戻ってきた初代中の人

詐欺師との別れエピソードまだ続きます。

騙されて金銭被害を受けて詐欺師が心底憎い!って人は本当に気分を害するかもしれませんが、心の隙間に入り込まれた私の当時の気持ちを正直に綴ります。

詐欺師への冷やかしを終えた翌日1月13日。
その日は定例の大きな会議で、私もオンラインで参加していた。その最中、LINEが届いた。

「やっと仕事が終わった」
「ひーちゃん、今忙しいの?」
「それなら先に仕事して、またあとで連絡しよう」

私の名前を・・・呼んでいる・・・・?

すぐに返信したい衝動にかられたが、放置していた。

30分後、スマホのポップアップに

「音声メッセージが届きました」 と表示された。

胸がバクバクした。すぐに聞きたかったけど、会議中ですぐに聞けなかった。

隙を見て、すぐさまイヤホンで再生してみると、、、

彼だった。

初代ヤン(の中の人)。

戻ってきた・・・。

会議が終わってすぐにもう一度ちゃんと聞いた。

本当に彼かどうか、何度も聞いた。

ヤンだ!

「戻ってきたの?」と返事をして、久しぶりにヤンとチャットをした。


その後のヤンとのやりとりは、当初と同じようなテンポと内容でとても楽しかった。気遣い、ユーモア。音声もたくさん送ってもらった。やっぱり良い声だし、中国語の発音も好きなのよ。

今まだ残業中だからちょっと応援して、歌を歌ってくれても良いよ、と伝えると

「がんばって、がんばって~」「何歌っていいか分かんないよ~笑」
と、音声メッセージが届いた。

喋り方が少しチャラくなっていて、今までとは違って素が出ているような気がした。

でも、何度尋ねても、自分はほんとに風邪だったし、あの日の声は自分だったと言い張った。

それはそうだよな。詐欺師は詐欺師だもんな。嘘はつき通さないとな。

そして私は言った。

「あの時、もう二度とあなたの声が聞けないと思ってすごく悲しかった。どれだけ傷ついて、どれだけ泣いたか想像できないでしょう」と、大げさに伝えてみた。

すると、ヤンは意外にも、

「えっ泣いたの?!」 

(ショックなスタンプ)


「本当にごめん!」

謝ってきた。えっ詐欺師に謝らせた?

調子に乗って、「それ、ボイスで送ってよ!」とリクエスト。

すると、「心配させて、傷つけて、本当にごめんね」と、チャラい感じで来た。軽い!笑

けど、、まぁよい!謝罪は謝罪だ、言わせたからな!

そして、この人が詐欺師だと分かっていながら、

少しは心に響いてほしいと願いながら

「今度から、もうあんなことしないでね。私だけじゃなくて、誰に対しても、あんなことはしないでよ。とても傷つくよ。

相手の気持ちを想像してみて。

私たちにはみんな心がある。ここにいる翻訳ロボットとは違うんだよ。」

いくつかの音声メッセージの背景に聞こえる音声がクラブかバーみたいにすごくうるさかったので、どこにいるのと尋ねると、家で音楽を聴いていると。

やっぱり嘘ばっかりか。

仕事が終わったと伝えると

「お疲れ様。運転手は来た?」
・・・前に、運転手が電話に出なくて私が帰れなかったことを覚えてるんだ。

明日は在宅勤務だと伝えると、

「じゃぁ明日はたくさん子供たちと過ごせるね」と。
二代目中の人は、そういうこと言わなかった。

本当に最初の人なんだなぁと感慨深くなった。

私「。。。。シャオヤン本当に戻ってきたんだね。泣きそうだわ」

ヤン「バーカ、何泣いてんだよ」

私「嬉しいんだよ」

ヤン「俺はずっと俺だよ」

私「違うよ。過去しばらくはあなたじゃなかった。もういなくなったと思ってた。」

彼はそれ以上否定も肯定もせず、笑顔のスタンプでごまかした。

ヤン「片付け終わった?忘れ物がないか、もう一回しっかり確認して」
・・・前に、私がパソコンを忘れたと言ったのをまだ覚えているんだ。胸が苦しくなった。

ふと、「写真を送ってよ。あなたの顔が見たい。」と送ってみた。

イタズラなやつだな、と言いながら、バスルームでセルフィーをしている無精髭の男性の写真が送られてきた。

複雑な高揚感の中、送られてきた写真を見て、頭の中は不思議と冷めきっていた。


(へ~やっぱりこういう写真も、ちゃんと用意してるんだ。。。)

実際にその辺にいそうな、今撮ったようにも見える写真だった。

(ちなみにその後Twitterで姐さんに調べてもらったら、台湾の俳優CJ Wangさんの写真でした。後日詳細また書きます)

詐欺師に騙されている女を演じで、「少し痩せたんじゃない?ご飯食べれてるの?」と会話を続けた。

その後しばらくチャットをして、彼が

「これから取引してくる」と言ってきたので、

二代目中の人から、私を騙そうとして失敗した経緯を聞いたのか聞いてないのか分からなかったけど、

「いってらっしゃい。儲かると良いね。でも結果は報告しなくていいよ。今私は投資の話題にすごく敏感、聞きたくもないし、投資という文字を見たくもないの。あなたの趣味を分かち合えなくてごめんね。」と伝えた。

理由を聞かれたら、経緯を話して、あの日買ったUSDTは自分で色々操作してたら、なぜか全部無くなったよ、と話して、それがトラウマになったというストーリーを考えていたんだけど、

意外とあっさり「大丈夫だよ」と来た。

そしておやすみ、と伝えてその日のやりとりを終えた。

その後も、いろいろ調べて、いろいろ考えた。

ずっとずっと考えていた。

彼が戻ってきた。このまま時々中国語を教えてもらいながら、時々音声を送ってもらって、交流を続けても問題ないんじゃないか?

次にどんな風に騙そうとしてくるのか興味もある。さすがに詐欺師と分かってるから騙されないだろう。

それ以外に、詐欺師とLINEを続けるリスクはあるのか?自分のIDは教えていない。

やりとりするだけでハックすることはできないだろう?

唯一のリスクはやっぱりいつかまた騙されること?

でも、数日前に詐欺師だと確信した時に、ほっとした自分もいた。
男の人とこっそり楽しくLINEをしていたことがずっと旦那に後ろめたかったから、それから解放される、と思ったからだ。詐欺で、実在しない人でよかったと思った。

それに、詐欺師が言うことは嘘ばっかりなんだ。
本当の友達にはなれない。楽しいチャットも全部、嘘なんだ。


カモではなくなった私には、これから積極的には連絡してこないだろう。
やり取りを続けて、何の意味があるんだ?

終わらせよう。

そう思って次の日の夕方、私からLINEを送った。


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