「ターミネーター:新起動/ジェニシス」を観ました

★★★・・

ニューフェイト (原題 "Dark Fate") の感想ではありません。あしからず。

「ニューフェイト」が出てやや盛り返した感じのあるターミネータシリーズですが、それまでの映画3作目以降 + ドラマの評価は低めでした。「ジェニシス」は映画だと5作目にあたりまして、やはり評価はそこまで高くありません。

でも僕、好きなんですよね、「ジェネシス」。序盤・中盤にこの映画が問うてくるテーマは、なかなか深いと思います。

シュワターミネータは長期間の稼動で、一部ガタがきている設定です。見た目についても、本作ではすっかりおじさん。序盤ではフルCGで筋肉隆々だった1、2作目のシュワターミネータが登場し、意地でも過去と比較せざるをえない構成になっています。

1、2作目ではまだ若くて、僕らのスーパヒーロだったシュワも、老いには勝てません。ずっと無敵のヒーロと信じて疑わなかった彼らが、もうそうではなくなってきていることに気づいたとき、僕らは動揺し、何なら気付かない振りさえします。

本作は、そんな「落ち目のヒーロとどう向き合うか」を出題していて、クエスチョンの選定としてはナイスだと思っています。これって、シュワもそうですけど、引いては上映当時の米国にも関わってきますから。映画では「かつてのヒーロが落ち目」「彼なら素晴しい未来を造る、と信じて育てきた子に裏切られる」とかの要素も出てきますが、このへんも米国情勢に類推がききそうで好きです。

まあ、肝心のアンサは「そんな難しい問題は、また後で考えましょうや」で、続編に丸投げして終わるんですけどね。おい!!!!!!!! ちゃんと!!!!!!!! 答えなさいよ!!!!!! せっかくいい出題だったのに。

しかも本作は不評だったために、2019年現在だと続編制作はなかったことにされているという。丸投げしたはずのアンサは誰にも受け取られず、そのまま虚空に消えていくのでした。

そんなオチも含めて笑える愛すべき一作で、酷評を受けるほどではないかなー、と思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?