擬音声命体 うりゃ美とオリャ雄 第30話「インターホンには出られない」

擬音声命体 うりゃ美とオリャ雄

第30話「インターホンには出られない」

ナレーター「この世界にいる不思議な存在である擬音声命体。彼らは今日も精一杯に生きている」

インターホン「ピンポーン」

オリャ雄「オリャ!」

うりゃ美「うりゃりゃ!」

インターホン「ピンポーン」

ナレーター「誰かの訪問を知らせるインターホンの音が部屋で鳴り響く」

オリャ雄「オリャオリャリャ」

ナレーター「言ノ葉ヒビキは仕事で家にいない。なのでオリャ雄がインターホンに出ようとしたが、うりゃ美がそれを制止する」

うりゃ美「うりゃりゃ」

オリャ雄「オリャ?」

うりゃ美「うりゃうりゃ、うりゃりゃ」

ナレーター「うりゃ美とオリャ雄の言葉を理解できる人は言ノ葉ヒビキしかいない。インターホンは音声でやり取りをする。だから出たとしても受け答えができないのである」

オリャ雄「オリャリャリャ」

うりゃ美「うりゃりゃ~」

ナレーター「それでもオリャ雄はインターホンに出たいと言った。なぜなら今までインターホンを使用したことがないから。しかしうりゃ美に諭される」

うりゃ美「うりゃりゃうりゃ」

オリャ雄「……」

ナレーター「インターホンには出ないようにと、言の葉ヒビキとの約束後事をうりゃ美に言われて、オリャ雄は黙り込んでしまう」

オリャ雄「オリャー」しょぼーん

インターホン「ピンポーン」

ナレーター「オリャ雄は落ち込み、インターホンの悲しい音が鳴り響いた。そんなオリャ雄を気遣ってうりゃ美はある案を出す」

うりゃ美「うりゃうりゃりゃ」

オリャ雄「オリャリャ?」

うりゃ美「うりゃ!」

オリャ雄「オリャ~」

ナレーター「オリャ雄はうりゃ美に言われた、近いうちに宅配便ごっこをしようと。オリャ雄とうりゃ美の会話なら言葉に壁はないのでインターホンを利用できる」

オリャ雄「オリャ!」ニコニコ

インターホン「ピンポーン、ピンポーン」

ナレーター「オリャ雄は笑顔になり、インターホンの喜びの音が鳴り響く。嬉しそうなオリャ雄を見たうりゃ美もつられて笑顔になる」

うりゃ美「うりゃ~」ニコニコ

オリャ雄「オリャ~」ワクワク

インターホン「ピンポーン、ピンポーン」

ナレーター「擬音声命体は今日も不思議な音と声を奏でている」

つづく

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うりゃ美「うりゃうりゃ。うりゃりゃ」 オリャ雄「オリャリャ。オリャア」