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ゼウス観戦記2023 セミファイナル ~超一流の条件~

※お願い
この記事は、個人が勝手に書いたものである。
読んでくださるのは本当にありがたいが、記事を介して
「選手たちの選択や打牌に対して、攻撃的な発言や批判をしないこと」
これだけは守って頂くよう、くれぐれもご留意願いたい。

本放送より引用

↓セミファイナル本配信


神域リーグもいよいよセミファイナル。

これまで窮地を耐えてきたものの、直前に捲くられて僅差の最下位で向かえたチームゼウス。
そして、最後にして最大の試練は訪れた。

あまみゃ

あまみゃ選手、意地と執念の200点差2着。
2着と3着の順位点で、グラディウスとの点差は-20か+20となる。
この200点差は、実質40200点の価値があるといって良い。


りつきん

りつきん選手、見事な手順のチートイツで勝負を敢行するも……
運命の歯車はイタズラに廻る

回し打ちからの清一色を成就させた漢・天開司選手に屈し、
惜しくもラスを引いてしまう。


最終戦、ルイキャミ選手の対局前にて点差は次の通り。

153.1pt差

セミファイナルからは、出場選手全員が条件を見ずにプレイするルールを採用している。
選手たちが平等に、かつ最後まで試合を純粋に楽しめる。
そんな配慮がなされていて、面白い試みだと思う。

ただ、今回のチームゼウスにとってはかなりタフな状況となった。
ルイキャミ選手が条件ブラインドの環境下で、
朝陽にいな選手と73100点差以上つけたトップラス
が必要。

もちろん逆転を信じて応援するが、
一方でルイキャミ選手の方針・選択を尊重して、自由に打って欲しいとも思えるほどの状況だった。

そんな状況にもかかわらず。
紛れもなく、彼女は輝いていた。

東二局

東二局、にいな選手の親番。
親被りさせられれば大きいこともあり、8pを加槓するとなんとモロ乗り。
にいな選手がリーチ後にシャンポンへ変化したのち、ド高めのドラ中を捉えた!

24000直撃+リーチ棒

なんとたった一局の攻防で、完璧な並び(順位状況)ができた。
もうあと少し点差をつければ、一戦で153.1pt逆転という伝説が生まれる。

その後も条件が分からない環境下で、ルイキャミ選手は見事に戦い続けた。

南二局 二本場

南二局にピンフをテンパイ。
すでに並びのできたこの点数状況なら、ダマッてもおかしくない。

それでも、リーチを打ってみせた。
チームの逆転を信じて、稼げるチャンスは逃さないという強い意志

この手を華麗に3900点 + 供託に仕上げ、にいな選手から直撃。
更に点差を詰めていく。

南三局

運命の歯車は、イタズラに廻り続ける。
にいな選手が素点を回復しつつ3着への浮上を狙い、しっかりと勝負に出る。
必死の闘牌をみせるにいな選手がリーチ後に掴んだ6mは、
無情にも親の咲乃もこ選手の和了牌……痛恨の12000点放銃となる。

そしてとうとう、舞台はオーラスへ。

オーラス条件

ルイキャミ選手とにいな選手との差は59000点差。
73100点差を捲くるには、満貫直撃 or 跳満ツモ条件だ。

再三再四注意されたいのが、彼女たちには条件が見えないということ。
この点差のオーラス、通常であれば安手で躱すか
状況によっては、早々にオリを選択しても全くおかしくない。
トップは絶対必要なので、咲乃もこ選手に満貫を放銃できないのだ。

実際、中ドラ赤の5200点でダマテンにとったルイキャミ選手。

オーラス、もこ選手が南ポン

と、ここて咲乃もこ選手が7sチーに続いて、南をポン。
想定打点が大きく下がり、着落ち放銃の危険がほぼ無くなった。

リーチ!

魅せてくれた。
大怪盗は、好機を決して逃さない。

リスクが軽減された瞬間、自身のリターンを最大化させにいく。
結果的に、リーチ・中・ドラ・赤の手に仕上がった。
ツモ裏で3000/6000なら条件達成、というよりもはや伝説完成となる。

しかし、最後の最後はあと一歩届かず。
レイド選手が粘って純チャンで躱した後、もこ選手への放銃でゲームセット。

本当に惜しかった

とはいえ、絶望的ともいえる状況を覆し
オーラスに条件を満たすテンパイまでたどり着けることが本当に凄い。

ここまででも胸がいっぱいになる思いだが、それで終わりではない。
終局後のインタビューが本当に美しかった。

最終順位を知り、悔しさや悲しさも計り知れないであろう中、
「楽しんでもらえたなら」と誇らしげに語り、堂々としていた

相手を称え、自らも胸を張る。
こんなにも素晴らしいトップかつ、こんなにも美しい敗北を、どれだけの人が残せるだろうか?

私(筆者)はこのとき、感動とともに『ある光景』も思い出していた。
何を隠そう、インターネット麻雀日本選手権2023の決勝戦だ。

オーラスに絶望的な条件を達成するテンパイを組みあげる……
最後のインタビューまで美しくある……
奇しくも、ルイキャミ選手が師と仰ぐ
齋藤豪pがみせてくれた光景と、共通する部分があったのだ。

負けてなお、人を魅了できる。
どんな競技であれ、私はそれこそが”超一流スター”の条件だと思っている。

ルイキャミ選手も紛うことなき超一流の打ち手であり、
チームゼウスは今季も本当に最高のチームだった。

正直なところ、その活躍をもっと見ていたかったというのが本音である。
賛辞のつもりではあるが、これはきっとワガママなのだろう。

そんな思いを胸に秘め、麻雀をもっと楽しんでいこう。
いつの日か、誰もが最高の瞬間に立ち会えると信じて。

麻雀って、本当に面白い。



では、また。

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