く聞かれる声が、ファウルではなかったということ

所謂誤審だったということですね

これについては、僕もファウルではなかったと思います

写真や映像で見る限りは河村選手の手は相手選手に触れていなかったと、皆さんと同じく僕にもそう見えました

ただ、笛は吹かれてしまった

じゃあなんでファウルの笛が吹かれたのか

これも多く見られる意見ですが、河村選手が必要以上のチェックにいってしまったから、というやつですね

4点差でリードしてるんやから、3点をもし決められたとしても1点差で日本がリードしているわけです

ならファウルを吹かれる可能性があるチェックにいくこと自体がまずいプレイやったという意見です

たしかに、その意見はわかります

実際あの場面では河村選手はファウルを犯していなかったと思いますが、あの激しさでチェックにいってあの態勢からのシュートを打たれて、会場はフランスのホーム

ファウルを吹かれるリスクはめちゃくちゃあったと思います

ただでさえ、終始フランス寄りの笛が多かったように思えましたしそれは選手たちも感じていたでしょうから

だからこそ側から見ている僕たちはあのチェックにいかなければ、と思ってしまいます

ただ、これは側から見ているから思えることなのかもしれません

ではここからは何故河村選手のあのチェックが、もっといえばその前の渡邉雄太選手の3Pへのチェックが起こったのかを、僕なりの意見を書いていきたいと思います

まず、たしかに3Pを決められてもまだ1点差で日本はリードしている状況でした

しかもシュートを決められたら日本ボールでスタートなので後はボールを失わないようにしていれば試合終了やんけと、そう思われる人もいるかもしれません

ただ、実はそうではありません

バスケットボールにはファウルゲームと呼ばれる時間があります

残り時間が少なく負けているチームが故意にファウルをしてフリースローを打たせるという戦法です

フリースローを与えるということは相手に得点するチャンスを与えることになりますが、もし決められても時間を使わずに自分たちのボールで攻撃することが出来るし、外れてリバウンドを取れれば点差を開かれずに攻撃することができるのです

ではあの場面で例えば激しいチェックにいかずにフリーで3Pシュートを決められたと仮定した時に、その後どうなるかを考えていきたいと思います

点差は1点

コートにボールが入って日本選手が持った瞬間フランスはファウルにきます

ファウルを受けた選手はフリースローを打ちます

ここで2本決めれば点差は3点になります

仮にファウルをするのに使った時間を2秒だとすると、残り時間8秒で3点差

ということは、基本的には3Pシュートを打たさないようにディフェンスしなければなりません

こう聞くと3Pシュートを打たしさえしなければいいので楽に聞こえますが、平均身長が日本よりも高くシューターも多いフランスが3Pシュートを打つセットオフェンスを仕掛けてくるというのは、実際にはめちゃくちゃ驚異的です

しかもフランスの226㎝のウェンバエヤマは3Pシュートも打てる

ここにボールが入ればブロックできる可能性はほとんどありません

なのでここにボールを持たせないようにしないといけないけれど、そうすると他があく

これは思っているより守り方が簡単ではないのです

さっきは3Pシュートを決められても勝っていたけど、次は追いつかれますしね

ただこれは3Pシュートを決められなければいいのでまだ状況的にはマシですが、ではこれがフリースローを1本しか決められなかったらどうでしょう

点差は2点、ということは2点決められたら同点、3Pシュートを決められたら逆転という状況になります

あれれ

一気にやばくなった感じしません

3Pはもちろん打たしたらだめやけど、2点も防がなければいけない

そしてファウルもしてはいけない

やられたらダメなこと、やったらあかんこと、やらなあかんことが一気に増えてしまいました

そしてこれがもしフリースローを2本とも外してしまったら

もうこれは言うまでもなく大ピンチです

勝っているのに

3点はおろか2点取られても負け、ファウルもだめ

そんな状況で相手はフランス

絶対に絶体絶命

勝っているのに

とまあこうして書いたことが、もしフリーで3Pを決められたとした時から起こりうることなのです

そう考えてみると、あの場面でフリーではなく相手にタフなシュートを打たしたいという気持ちになるのは無理もないと、僕は思います

なんせしっかりプレッシャーをかけてもしあのシュートが落ちていたなら、勝利の確率はもうほぼ100%になっていたのですから

ただプレッシャーなくシュートを決められたなら、またここから永遠のように長い10秒が待っているならファウルは絶対だめやけどプレッシャーはキッチリかけたい

それがあの時コートにいた選手たちの気持ちやったんじゃないかなと、僕は思います

しかも日本代表は今まで格上とされる相手にこういう状況で追いかけられるという経験をしたことがありません

W杯では格上のフィンランドやベネズエラに勝ちましたが、どちらの試合も逆転の後は突き放してセーフティリードの状態で最終盤を迎えていました

4点差リードで残り16秒という時の守り方をチームとして経験したことがなかったということもあのディフェンスに繋がってしまったのかもしれません

とまああれこれと書きましたが、これはあくまで僕の思うことで実際その時どういう考えのもとプレーしていたのか、どういう指示が出ていたのかは日本代表の人達しかわかりません

ただ目の前で掴みかけた勝利がすり抜けていったという事実がある以上、絶対に後悔と反省はあるでしょう

その気持ちをブラジル戦に思いっきりぶつけて絶対に勝ってほしいと思います

あとちなみに八村選手の2回のアンスポーツマンライクファウルは、僕は厳しい判定やったと思います

ここでアンスポの定義を確認すると「ボールに対するプレーではなくバスケットボールのプレーとして認められない相手との接触及び、相手のオフェンスを妨げることを目的としたディフェンスによる過剰な接触」と出てきます

言うたらボールに行くのではなく相手の体に激しく体当たりしたり思いっきり抱え込んだりして妨害するディフェンスのことですね

山王戦で深津が宮城を抱え込んだ時に取られたやつみたいなね

じゃあこの定義に八村選手のプレーが当てはまるかと言うと、半分は当てはまると思います

たしかにどちらもボールというよりは体に言っています

ただ接触の激しさという点ではそうではなかったと思います

実際NBAではあのレベルをアンスポとして取られることはないですし、パリ五輪でも他のゲームであれ以上に悪質なプレーが普通のファウルとして扱われているのを見ました

特に最初のアンスポは正直見ていてどこがやねんと思いました

あの程度の接触でアンスポを取るのは、流石にフランス寄りの笛と言われても仕方がないと思います

ただここでこのゲームの審判はこのレベルのプレーをアンスポとるという、審判が引いた線を2度目のアンスポの時に越えてしまったのは少しもったいなかったと思います

もちろん必死にプレーしている中やし1個目のアンスポに納得できてないところもあったでしょう

けれど野球のストライクボールのようにファウルの基準も審判によって異なるということも、あってはいけないことですがあるものです

その曖昧ではあるけれども引いた線を越えたことは本人も悔しいと思います

ただ退場するまでの八村選手のプレーはウェンバエヤマにも引けを取らない、本当にNBAのスターに匹敵するようなプレーでした

残念ながらフランス戦での負傷によってパリ五輪にはもう出場できませんが、明らかに世界でもトップクラスの選手であることを証明した大会やったと思います

そんな八村選手が離脱することは日本代表にとってとんでもない痛手です

でもW杯では八村選手抜きでフィンランドにもベネズエラにもカーボベルデにも勝ちました

日本代表ならいけるはずです

もう点差も何も考えずに、まずは勝つしかない

おそらく富永選手も出るでしょう

今までの鬱憤を晴らすように3Pシュートを決めてくれるでしょう

フィンランド戦での覚醒をフランス戦でも披露した河村選手、おそらくもうこれぐらいやるというのが河村選手のスタンダードになったと思います

ブラジル相手でも絶対にやってくれるはずです

渡邉雄太は八村選手が抜けた分オフェンスでもディフェンスでも貢献してくれるでしょうし、ホーキンソン選手はいつも通りリバウンドをむしり取ってくれるでしょう

そしてパリ五輪でずっといいディフェンスをし続けている吉井選手、フランス戦でゴベアに完璧なブロックを決めた渡邉飛勇も活躍してくれるはずです

あとはもちろん比江島選手

こういう時、しんどい時にやってくれるのが比江島選手です

大丈夫、勝てます

まだ日本代表は僕たちに感動を残してくれているはずです

楽しみにして、思いっきり応援しましょう

頑張れ、AKATSUKIジャパン!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?