バルーン♪
バルーンと聞くと、風船?メルヘン?楽しそうなイメージがする。
総合病院に着いた後、検査をしている合間に
「おしっこ出ないんだったら、バルーン入れときましょか。」と言われた。
良くわからないまま「はぁ。」と答えると看護師さんに連れていかれ、チンに管を入れられた。
病院でバルーンといえば、導尿カテーテルの事だとはこの時まで知らなかった。
バルーンを入れるということは、赤の他人の若い看護師さんにチンを見られるということで。
見られるのみならず、ギュッと掴まれ、グイグイと管を入れられる。
見事な手際の為、プロのお仕事という感じで恥ずかしさは薄まるが、でもまぁ恥ずかしかった。
入院初日からバルーン生活が始まり、90日ほどバルーンと過ごした。
僕は首から下が全く動かない時期がしばらく続き、お風呂にもほとんど入れなかったので、毎日のようにバルーン洗浄をしていただいた。
管からバイキンが入らないように、オンザベッドでチンを洗っていただくのだ。
思えば、入院してからドンドンと羞恥心なるものが衰退していった気がする。
これはまだまだ序の口、という事はこの時は知る由もないのだが。
人間、慣れるもんだなぁと思う。
快適な事にも慣れるし、不便な事にも慣れる。
不便を知る事で感じるようになった事、見えるようになった世界があった。
身体は徐々にフツウ寄りになっては来ているものの、広がった視野はキープしながら過ごして行きたいなと思う。