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四星球とキュウソネコカミと笑顔の未来へ

2024年5月9日、Umeda Lateral 3rd Anniversary 「北島康雄の喋り足りなくて魂」は、四星球の康雄さん、キュウソネコカミのヨコタさん、そして清水音泉の田口さんによるOTODAMAをテーマとしたトークライブだった。

急遽行くことを決めた5月3日 ONE FES、既にチケットを取っていた5月5日 JAPAN JAM。とんでもラインナップで行きたさしかなかったOTODAMAを、泣く泣く諦めた自分のような者が伺ってよいものか?
結論からいうと、だからこそ拝聴して正解だった。

【LONG SEASON】

5月5日、JAPAN JAMから帰ると、留守番していた夫から開口一番「フィッシュマンズのセトリみた?」
LONG SEASON1曲勝負?????なんてこった・・泉大津では、とんでもないことが起こってたんだ・・文字だけで鳥肌が立った。

なんというかうまく言えないのだけれど、こういう事象はなんと表現したらいいんだろう。ただひとつ言えることは「体感してみたかった」。というのも、なかなか体感できなくなった、というか、やりにくくなったのか、はたまた求められていないのか。

主旨は異なるが、大好きなんだよね、こういうの。

自分は現地で体感することができなかった。でも、同じように体感できず、悔しい思いをしたヨコタさん。袖で観ていた康雄さん。これを企てた?田口さん。三人三様、それぞれの尺度からの話(というか気持ち)を聞けたことに、とても意味があった。

信頼関係がないとできない
どの角度からみてもすごい

と言うヨコタさん。

なかでも、康雄さんが言った、
ライブのことを事件とか奇跡とか伝説とか言い過ぎ
そんなん簡単に言うなよ、
こういう時のためにとっておけよ

はーーーーーーーーーーーーー!!
そ!!!!!!!れ!!!!!!!

「とても良かった」状況を表現したい気持ちは理解できる。だからこそ、一番ふさわしい言葉であったらなあと考える。なんでもかんでも伝説にしてしまうと、本来あるべき言葉の意味も威力も価値も下がり、正しく伝えることがより困難になる。

【ライブが好き】

我ながらめちゃくちゃ感じが悪い。どうにか誤魔化してこれ。それでもはっきり「勉強じゃないんで、予習の必要はなかった」とまで放ってしまい、内心、自己嫌悪に陥っていた。予習自体を否定するつもりはない。さもこれが正しいような風潮に、少し息苦しさを覚えていた。いかんせん、自分は勉強が苦手だ。そんな私でも許されたのが音楽であったり、ライブハウスであったりした。大した知識もなく、なんも考えず、ふらっと観たアーティストに衝撃を受けたりするのが今も昔も大好きだ。

第一印象はライブがよくないですか?
予習とかより、毎回アプローチが違うライブで
その中で響いたというのが、一番芯を食ってると思う

はーーーーーーーーーーーーー!!
そ!!!!!!!れ!!!!!!!

ヨコタさんが言ってくれたこれには、首がもげるほど頷いた。もしかしたら変な声が出ていたかもしれない。とても嬉しかった。そっか、これでいいんだって思えた。ありがとう。

【風雲!大阪城音泉】

御三方を目の前にして、私はときどき4年前のあの日を思い出していた。

2020年10月3日 風雲!大阪城音泉
~西宮の湯&徳島の湯 音泉免疫療法両方編~

このご時世ならではのサブタイトルだが、自分にしてみると実際に免疫療法でしかなかったし、この日が今に至る原動力となった話は、事あるごとに語ってしまう。いずれも抜粋ではあるが、それぞれの限定版に、あの日の模様が収録されている。

本格的な自粛ムードが漂った2020年3月。首都圏に緊急事態宣言が発令された4月。目に見えない何かと、なんの確証もないまま向き合う混沌とした毎日。次から次へと舞い込む延期のお知らせ。食らい続けるジャブは、いつしか致命傷となってた。結成10周年を引っさげたアルテマウスツアーは、最終的にすべての公演が中止となった。

反して、自分の仕事はどんな状況であれ、なくなることはなかった。目に見えないものに対する、ただならぬ不安はあれど、収入が途絶えることはない。はたから見れば、なんら変わりのない生活に見えただろう。

なくても死なない

食うに困ることのなかった私は、生物学的な意味では確かに「なくても死なな」かった。

でも、本当の意味では生きてなかったんだなと、のちに浴びる玉屋さんのMCによって気づかされる。

つらいって認めたら負け。でも、もっとつらいのは大切な彼らだ。自分ごときのつらさなど、自身でどうにかすればいいだけで、彼らに伝わるようなことは絶対にあってはならない。あの頃の私はそうやって、ただひたすらに本心を隠し続けていた。

2020年、一番大変だったのは
キュウソネコカミだと思う

康雄さんはそんな風に言ってた気がする。ずっと隠してた本心を真正面から言い当てられ、封じ込めてた感情が決壊し、土石流のように押し寄せた。踏ん張ってきた両足の力が抜け、膝から崩れ落ち、人目もはばからず泣いた。

なんで泣いてんの?アホちゃう?
よっぽどつらかったんやね

そう言ってくれた康雄さんの表情は、今も脳裏に焼き付いている。

【その人にしか言えんこと】

(ハピポンとかのMCを)俺が喋ってていいんですかね?康雄さんや茂木さんに聞きたかった、とヨコタさんは言った。

大丈夫かなって。常に不安だって。
その言葉を受け取るだけの私には、とても想像できない胸の内だった。

自分はつくづく、ヨコタさんの「大丈夫」で成り立ってる。今まであったすべての出来事を振り返ったとき、そっとそばにいてくれたのは、決まってこの言葉だった。

まあ、私のような強火が言ったところで、なんの信ぴょう性もない。いっそ興味のない者である方が、客観的で冷静な根拠のある言及になるだろうか。その必要があるなら、今からでもそうする。

ヨコタさん、
私は、ヨコタさんが言ってくれた「大丈夫」という言葉で、自分の足で立ち、前に進むことができたひとりです。

ただ大好きなだけで、具体的にその理由を考えることはなかったけれど、康雄さんの言葉にハッとした。

その人にしか言えんことを言うてるかどうか、
だと思う
そうじゃない人が多いから

これはヨコタさんをはじめとした、自分が憧れる人のほぼ100%にあてはまり、自分自身そうありたいと願うことでもある。そもそも大好きであることを条件から差し引いたとて、結局のところ、私はヨコタさんに惹かれてしまうんだろう。

結成15周年、デビュー10周年を
祝われたい気持ちがある
がんばりたい気持ちが満ちあふれてる

祝いたい気持ちでいっぱいだった2020年。無我夢中で並走してたら2024年になってた。今までもいろんな光景を見せてもらった。その時にしか見れない景色、その時にしか得られない感情はすべて、宝物だ。

叶うなんて思ってもみなかった冗談みたいなことが、目の前で現実となった。たっぷり2時間40分、ぼんやりと想像してたこと以上の話が聞けた。今もその充実感の中を漂いながら反芻している途中だが、数多くの共演はあれど、対バンとしては4年振り??になるんだろうか。四星球とキュウソネコカミの一騎打ちが、奇しくも自分にとっては印象に残ることの多い、仙台で繰り広げられようとしている。

キュウソネコカミと四星球が5年ぶりに大阪城音楽堂で共演、音楽×笑いの無敵のハピネスが詰まった3時間 より

あのとき康雄さんが見据えた未来としての今、
私は大笑いする準備しかしていない。

なぜって?
ふざけてナイト、泣いちゃうから。

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