六大合演の備忘録

六大学合同演奏会、参加された方は本当にお疲れ様でした。来ていただいた方々は本当にありがとうございました。

今回は六大合同演奏会についてのことを書き残したいと思います。感情と記憶があたたかいうちに。

六大合宿

2月に行われた六大合宿。2泊3日の鬼のような練習スケジュールでした。


基本合同曲はそれぞれ1人1曲だったのですが、ホルンパートは人数が少ないこともあり、希望すれば2曲乗れることになっていました。私はもともと富士山を第一希望に出していましたが、「せっかく乗れるなら」「一生に一回はやってみたい」という思いで、華麗なる舞曲2ndも吹くことになりました。

第一希望の富士山はもちろん乗ることになったし、パート割もなんなく1st希望が通ってしまいました。最高学年で富士山1stを吹ける、これってもしかしてソロ吹かせて頂けるのかな…?とちょっぴりわくわくしていました。

そして迎えた六大合宿。六大合宿中に「アンサンブル大会」というイベントがあり、希望すればアンサンブル出場も出来たのですが、どういうわけか3団体もアンサンブルをやることになっていました。なんで?(自分のせいです)
2日目の夜にアンサンブル大会があったのですが、2日目はもう朝から晩まで吹きまくった上でほぼ深夜に演奏したので、それはそれは超しんどかったです。楽しかったけど。おまけに金管3重奏では賞まで頂いたのでいい思い出です。

合奏の方は、あまりにもしんどすぎてもうほとんど覚えていないです。笑
なので割愛。ただ、吹かせて頂けることになった富士山ソロはあんまり上手じゃなかったことだけは覚えています。合奏環境も、ホルンの後ろ側に壁がない空間だったってのもありました。

そんなこんなで六大合宿を終え、しっかりと(?)体調を崩す始末でした。


合同練習

4月以降、ほぼ毎週日曜日に合同練習がありました。2曲乗りだったので、他の人の練習時間の倍はありました。舞曲も富士山も欠席したのはそれぞれほんの1回、結構頑張ったんじゃないでしょうか。

富士山の合同練習は研究と挫折の繰り返しでした。毎回練習のたびにこう吹いてみようと思いながら臨み、練習終わりには反省し、いろんな団体のソロ音源を聴き比べ…ということをやっていました。

富士山に乗っているホルンパートで、大教から乗ってるのは私だけでした。今思うと、大教を背負っているプライドみたいなものもあったのかな〜なんて思います。


リハーサル

5月に本番のホールでリハーサル練習をやりました。朝からハイエースなんか運転しちゃったりして、なかなか激務ですよね。ちなみにリハ終わりには20時から23時半までバイト行きました。なにしてんねん。

私にとって、ホールで吹くのはなんと去年のサマコン以来の10か月ぶりでした。本当に吹奏楽部か?と言わんばかりの期間の空きようですね。
そのせいか、ホールの感覚を掴み切れず、自分の感覚も取り戻すことができずに不完全燃焼でリハーサルの1日を終えてしまいました。

リハーサルの録音を何度も何度も聴いて、とにかく本番までには感覚をつかもうと必死でした。もはや執念みたいなものもあったのかもしれません。


本番

とうとう迎えた6月11日、六大合同演奏会。私にとってはほぼ1年ぶりのホールでの本番でした。

レトロ・レミゼラブル

まずは単独ステージ。レトロはもう案の定死ぬほど楽しかったです。相変わらずドラムが上手すぎる、もう大教吹部打楽器の顔といっても過言じゃないくらいだと思ってます。
ソリストも練習以上の実力を発揮してくれて、もう何も言うことなかったです。

レミゼラブルは、音の響き、圧、ハーモニー、どこをとってもすごく良かったなあと思います。まだまだサマーコンサートまで伸ばしていける余地はあるけれど、6月11日時点ではもう完璧ってくらいの手応えでした。
レミゼ終わり、立ってお客さんの拍手を受けているとき、すごくすごく胸が熱くなりました。思わず涙が溢れそうになったけれど、ぐっと堪えました。

TAKARAJIMA

単独ステージを終え、次は幕間アンサンブル、金管8重奏 ”TAKARAJIMA"の番。本番すごく楽しかったけれど、自分としては不安定な気持ちで終えることになってしまいました。上手く出来てたのかな、とか、あそこズレてなかったかなとか。多分あのレミゼラブルの音圧を経験した上でのアンサンブルだったので、心細さが残ってしまった本番になったのかなと思います。
ただそんな心配も、本番後の録音を聞いたら吹き飛びました。めっちゃくちゃよかった。こんな素敵なメンバーのアンサンブルに誘っていただいて、幸せだなって心から思いました。


Mont Fuji

アンサンブルを終え、舞台袖で富士山の本番を待っていました。はやる気持ちをなんとか冷静に沈めながら、「絶対にちゃんと吹ける」って自分に言い聞かせていました。

迎えた富士山本番。司会が「ホルンのソロにご注目ください」と話していて、うわあ、プレッシャー…と思いながら、でも絶対にやってやるという強い気持ちを持とうとしていました。
正直、富士山が始まってからホルンソロまでの演奏は、個人的にはあまり上手には吹けなかった気がします。なんだか、どこも空回りしてしまっているみたいで、力んじゃってたのかなと後から思いました。正確さに欠ける、みたいな。ホルンのトップ奏者として、そこは少し心残りですね。

ホルンソロ、ずっと自分の中で課題だったアウフタクトが上手く決まって、「あ、来た」って思いました。その後の音に若干の雑音が入ってしまった以外、正直めちゃくちゃ上手く出来たと思います。


ホルン奏者なら分かると思うんですが、ホルンってものすごく音を外しやすい楽器なんです。理由は管が長く、自然倍音の間隔の幅が狭いからだとか。
なので、ソロの音を外さなかったというそれだけでもう満足に近いのですが、本番の録音を聴いて、すごく気持ちの込もったソロだと思いました。本番中「気持ちを込めて吹こう」なんて全く思っていなかったので、紛うことなく私の心からの演奏だったんだって言えます。

とにかく、きちんと吹き切ることができてすごく嬉しかった。ソロ終わりに、達成感と満足感からかついくちもとが緩み微笑んでしまったら、ずっと一緒に富士山という音楽を作ってきた指揮者の彼も、微笑んで頷いてくれました。もうそれだけで本当に…言葉では言い表せない、溢れそうな感情でした。


本番の富士山は、「熱演」という言葉がぴったりだったと思います。指揮者と奏者が一体となっていて。特にクライマックスはあの空間でしか体現できない演奏でした。全員の集中力も熱量も、きっとあの時が1番でした。指揮者と、他の奏者の息遣いから気迫が感じられて…
絶対に演奏し切るという集中力を感じる、素晴らしい演奏になったと思います。

演奏し終わった最後の響きの音が消えたら、すぐに拍手が。
お客さんの拍手からも賞賛の気持ちが感じられました。この演奏がお客さんにも伝わったんだ、私たちの熱意と音楽が心に響いたのかな、そう思ってすごく幸せでした。

舞台袖に退場して、思わず指揮者にハグしそうになるくらいには(してませんが)興奮がおさまらなかったです。


華麗なる舞曲

そして演奏会ラスト、華麗なる舞曲。C.T.スミスの挑戦的なパッセージと連発するハイトーン。

多分体力はもう全然残ってなかったと思いますが、気合いとアドレナリンだけでHighFを当てにいきました。

この曲のホルン1stを吹いてくれてたのが阪吹の2人だったんですが、2人ともしっかり上手くて安定してました。ボックスで席組んでたのでしっかり音聴けてよかったです。


オーメンズオブラブ

音量がとんでもなかったですよね。あんな大人数で吹ける経験もう二度とないんだろうなと思います。

やっぱりオーメンズめちゃくちゃ楽しかったです。あの曲特有のエモさというか、切なさみたいなのがすごく好きです。吹くのはめっちゃしんどいのですが。とにかく最後までひたすら楽しく吹けました。


そして、オーメンズ終わり。奏者は総立ち、お客さんの拍手はホールに割れんばかりに響いていました。
司会が「お気をつけてお帰りください。」と言ったあとにも、ずっとずっと拍手は鳴り止まなくて。
その拍手の音を聞きながら、涙が溢れてきました。演奏会っていいなあ、こんなにも音楽で心が動くなんて、すごく素敵なことだなあ。そんなふうに思っていたら、気付けば涙が頬を伝って流れていました。まだステージ上なのに。

流れた涙に驚いて拭っていたら、横にいた私の相棒、同期のホルン奏者に笑われちゃいました。私も笑っちゃいました、びっくりして。
そのまま舞台から退場し、彼女に慰められながら楽屋まで戻る、なんていう演奏会終わりでした。


私が演奏会において「ああ、良いな」と一番思うのが、お客さんの拍手なんだって気付くことができた、そんな六大合演でした。


おしまい

…いや、長すぎます。現時点で3700字弱。誰が読むんだ。
もしここまで読んでくださった方がいれば、ありがとうございますと共に、貴重な時間を使わせてしまってごめんなさいという気持ちです。

でも、自分の中で一生に残るくらいの経験と思い出をくれた演奏会でした。参加できて本当によかったと思います。

というわけで今回は終わります。ありがとうございました~。


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