集え冒険者たち 転生したら魔導士だった!

プロローグ 
 第六天魔王臼井さんから繋いでいただきました。第164号(2024年6月19日)は、転生したら魔導士だった和田明久です。今回は、自分自身を何度目か見直すきっかけとなった、転生した私の実体験からお話ししたいと思います。
 
第一章 転生前の記憶 
 40年間、ある帝国にて見習いより宰相まで勤め上げ、ご多分に漏れず、55歳頃からセカンドキャリアについて考え始め、国家資格キャリアコンサルタントを取得したことを生かせるのかどうか等、試行錯誤を繰り返している時期を経てきました。職務経歴書を作成していく中で、自分の経歴が採用側からみれば価値のないことに気づき愕然とし、趣味がない、特技もない、仕事しかないという自分の生きざまは、第三者から客観的に見れば、ただの自己満足に過ぎない。採用者側にとっても、それらを自社でどう生かせるのかという可能性を見出せるはずもないと思う日々でした。

 一方、5つの転職サイトに登録。「え!こんなところからも!」という求人に対して、応募したところで全てだめ。転職エージェントからは、そのままでの再雇用を勧められる。理由はシンプル。誰も口に出せない「年齢制限」。このことは、転生後採用側になるとあらためて実感することになりました。
 
第二章 転生 王国の宰相から魔導士に
 全世界を席巻したコロナ禍。くるくる廻る夢の中、気がついたら転生していました。前期高齢者とはいえ、その王国の宰相として転生したため、時間拘束から結果責任まで転生前のそれと大きな変化はありません。しかし転生前よりは、業務は楽になり、休みも比較的確保でき、俸禄も増えたので、巷の情報や同期の話を聞くと比較的恵まれている感を持っていました。しかし、すぐに魔導士として戦うことになります。 
 
第三章 魔導士 斯く戦えり!
 白昼の岐阜の山奥で「異世界の門」が開かれた。中に飛び込むと出くわすのは、怪異と妖魔たち。魔導士は王国を守るために、孤軍奮闘するのであった。
 敵味方を作る妖魔、ネガティブな指摘を受けるとすぐきれる魔物、過去のやり方に固執する妖怪、自分をすごく大きく見せるのが無茶苦茶上手い怪異、うんちくたれながし評論家おじさま、自分のスキルとキャリアしか見ていない悪鬼等々。
 魔導士は印を結び、ひたすら真言を唱える。
「傾聴っ!寄り添いっ!」
「傾聴っ♪寄り添いっ♬」
「け・い・ちょっ⤴よりそぃぃぃ~💦」
闇の中をただ突き進む。
 
第四章 集え冒険者たち
 怪異と妖魔たちとの長い戦いを通じて、目指すべき方向性を共有し同じ感性を持つ冒険者たちが少しずつ集い始める。遠くに光が見える。その経緯であらためて気づくのは、人は生きていくためには、「自分の価値観・考え方・やりたいことがあってかつ他人と共存することを努力できること」が必要なのではないのか、ということだった。
 そのためには何が必要かと言えば。
「相互の信頼」関係の構築
というあたりまえのことにあらためて行きついたのだ。

第五章 戦女神の騎行
 ならばその「信頼」を構築していくためには、どうすればよいのか?
自分の立場を確定させない、決めつけないこと(キャリコン養成講座で必ず指導されたっけ)。
 テクニック的には、事実を集める習慣をもちそれを武器とすること。誰にでもわかりやすく構造的に話すために話す前に話すことを整理すること。結論から言うことを心がけること。例えと喩えを使うようにすること。相手に抽象的で難しいことを直感的に理解してもらうため、具体的なイメージストーリーとして話せると伝わりやすいからね。
 
第六章 つかのまの平和
 戦いが集結し、平和が戻ってきた。魔導士は次の戦いに備えて、冒険者たちに問い続ける。

我々は、誰のどんな問題を解決するために戦い続けるのか。
我々の成功は、いかに自分のやりたいことをやるかどうか、その信念を貫き通せるかで決まるのではないか。
我々は、常にこれからどうするか、を考え続けていくのだっ。
と。 
 
終章 そして未来へ
 志を同じくする冒険者たちに通じるコンセプトワードは、「信頼」。
全てのことは「信頼」の構築にかかわっている気がしています。そのために、相手の言葉を傾聴し、寄り添うことが大切。それが通じない相手とは、残念ながら距離を置く。

 魔導士としていくつまで戦い続けるのかとの問いかけに対して返答に困った時期がありました。それまでは考えたこともなかったし、ピンとこなかったから。なぜ年齢で制限をかけるのか、と勘繰ってしまっていたから。
 
でも今ではこう答えます。
「信頼されている人たちから必要とされるまで。そして貢献できるまで」と。
 
惑う士は今日も荒野を進み続ける。
 
めでたし めでたし。
 
エピローグ
次回は、やる気が上がる一番は目の前の方の「ありがとう」の一言、浅川さんに続きます。お楽しみにっ!













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