イアソンの事が苦手だったオタクが彼のファンになるまでのアレコレソレ


※これより先はFate/Grand Order 一部三章「封鎖終局四海オケアノス」、二部五章「神代巨神海洋アトランティス」、絆ボイスなどのネタバレしかないトンデモ記事です。まだクリアしてない、自分で絆ボイスを回収したいといった方は見なかったフリでお願いします。







私がイアソンという人物を知ったのは、FGO第一部三章「封鎖終局四海  オケアノス」だった。
まずオケアノスを語る上で欠かせないキャラが居る。誰かと言えばそう彼だ。


アステリオスくんである。


イアソンじゃないの?とか言わないでね。
味方として登場した彼はそれはもう素晴らしく可愛い子だった。
女神エウリュアレちゃんとの美女と(優しい)野獣コンビは非常に眼福。可愛い+可愛い=とっても可愛い。怪物として生まれてしまったけど心までは怪物にはならない、人間として接してくれたエウリュアレやマスターの事が大好き、名前を呼んでくれたみんなの為に僕は人間に戻らなくちゃ…!などなど、オケアノスを攻略した上でアステリオスくんを嫌いになる奴なんて居るだろうか?いや居ない(反語)

そんな健気で優しい、ただ日の光を求めた大きな子供でしかないアステリオスくんを殺害したとんでもねえ野郎が敵として登場する。


オメーーーーーーーーだよお前お前お前お前イアソンお前!!!!!!!!!!!!


(※実際にアステリオスくんを殺害したのはイアソンの仲間であったヘクトールなのですが、指示をしたのはイアソンなので個人的に有罪です)

オケアノスでのイアソンは本当に…この…三流小悪党!!!!と罵りたくなるほどのこんちくしょう。
敵で出てきたのだからこちらの妨害をするのは当然として、イアソンの味方であり妻であるメディアリリィの地雷原でタップダンスするし味方の事も道具のように扱う発言するし保身しか考えてないし、その癖明らかにもっと格上の悪党にいいように利用されてるのがバレバレであり、本人はその事になーんも気付いていない間抜けっぷりと、とにかくいいとこなんてひとっつも無いと言っても過言では無いレベル。
ハッキリ言って私はこの時「この金髪をアステリオスくんの墓の前で土下座させてやる!!」くらいには憎く思ってたし、オケアノスの最後で案の定メディアリリィに裏切られ酷い目にあい、恨み節を散々吐いて消滅するイアソン様を見てザマーミロと思ったし、本当に英雄かよコイツとも思ってた。

……思ってたんだけど。

第一部最終章、時間神殿で再び現れたイアソン様に対して「おや?」と思ったのだ。
いや、めーっちゃめちゃ上から目線の癖にして恨み節炸裂の屁っ放り腰なのは変わってなかったんだけど。とにかく多数の敵を前にイアソン様は「1を10にするより、10を100にする方が強いに決まってるだろ!」と言いのけ、イアソンを守護しようとするメディアリリィやヘクトールを何よりも強いと信じているヘラクレスの援護に向かわせ、戦力にならない自分は敵の注意を逸らす事にしたんです、彼。

ぶっちゃけここに来てようやく、ギリシャ神話をほっとんど知らなかったのでイアソンという人物についてはマジで何も知らなかったという事に気付くのです。私ってやつは。

そんな時間神殿を終えて1.5部攻略ついでに、触り程度に調べてみたイアソン様の生前。
そこで分かったのは、英雄達を集めて繰り広げた数々の冒険譚とは裏腹に、ひとりぼっちで死んだ惨めすぎる最期。成る程まぁ…その…生前結構大変だったんじゃん……?みたいな気持ちになりました。なりましたよ!!

でもお前が嫌なやつだったのは変わんねーからな!!アステリオスくんに酷い事言ったのもしたのも忘れてねーからな!!忘れてやらねぇからな!!


とかなんとか思ってたら今までNPCとしか登場しなかったイアソン様が、なんと2019年にとうとう実装。しかもフレンドポイント召喚。無料でイアソン様が手に入る!
低レアサーヴァントとは思えない程豪華なモーション、宝具のドタバタっぷり、台詞のコミカルさ、ギャグ漫画や海外アニメ映画のオーバーな表現が大好きな人間に刺さらない訳がなかった。見てるだけでめちゃめちゃ楽しいのだ、この人。

でもぶっちゃけその時も「マジかよ!?」とは思ったけどそこまで重要視はしてなかった。というかあんまりしたくなかった。そもそもサロメというちょ〜〜〜〜〜〜〜〜好きな女が一緒に実装された事もあってそっちに夢中だったし…。
でもまぁフレポガチャ回したらめちゃくちゃ沢山来てくれたからね?来てくれたからには絆レベル上げますけどね?
絆レベルを上げると専用ボイスが聞けるというのはFGO界ではあまりにも有名。さてイアソン様は何を言うのかなと思ってたってワケ。
そしたらさぁ。

「指揮官の心得ってものを教えてやろう。まず最初に、生き残ることだ。次に、何が何でも生き残ることだ。お前や俺に代わりはいない。そう思え」
「なぜ生き残らなければならないか、だと? 当たり前だ! 身を捨てて得られるものなど、そんなにない! しぶとく立ち回って、生き残ってこその人間だ! お前は英雄ではないのだから、せめてしぶとさくらいは身に着けておけ。分かったか? マスター」

ンッ…………………………………。

……あの、あのさぁ。私が好きな人間の一つに「みっともなくても惨めでも、それでも生き汚く足掻く人間」っていうのがあってさぁ…。

笑って死ぬ奴も大好きなんだけど、生き残る事にこそ価値があると判断出来る、汚いからこそ美しいって概念も好きでさぁ…。

しかもこれを生前、何もかも失って自殺しようとした時愛した船に押しつぶされて死んだイアソン様が言うからさぁ…。


いやいやいやいやまだですまだ!!もうこの時点でイアソン様とマシュの二次創作漫画描いたりしちゃってたけど!!イアメディとか描いちゃったりしてたけど!!イアソン様についてツイッターで呟くようになりましたけど!!もうかなり好きな分類に入ってましたけど!!まだですよこれからですよ!!だってオケアノスのお前の悪行をこっちは忘れてねえから!!


はいそんな事してるうちにFGO最新章、LB5神代巨神海洋アトランティスが解禁。
CMでイアソン様が現れ、「綺麗だよ…」なんて言ってしまう始末。
そんで肝心の本編なのですが、

誰よりも強いと信じた友でもあるヘラクレスが消滅し、酒飲んでウダウダやってるめっっっっちゃめちゃカッコ悪い登場。
「戦いたく無い」と言いつつもキャプテン・ドレイクから発破をかけられ、圧倒的不利の戦いに乗り出し。
状況判断が的確でその場における最適解を弾き出すのが早く、非情な判断も即下せる超有能指揮官っぷりを発揮し。
その割にところどころのコミカルさは相変わらず。
最後の最後まで見栄っ張りで、その癖英雄らしい退場の仕方をして。

いやも〜〜最高だったんですよこれが。下げてから上げてきたのでカッコよさ五割増し。超カッコ良かった。こんなん誰でも好きになるわ。


もういっそ嫌いでいさせてくれや……何でここに来て好感度をさらに跳ね上げてくんのや………。

お陰様で「イアソン様すごく良かった、大好き」な自分と「でもオケアノスの事水に流していいの?」な自分が居る。居るんだよ!!
二次創作漫画めちゃめちゃ描いちゃってるけど、イアソン様に聖杯捧げるのは今でもなんとなく躊躇ってんだよ!!なんてめんどくせえオタクだよ!!ちなみに最終再臨はLB5が解禁する前から済んでたよ!!笑えよ!!

いや、ここまで長文書いてる時点で読んでる人からすりゃ「お前イアソンの事めちゃめちゃ好きじゃん」って思われてると思うのですが。実際……好きです……。
LB5をプレイする前にFate/stay nightの3ルートをクリアし間桐慎二というキャラクターを知りました。彼のどうしようもなさと報われなさと、それでも必死で足掻いたものが誰にも知られなくても確かにあったんだという事を知り、彼に近いと言われているイアソン様の見方が変わった事も自分の心境変化に関係あったのかなーなんて思ったり。
でもイアソン様が生前メディアさんにやらかした事はマジで全く許されないと思ってるし、オケアノスでアステリオスくんにした事も絶対許されないと思ってます。でもイアソン様本人もなんとなく反省してるっぽいんですが…。

というか何が悲しくてプレイヤー側が登場キャラクターにクソデカビック感情持たなきゃならんのよ!?

そういうの以蔵さんやサリエリ先生担当でしょーが!!


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