見出し画像

一条工務店は高性能メーカーの中でもコスパが良いのか?

こんにちは、HIBI HOMEです

国が断熱等級のバリエーションを5,6,7と増やしてから、多くのハウスメーカーが断熱性能を上げた商品を提案するようになってきましたね

昔は一条工務店レベルのUA値を持つ高断熱住宅メーカーは他にあまりなく
対抗馬になるとしたら、各地域の中でも意識の高い工務店くらいだったんじゃないかと思います

なので、なんとなく信頼性の高いハウスメーカー趣向の施主さんからすれば
高断熱にしたかったら一条工務店で決まり
というパターンが多かったはずです

しかし、今やほとんどの大手メーカーで断熱等級6程度の商品がラインナップされ
断熱等級7を取れるメーカーもちょこちょこ増えてきています

ちょうどこないだ、無印良品も断熱等級7を取れる家を販売していることを知って驚きました

また、へーベルハウスさんは、木造の高気密高断熱ブランドとしてAsu-hausの販売を公表しました
断熱等級は7で、C値も0.2以下とするということですから相当な高性能住宅です

で、これからも断熱気密の良い住宅が増えてくると仮定すると
「断熱性能良いメーカー同士だったら何が違うの?」
って一度は考えたくなると思います

もちろんデザインとかは当然各社違うわけですが
結構違いが出そうだなと思うのが、コストの観点です

そこで今回は
高気密高断熱住宅の中の一条工務店のコスパについて
感じていることを紹介します!

ここでのコスパの定義

まず「一条工務店はコスパが良いのか?」という問い自体が抽象的なので
もう少し細かくコスパという言葉を定義しておこうと思います

高気密高断熱住宅は、想定する居住年数が短いと、低気密低断熱住宅と比べた初期費用の差を回収できなくて、そもそもコスパが悪いと考えることもできちゃいますからね

なので今回は以下高気密高断熱な住宅が作れるメーカーの中で比較するものとし

 性能・機能・デザインそれぞれの観点で同等の価値の家を手に入れようと思ったときに、建築総額が安く済むか

この観点で評価していきたいと思います

HPの記述や見積もりはあまり参考にならない

コスパを調べたかったいと思ったら多くの人は
「(ハウスメーカー名)+ 坪単価」
と検索して比較しようとするのではないでしょうか?

ただ、個人的には、これで調べても今回の話を結論に導くのは難しいと感じました

なぜなら、どこの意見もポジショントークになってしまい
自分らに都合の良い側面しか公開しなかったり
表面上コストが競合よりも下回っているように見せる手法が横行していると思うからです

※結婚式場を決めるときにも同じことを思いました。笑

特に注文住宅となると、コストの内訳が土地から建物本体、オプション、外構までたくさんの項目で成り立っているので
全部条件を揃えてコストを比較できるような情報には出会いにくいと思います

なので今回は、メーカーの公表値の側面ではなくて
各社のビジネス構造や経営戦略から見えるコスパの違い
これ
を紐解いていきたいと思います

これを理解しておくと
ポジショントークに騙されずに真のコスパの良いメーカーを見極められるようになると思います

是非最後までご覧ください!


コスパを左右する要素

年間棟数

年間の建設棟数が多いほど、コスパ良く消費者にサービスを届けやすくなります

なぜなら、大量発注・大量生産を行えれば、1棟分で見た材料の調達コストが安くなるからです

この観点では一条工務店はかなり有利です
一条工務店は年間12,000棟も住宅を建てており
各ハウスメーカーと比べてもぶっちぎりの1位です

これだけ建てているから、フィリピンに工場を作って大量生産しようとか大胆なことを考えられるわけですね

自社製造か外部調達か

壁材や住設、窓など、建物に必要な材料を自社製造すると
一般的に安く消費者へ提供できる傾向にあります

なぜなら、外部企業から購入して調達する形だと
その外部企業の利益分がコストに上乗せされるからです

だからと言って全部を自社製造にするには、設備への初期投資が膨大になったり、自社製品の品質・センスを磨くのに時間がかかったりしますから

資金力が豊富で
長期的な目線を持ち
さらにその資金繰りを支えるたくさんの顧客がいる企業じゃないとできないことです

一条工務店は長い歴史の中で自社開発設備の割合を増やしてきましたから
この辺りもかなり強いです

逆に新興勢力企業は、外部から材料を購入するパターンが多いはずなので
どうしても原価が高くなりがちだと想像します

量産向きの仕様か

仕様が量産向きだと、比較的安くなる傾向にあります

例えば、一条工務店の商品の壁材はボーダータイルもしくはハイドロテクトタイルに限定されるものが多く
タイル貼り付け済みの外壁を機械でくみ上げることができます

一方たくさんの顧客を抱えていても、すべての顧客が何でもありの自由設計となってしまうと、同じ材料を量産しにくくなるので
自社開発を中心とする企業であるメリットが薄れてしまいます

また、塗り壁仕上げの場合は現場仕上げの箇所が増え、量産できないうえに人件費もかさみがちだと思います

一条工務店は「デザインの自由度が低い」などと文句を言われつつも
規格住宅やオリジナル住設をより多くの人に届けることで、コスト低減しているというわけですね

ちなみに、元々自社製造を売りにしている工業化メーカーもあり(セキスイハイムやトヨタホーム等)
彼らは一条工務店に追いつく余地があるのでは?と一瞬頭をよぎりますが

彼らは、高気密高断熱仕様の商品と従来商品を別の生産ラインで回さなければいけない部分も多いはずなので

「量産向きの仕様であること」+「高気密高断熱仕様のユーザがたくさんいること」
これらがセットで必要になります

工事期間

工期が短いほど安く住宅を提供できます

理由は、人件費を抑えられるからというのと、削減した時間を他の顧客に充ててさらに売り上げを得ることができるからです

こちらも、工場で大まかな部品をつくり、現場作業を削減している工業化系メーカーが強いです
その点ではやはり一条工務店は強いですね

※ただし、高気密高断熱住宅は現場施工に手間をかけたり、施工を丁寧に行うことが重要というところもあるので、全体的に工期は長いはずです

営業・広告費

当然ですが、メディアに広告を打っている企業は、住宅の売り上げでその投資を回収しなくてはいけません

このことは、広告だけではなく、営業にかける人数などについても同じことが言えます

要は、どれだけ家を作ることだけにリソースを割くことができているかでコスパが決まるということです

一条工務店はテレビ広告を打っておらず、口コミで顧客を獲得していくスタイルですから、比較的コストのかからない運営をしているなと思います

ただし、最も営業経費の少ない事業体は地元工務店です
一条工務店はもはや大企業になってしまっているので、サービスに係る人間が多いという意味ではどうしても地元工務店には勝てないのではないでしょうか
家に届く冊子の量をもっと減らすなど、削れるところもあると思いますけどね笑

ブランド性

所有していることがステータスになる
家にもそんな価値観を搔き立てる要素がありますよね

そんなブラント感が演出できれば
メーカー側は値段を上げ、利益率を上げることができます

「ブランドであることは価値だ!」
と考える場合話は別ですが

性能・機能・デザインがほぼ同じだったらブランド感のないものの方が価格は安くできるでしょう

日常的なものに例えると、ブランド代が載ったiPhoneより、スマホとしてほぼ同等のスペックを持つAndroidスマホの方が1~2万円値段が安いみたいな感じです

一条工務店がブランドか、はかなり微妙なところですね
中価格帯のハウスメーカーと存在感は同じくらいじゃないかと思いました

ちなみにブランド感は住宅以外からでも演出できます
無印の家がその良い例です

無印の家を実際に見たり、口コミで聞いたことのある人は少ないはずです
でも、普段手にする無印良品の品質やコンセプトが好きだから、何となく家も良く見える/価値を感じる
そんな第一印象を持たせることができるのです

家と全く関係ないですけど、バルミューダなどはどの製品でもブランド地位を確立したい意図を感じますよね

他の収入源があるか

会社として他の収益源がある場合、住宅の価格は利益を抑えた良心的価格になっている可能性があります(あくまで可能性です)

なぜかというと、住宅業界でビジネスを行うことで本業が儲かるなら、住宅自体の利益をそこまで大きくしなくても良いからです

例えば、無印の家を建てようと思った施主さんは、通常の家の施主と比べて
「どうせなら無印の家具を揃えよう」
と思いやすくなるでしょう
これで実際に無印のそこそこ値段のする家具が複数売れれば、本業の無印良品の利益が増えてハッピーなわけです

また、一条工務店は非上場会社なので財務諸表は公開されていませんが
家を建てること以外で収益の柱ができてきている可能性は若干考えられ
建物価格だけで利益を取ることにはこだわってないと推測します

例えば、一条工務店施主向けの固定金利住宅ローン「iフラット」は
金融機関に委託しているわけではなく自社で運営しているそうです
なので、既に金融業で安定した収益を得ている可能性もありますし

建設後のアフターメンテナンスにかかる商品も販売していますから
これまでの通算建設棟数分のアフターメンテナンスだけで、コンスタントに売り上げることもできるはずです

これまでの顧客から安定的に売り上げを得る仕組みが徐々に出来上がってますね~

ただ、この辺は不確定要素がかなり強い部分ですので
確証がない限り比較はしにくいでしょう
調べたい会社が上場企業でしたら、財務諸表を読んでみるのが良いかもしれません

不要なものが含まれてないか

メーカーが住宅としての価値を上げるのに貢献しないものに経費をかけてたら
若しくはそのサービスが「自分にとって」価値のないものだとしたら

そういうメーカーの商品はコスパが悪いもの、となってしまうでしょう

例えば
4人暮らしなのに、二世帯住宅や豪邸にも対応できるオーバースペックの全館空調システムが全棟標準
とか

寿命の考慮がちぐはぐな電気設備があるとか
(Ex. 本体は30年持つけど基盤が10年そこらで壊れてしまい、10年に1度本体交換しなきゃいけない等)

こういう合理的でない部分を各社が孕んでいる可能性はゼロではありません

この点では、地域工務店の方がそのお客さんに必要なものだけを合理的にそろえた設計をしてくれる可能性があります

また、「念のため」という言葉の近くに無駄ポイントが含まれる場合があります

例えば、家全体で何畳用のエアコンを何台設置するか、を考えるとき等です
※高気密高断熱住宅では、各部屋にエアコンを設置するのはオーバースペックで、オーバースペックなエアコンはうまく除湿できなかったりとデメリットが発生します

・メーカーの仕様が施主さんのニーズに合っているか
・本当にそれらの設備が必要か
これらについては個人差があると思いますので
自分らの価値観合ったメーカーを選ぶことが
結果的に無駄な出費を防ぐカギになるかもしれませんね

一条工務店はコスパが良い?

ここまで、住宅のコスパに関わる要素を列挙してきましたが、これらを踏まえると一条工務店に対してどのような印象を持ったでしょうか?

個人的には、多くの項目で要点を押さえており
高気密高断熱住宅の中ではかなりコスパが良い部類という印象を持ちました

もちろん、一条工務店の他にも同等の価格で同等の性能・機能・デザインを提供しているメーカーもあるかもしれません

ただそういうメーカーは、一条工務店よりも高い経費で(=薄い利益で)家を売っていると思われ
そのようなお財布事情が苦しい工務店などは、建設中に突然倒産してしまう可能性もあります

もしくは
人件費を浮かせるために、施工を雑に行って気密性が十分に確保できてない家になってしまう
といったことも考えられます

なので、コスパを検討する場合は、ビジネスの構造的にコスパが良くなる仕組みを持っているかで考えることが非常に重要なのです

では一条工務店一択なのか

そんなことはありません

今回は同じ条件の家だったら、という観点で比較して、一条工務店に優位性があるように見えますが

一条工務店にない価値を持っているメーカー・工務店であれば
そもそも価格勝負にならないですからね

例えば、大開口の窓を使いたかったら、もっと自由設計のメーカーを選んだり、海外の断熱性も良い大開口窓を輸入してくれる工務店等を選んで良いわけです

床暖房じゃなくて床下エアコンをやりたかったら、地域工務店でも良いわけです

ただ、断熱性/耐震性/コスパあたりの主要な項目をがっちり押さえている一条工務店の家が、多くのユーザーに刺さっているのも確かです

やっぱりすごいですね一条工務店は
※上場してたらぜひ株買いたいんですけど、非上場なんですよね

以上、参考になれば嬉しいです


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?