見出し画像

2024年5月の中川ひちゃゆきが銀座でウニを食らうまで

こんにちは、中川ひちゃゆきです

昨年度はほぼ毎日更新していた銀座でウニを食らうまで(銀ウニ)が、今年の4月から月1更新になりまして今回が2回目の更新になります

noteさんからはそろそろ書かんと毎月更新も途絶えるぞというお知らせをいただき今月もスマホをタプることになりました

というわけで今回は2024年5月の振り返りとなります


さて、大阪芸人大移動によりゲルマン民族に滅ぼされた西ローマ帝国の如く目に見えて無限大所属芸人の仕事が少なくなった4月

その余波は5月になっても絶えず押し寄せて相変わらず休みの多い日々だった

ただこうは書いているが休みの多い原因は決して大阪から芸人がたくさん来たからではなく、単純に自分が売れてないからだ

これはなんとかしないとそのうち無限大レギュラーメンバーという肩書きの無職として生きていかなくてはならなくなってしまう

そんな相変わらず大ピンチの5月が始まってすぐ、世にいうゴールデンウィークの真っ只中に僕は晴れて38歳ゾーンに突入した

ゾーンに入るというのは例えばスポーツでいえば周りが止まって見えるほどの絶好調になることを指すし、パチンコでいえば当たりに近づく熱い展開の時によくあることだ

つまりは大体においてポジティブな要素に使われるものなのだが、残念ながら売れていないヒモ人間にとってはただ残された時間が少なくなったというネガティブい出来事でしかない

プロ野球選手ならほとんどが引退している年齢だし、アイドルなら卒業を経てバラエティでハネて急にほんまに一般かと勘繰ってしまう一般男性と結婚して家族仲睦まじく暮らしている年齢だ

そんなテレビで見ていた同い年がセカンドキャリアを謳歌している中、僕はまだファーストキャリアのゴールも見えていない

勢いよくファーストキャリアのスタートを切ったはいいが、スタートしてすぐに立ち止まって水を飲み菓子パンを食ってしまったツケがしっかり回ってきてしまったのだ

これによって見事に38歳休みまみれヒモ人間が誕生したわけだが、ネガティブなことばかり考えていても仕方がない

ここからスパークすることだけを考えるしかない

こうして僕は38歳に突入にしたわけだが、この年の誕生日は色んな意味で忘れられない日になった

誕生日当日、5月3日

僕は渋谷にいた

ゴールデンウィークということで天から札束が降ってきとんかと思うほどの人間でごった返した渋谷の街を、無限大でのライブを終えて僕は歩いていた

この日は誕生日ということで、恋人が渋谷のセルリアンタワーというバベルの塔のような建物のホテルを予約してくれていたのだ

昼に無限大ドームIでのライブを終えて、飯友ダイヤモンドの野澤といぬの有馬、そしてレインボーの池ちゃんと4人で海鮮丼を食べて、そこから皆んなと別れてホテルへと向かう

誕生日ということで野澤と有馬がご馳走してくれた

持つべきものは優しい同期だ

同期の優しさに感謝して人まみれの渋谷の街をここで三国無双2の甘寧の無双を使ったらめっちゃ倒せそうやなとか思いながら歩き、セルリアンタワーに到着

汚れたデニムシャツに緑のチノパン、ニューバランスのリュックという出立ちで中に入る

ロマネコンティに焼酎甲類を一滴垂らしたかの如き異物混入感をひしひしと感じながら受付に行き、予約してくれた恋人の名前を伝える

受付の人も流石はプロ

明らかに場違いな僕にも顔色ひとつ崩さず対応してくれ、警備員さんを呼ばれることもなく無事にチェックインを終わらせてそこからははるか上空にある部屋に向かう

パリッとしたスーツに身を包んだ高額所得者たちの横を、服には無頓着な金持ちの中国人みたいな顔をして通りエレベーターに乗り込む

ぐんぐんと高度を上げるエレベーターと比例して心臓の鼓動が高鳴っていく

東京に来て一年と少し、銀座でウニを食うレベルには全く及んでないのに渋谷セルリアンタワーに泊まることになるなんて

もちろん自分の力など1ミリもないのだが

そんなことを考えながら目的の階に到着し、廊下を通って部屋に入る

部屋の中の大きな窓のカーテンを開けると、渋谷の街を高みから見下ろす絶景

すげえ

明らかにこの所得の人間が見ていい景色ではない

この間まで浜田山の木造アパート101に住んでいた人間にピントが合う景色ではない

そんな身に余りまくる絶景をたらふく堪能してからは仕事で遅れてきた恋人と合流してから、ホテルの中をうろつくことに

適当にホテルを探索してからは、まだ晩飯を食う時間ではないので軽く飲むかとなって34階だか35階だかにあるラウンジに行くことに

ラウンジに到着すると1枚で既に僕の全身より高そうな白シャツにこれまた綺麗なベストとパンツとネクタイに身を包んだスタッフさんが席に案内してくれた

ダボダボのデニムシャツに背中にはアメリカのアニメの犬が笑っている、そんな格好の人間を案内するためにこの仕事についたわけじゃないだろうに

申し訳ない気持ちになりながら案内された席は、こちらも渋谷の街を一望できる絶景

席に座り飲み物を頼む

恋人はシャンパン、僕は生ビールを頼む

ちなみに生ビールは刺身5種盛を2回頼める額だった

ビールの料金がその場所の価値とは聞いたことがあるが、やはり僕が本来来ていい場所ではない

しめやかに持ってこられたビールとシャンパンで乾杯

本当に1時間ほど前まで無限大のドームIにいた人間なのかおれは

明らかに僕の人生の中でも最大級の振れ幅だ

そんな巨大振れ幅に戸惑いながらも続いて頼んだこちらサイコロステーキ2つ分くらいの値段のフィッシュ&チップスを食らう

畦道を通るBMWが如く、食道を通って体内にとんでもない金額が取り込まれていく

そうしてラウンジで軽く飲んで食べてしてからは、いい時間になってきたので予約してくれていたホテルの中華屋さんに向かう

中華屋といえば僕たちの頭には王将しか浮かばないが、もちろん比にならないレベルの高級感だった

カウンターに通されて席座る

そこからコースで続々と運ばれてくる料理はもちろんどれもアホほど美味い

その料理を食べながら先ほどのラウンジとほぼ同じ値段のお酒を飲む

完全に僕の身の丈を超え切っている

そうしてしばらく飲んで食ってしていると、急に音楽が鳴って目の前のプライドのようなものが一斉に上に捲り上げられた

そこあらわれたのはガラス張りの大きな厨房

シェフの方々が一斉にこちらに礼をしている

素晴らしい演出だが、こんな演出をもらっていい人間ではないのでちゃんと申し訳なくなってしまった

一応こちらも一礼させていただいて、そこからは目の前で炎をあげながら振られる中華鍋を見ながら、更に飲んで食ってする

最高だ

こんなにも身の丈を超えた誕生日は初めてだ

そんな1日を終えて、次の日は無限大でライブなので朝起きて昨日来たルートを通って無限大へと向かう

昨日の余韻がビンビンに残るままに渋谷の街を歩いて無限大に到着して、喫煙所にてヤニスイアテトクンポ(タバコを吸うこと)をかます

最高の1日だった

この瞬間までは

喫煙所で芸人と喋っていると、スマホがブルっと鳴った

これはLINEなどの通知ではなく、ショートメールのバイブレーションだ

普段ショートメールはあまり見ないのだが、この日はふと開いてみた

それは楽天カードからのメールだった

楽天カードがなんのようだ?

そう思ってメールを開くとそこにはAmazonギフトカードを80000円ご購入いただきました、という内容の文章が書かれていた

もちろん、全く見に覚えのない取引だ

なんやこれ

そう思って更に楽天さんからのメールを遡ってみる

すると数時間前にもAmazonギフトカード80000円分購入とのメールが、更に遡るとその数時間前にも

あれよあれよと出てくるAmazonギフトカードの購入完了メール

一気に嫌な汗が吹き出してくる

全く身に覚えはないが、どうやら僕ではない誰かが僕のカードとAmazonのアカウントを利用して多額のアマギフを買い散らかしているようだ

急いでAmazonのページに飛んで購入履歴を見る

そちらにもしっかり僕がアマギフを買いまくった履歴が残っていた

これはやばい

完全なる不正利用を食らってしまっている

その合計は30万円近くに達していた

あかんあかん

このままでは僕が誰かに30万近いアマギフをプレゼントすることになってしまう

一応人には優しくできるよう心がけて生きてはいるつもりだが、流石にそこまで優しくすることはできない

ちなみに楽天からアマギフ購入のメールが1番最初に来ていたのは前日の16:00頃

その時間といえば、僕がセルリアンタワーで渋谷を見下ろしながらお刺身5種盛り2つ分のビールを飲んでいた時だ

身に余る贅沢を始めたその瞬間に、その裏で僕はカードを不正利用され初めていたのだ

そんなこととはつゆとも知らず贅沢の限りを堪能し続ける僕

そして買われ続けるアマギフ

とんだピエロ(メイク前)だ

ショックに打ちひしがれながらも周りの芸人に相談すると、いますぐ楽天に連絡したほうがいいとのこと

とはいえこれからライブなので、その合間を縫って楽天に電話をかける

そこからはライブと電話の応酬

楽天さんの対応としては、とりあえず大量のアマギフの購入があったために不正利用の可能性があるとのことで5/4の朝方に一旦カードは止めてくれていたらしい

ありがてえ、さすがイニエスタを日本に呼んだ企業や

というわけでそこからはAmazonの利用について僕が買ったものかそうでないものかの照会をしていく

PS5やそのソフト、それに単独の小道具として買ったものがまあまああったので、そこにまあまあ時間がかかったがなんとか照会は終了

これで楽天カードの不正利用があったことが証明されたわけだ

楽天さんがいうにはこの不正利用されたものは取り消しになるか一旦支払い手続きがあったのち返金されるかのどちらかになるとのこと

とりあえず僕が意味わからん30万円を払うことはなくなったわけだ

ただここからめんどくさいのは新たに楽天カードを作り直さないといけないこと

これまでのカードは使えないので新たにIDとパスワードを設定して再発行を申請しないといけないのだ

なんてめんどくさいんだ

IDやパスワードなど何個も覚えられないからだいたい統一しているのに、そこからまた新しい馴染みのないものを考えてそれを覚えないといけない

こんなめんどくさい話があるかね

カードを不正利用するようなクソッタレのせいでなんでこんなことをしないといけないのだ

イライラしてしかたがないが、とりあえずやるしかない

最高の誕生日の裏側で忍び寄っていた魔の手

いいことと悪いことが同時に起こった、僕にとっては忘れられない誕生日となった

そうして激動の38歳への幕開けから始まった5月

そんな5月、1番大きな出来事といえば単独ライブだろう

去年の10/1にやって以来の無限大ホールでの単独ライブ、その名もミスターヒチャユーキー

普段漫才を中心に活動している我々だが、今回の単独ライブはオールコント

なので準備がとにかく大変だった

基本的にネタはほとんどポイさんがやっているので僕が小道具をつくるのだが、今回はオールコントの上にネタによってはめちゃくちゃ小道具が多く小道具を動かすこともある

なので今回単独に至るまでの期間はほとんど小道具を作っていたという記憶しかない

近くのスーパーで毎日のように段ボールをいただいて、買い漁ったガムテープを継ぎ合わせる

ネタによってはデカい小道具もあったのだが、幸運にも僕は現在3LDKという本楽僕のような低所得者が住めないようなデカい家に住ませてもらっているのでこれが非常に助かった

おそらく浜田山の木造アパート101では小道具だけで身動きが取れなくなっていただろう

こうしてまあまあの時間を小道具作りに当てていたのだが、もちろん全ての小道具を僕が作ったわけではない

中でも大きいパネルなんかは劇場のスタッフさんに相談して話し合ってかなりの数を作っていだいた

前回の単独ではそういったことがなかったのだが、今回は小道具の作成からネタでの小道具の動かし方やなんかまでスタッフさんに手伝っていただけて、それでめちゃくちゃ助けられた

どうすればよりネタが良く見えるかということをスタッフのみなさんがほんまに真剣に考えてくれているのが改めてわかって、それがめちゃくちゃ嬉しかった

正直コントをやるに当たってこんなに頼もしい方々がいるのかとびっくりした

そうしてマネージャーや無限大のスタッフさんにもお世話になりなったと同時に社員さんにもめちゃくちゃ助けていただいた

チケ売りをする時にはチケットを用意してくれ、一緒に出てくれる

グッズを作ろうと言ってくれて、制作もめちゃくちゃスムーズに行ってくれて、結果最高のグッズを作っていただいた

我々の単独のステッカーやタオルが発売されるなんて夢のようだ

更についてくれた作家さんや映像スタッフの方にもVやポスターでめちゃくちゃお世話になった

今回はオールコントなので漫才多めの単独に比べて転換のVやオープニング、エンドのVなどが多い

それが仕上がったのはそういった人たちのおかげなのだ

オープニングVを撮る時作家さんと映像スタッフさんの前でハアハアいって乳を揺らしながら走ったことは今でも思い出す

しんどいという気持ちと同時に、なんてだらしない体なんだと自分に絶望したのが昨日のようだ

そうして周りの人達に多くのことを手伝ってもらって、迎えた当日

準備期間は長かったけれど、本番の1時間はあっという間だった

なんせ最初からコント衣装で、そこからは着替えてネタして着替えてネタしての繰り返し

個人的に芸人は世の中で最も着替える職業だと思うのだが、僕の芸人人生の中でもこの日はかなり着替えたほうだ

ネタでは動き回ったり、かと思えば一切動かなかったり、ともかく色んなネタを見ていただけたと思う

個人的にはオープニングコントあけて1発目のかめはめ波のネタが1番緊張したな

自分が作った小道具の中でも1番時間がかかったし、いざ作ってみたら思うように動かない

それをリハで1時間近くかけてスタッフさんたちとあーでもないこーでもないと話し合って動きを確認していく

更にネタ中での僕の動きも多いので、とにかく心配事が多かった

上手く小道具を動かせるか、そして自分が動けるか

ネタがウケるもウケないも、ウケるにしてもどういうウケたかたをするのか、それらが小道具と僕の動きに大きくかかっているというのが僕をとてつもなく緊張させていたのだ

これだけ準備してリハも時間かけて、とにかく失敗したくないという気持ちもあったしね

それにネタとしては今回の単独で僕は1番好きなやつだったので尚更ミスれへん、とも思っていた

そんなかめはめ波のネタだが、結果的にはまあよかったんじゃないかなと思う

これが1発目だったということもあり、ここからはどんどん楽な(動き的には)コントになっていくので気持ちも楽になっていった

そうして最後のエンドロールまで2人で動き回って、無事単独が終了

疲れた

正直疲れたけど、楽しかった

終わりでロビーに出てグッズの手売りをしたのだが、たくさんの人がタオルやステッカーを買ってくれて、とんでもなく嬉しかった

買ってくれた皆さん、そして提案してくれた社員さん、ありがとうございます

そして改めて来ていただいたお客さん、スタッフさん、社員さん、作家さん、そしてポイさん、ありがとうございました

しんどさも楽しさも、両方詰まった単独やった

そんな単独ライブを終えてからは、近くの中華屋さんで打ち上げ

マネージャーに作家さんに社員さん、そしてVでの声をやってくれたスロッピのななえを交えて酒を飲みまくった

これよこれ、ライブ終わりの打ち上げの酒が1番美味いのは芸人の共通見解だろうが、それが単独終わりならなお格別だ

そんな打ち上げ会場にはテレビが設置されていたのだが、そこではこの日行われていたTHE SECONDの決勝戦が映し出されていた

単独終わりに劇場のモニターでチラチラは見ていたのだが、まさか打ち上げ中でも見れるなんて

決勝に残ったのはザ・ぱんちさんとガクテンソクさん

2組とも昔からめちゃくちゃおもしろい人達だが、個人的にはやっぱり大阪から知っているガクテンソクさんに勝ってもらいたかった

そして結果は、ガクテンソクさんの優勝

最高やんか

昔から、初めて見た時からバケモンくらいおもろかった2人

そのお2人が東京の地で実力を見せつけての優勝はカッコよすぎる

改めておめでとうございます

国分寺からチャンピオンが出たよ

去年同じタイミングで上京した兄さんがこの結果を残したんやから、僕たちも後に続かないといけない

そう思った5/18

だが、現実は残酷だった

単独が開けてから僕を待っていたのは、怒涛の8連休だったのだ

麻雀なら八連荘(8回連続親で上がること)を達成したら役満だが、8連休はトビラスに等しい地獄だ

我々芸人のスケジュールというものはあらかた2ヶ月ほど前からGoogleカレンダーに共有されているものだが、まあまあいうて現段階で決まってないだけでなんかしら仕事は入るやろう、とタカを括っていた

けれど無情にも、仕事は一つも入ることなく8連休を迎えてしまった

そしてその8連休は1度も代演などが入ることもなくサラサラと過ぎていった

なんと悲しい、なんと虚しい日々だろう

それと同時に、このままではマズすぎるという思いにもなる

せっかく去年東京に来て仕事も給料も増えたのにこのままではまた大阪にいた頃に戻ってしまう

そんな焦りしかなかった

そうして焦燥感だけを蓄えながら過ぎ去った8連休だったが、それ終わりにはめちゃくちゃ楽しいライブが待っていた

それがポイズン吉田さんに呼んでいただいた、渋谷LOFTプラスワンでのライブ

その名もポイズン吉田さんの大好きな人たち

吉田さんが事務所の垣根を越えて好きな人を呼んでネタをしてトークをするというライブ

吉本からは僕たち、This is パンさん、さんさんず、シンクロニシティなどが出ていたが、他事務所からもママタルトや真空ジェシカ、パンプキンポテトフライなどのライブで一緒になったことのある芸人たちが出ていた

これがめちゃくちゃ楽しかった

僕たちは最初の方の出番でネタを終えたのだが、そこからはLOFTプラスワンということもありお酒を飲ましてもらいながらネタやトークを見れるシステム

もちろん僕たちだけではなくネタが終わってお酒が好きな人たちは順次飲み始める

楽屋では酒盛りが激しくなり途中はしゃぎ過ぎて舞台まで声が漏れてしまいちゃんと注意されてしまった

たまにライブハウスやイベント小屋に出させていただくことがあるが、このライブ中に酒を飲めるというのなが楽しすぎるのだ

ただ、そんな楽屋で1人岡下さんだけは少し元気がない

それもそのはず、This is パンさんの出番はライブ後半、つまりネタが終わっていないので酒を飲めないのだ

まあ僕たちもネタは終わったがトークはまだなので飲んでいいかと言われれば飲まない方がいいのだろうが、その辺はまあまあまあって感じ

やっぱりネタだけは飲まずにやらんと、というのが芸人の一線なのだ

そんなわけで無類の酒好きなのに酒盛りの中1人だけ飲めていない岡下さん

けれどライブも終盤に差し掛かり、ついにネタ出番がやってきた

これが終われば酒が飲める

ようやく心からの笑顔になった岡下さんが楽屋を出ていく瞬間に僕に言った

「中川、ネタ中おれが泣き出したらビール頼んどいてな」

その言葉に皆んなは笑い、僕はこう返した

「いや泣くほど飲みたかったんかい」

そうして出ていく岡下さん

僕たちは改めて飲みながら喋る

楽屋のモニターにはネタをするThis is パンさんが映っている

それを見るでもなく見ながら飲んでいると、ママタルトの肥満がふと呟いた

「あれ、、泣いた、、」

ほろ酔いになりながらもモニターを見る芸人達

ネタの中で女の子のキャラに入った岡下さんが、たしかに泣いていた

こ、これか

あの岡下さんの一言を僕を含め楽屋の全芸人がボケやと思っていたが、岡下さんはマジだったのだ

この泣くくだりのタイミングでビールを頼んだならちょうど岡下さんが帰ってきたぴったりのタイミングで1番冷えたビールが楽屋に到着しると、岡下さんは計算していたので

なんという酒キチ、恐るべし酒魔人

僕たちは急いで店員さんを呼びビールを頼む

肥満の一声でモニターを見たので初動は少し遅れてしまったが、まだ間に合うはずだ

モニターではThis is パンさんがオチに向かって進んでいる

間に合うのか

意味のわからん緊張感が楽屋に漂う

そしてついにネタが終わり、岡下さんが楽屋に帰ってきた

ビールはまだ来ていない

楽屋に着いた岡下さんがジャケットを脱いで椅子にかけたその時、店員さんがやってきた

手にはビール

その瞬間、楽屋に歓声があがった

ビールを受け取り、満面の笑みでぐいっと飲む岡下さん

なんて美味そうなんだ

まるで自分が飲んでいるかのように口の中にビールの味が広がってきそうだ

その美味さが痛いほどわかるのだ

ちなみにもちろんこの歓声もしっかり舞台まで届いていたらしい

芸人とはやっぱりバカで素晴らしい人種だ

そんな最高のライブを終えてからはLOFTで軽打ち上げを経て帰宅

こういうライブに一生出てたい

そんな気持ちになるライブだった


かいつまんで書いたが、これが5月のあらかたの出来事

読んでくれてありがとう

前回同様、文章はここまでね

ここからは有料ゾーンになるわけやけど、載ってるのは写真だけなの

なので見ても見なくてもいい

絶対見てとも言わないし

ただ気持ち的には見てほしいの

やっぱり書く以上利益は欲しいしそれがあれば意欲にもなるのでね

サポート的な感覚で有料ゾーンまで見てくれたら、めちゃくちゃ嬉しい

あと書いた文章に関係ない写真もいっぱいあるけどそこは気になさらずにね

では、また来月ね

ここから先は

17字 / 36画像

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?