いただいたテーマをやる回 09

◆フェミニズム

とんでもないテーマである。
おいそれと生半可な気持ちでは書けないのだが、結果的に生半可だと見られたとしても、まあこういう機会だし書いてみようかと考えた。
(書いてみたは良いものの、最後らへんが訳わからんなって恥ずかしいのと、なんというか無作為には読まれたくないので「自分は、これを、読みたいのだ」という息継ぎ多めの強い意思のある方だけどうぞ、という理由で、途中から有料にさせて頂きます)


フェミニストだね、とは、ここ二、三年あたり、よく言われるようになり、自己認識としても「自分はフェミニスト、のようなもの、だろう」とは思っている。
のようなもの、だろう、という曖昧さは、それに纏わるさまざまな本を読んでみたりしたところ、たしかに自分の思想に近しいのはフェミニストと呼ばれる主義思想である気はするのだけれど、手に取る本によっては「うん?なんか違うかも」「これはちょっと自分の思想とは違う」と思うことも少なくなかったため、いまだ確信が持てないでいることによる、この、なんとも言えない歯切れである。
フェミニズムの中にも、女性の地位向上にだけフォーカスしているものもあれば、そこにミサンドリー(男性憎悪)がはらむものもあり、更にはマスキュリズムの存在やそれに纏わる解釈の違いなどもあって、なんだか難しいし一概に言えてしまえないのだと思う。私も引き続き勉強していく次第である。

あとは自分が「フェミニスト」と名乗った場合、そこから少しでも外れた発言をした場合に残念な思いをさせてしまう人が出てくる可能性があることへの懸念もある。
私は別に不謹慎なお笑いも好きだし、嫌〜な悪いお笑いも好きだ。全然笑ってしまう時もあるし、取りたくなれば自分もそういう笑いの取り方もしてしまう時もある。
しかしこういう時代である。わしはフェミニストです!と自称しておいて、お笑いのためにその哲学と少し違った言動や、違ったネタをすれば「お前なんてフェミニストじゃない」「フェミニストを名乗るな」「フェミニストに失礼だ」などと怒られるのは目に見えているし、そういった叱責は私がお笑いをやる上で必要な叱責でもないのかなと考える。
何にせよ私はお笑いが、面白いことが一番大事なので、お笑いを詰まらせるような主義思想の意地は張り続けるべきではないような気がしているのだけれど、それもまだよく分からない。
重ねるが本当に、あくまでも自分が大事にしたいのは、笑えるかどうかで、主義思想はそれによって融通をきかせていけばいいと思っていて、尚更こんな都合の良いスタンスで、そう名乗って良いわけがない、と考えるのである。

これは加筆。
この記事を書いていくつかメッセージ頂いたのだが、最も驚いたのが「フェミニストには良いイメージがないので自称するべきではない」というものだった。それはとても丁寧な書き方で、私にも女性というものにもとても敬意を感じる素晴らしいメッセージだったのだが、なるほどこういう方もいらっしゃるのかと驚いた。
フェミニストと聞いて想像するのは男性嫌いで、自分の権利ばかりを大声で主張する女性たちなのだろうか。フェミニストは全員ブスだと冷笑する空気があるだとか、過激な男性嫌悪、性嫌悪を持つ層と同じように認識されているだとかは、幾つかの本で読んだ事があったけれど、本当にそういう認識を持つ人の影を感じたことも初めてだった。少し私の説明足らずだったのかもしれない。
男性嫌悪はミサンドリーと呼ばれるもので、フェミニストとはあくまでも男女間の公平な権利を求めようという認識で、男性をブリングダウンするものではなくて女性のアップリフトを掲げる人たちだと私は理解している。だからもちろん、男性のフェミニストもいる。
この記事を読んだという芸人から(わざわざ購入してくれるな、言うてくれ)「女性車両の推進を促す人たちはフェミニストですよね?」とかも尋ねられたが、それはちょっとよく分からない。分からんことが多すぎて、私ごときが発信して良いテーマかどうかも、やっぱりよく分からないけれど、最後まで分からないなりに書いてみようかと思う。

ジェンダーを強く意識させられたのは確実にこの世界に入ってからで、それまで自分はそんなことは意識せず、させられることなく、幸運なのか当然なのか、のびやかに暮らしてきた。
私自身が性別で認識される、ましてや軽侮されるなんて経験は特になかったし、つねに周囲からは女性性ではなく一個人としての認識だったり尊重だったりをされてきた。同じように周囲の人間に対しても、男だから女だからという風に考えたことすらなく一個人として接してきたし、それが普通だという感覚で過ごしてきた。

それがこの世界に入るなりがらりと変わった。正直、別世界である。なんとまあ。がらり。

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