見出し画像

THE ROAD FOR SHOGO~浜田省吾への道 Vol.1古矢徹その3

浜田省吾の魅力を、浜田省吾を取り巻くさまざまな人たちと浜田さんとのエピソードトークから紐解く特別企画。6月のインタビューゲストは、浜田省吾のファンクラブ会報誌のエディター&ライターの古矢徹氏。
第3回は、実は“毒舌”な浜田さんについて。
インタビュー:屋形英貴(広島FM)


「あの頃と同じように、好きなことを言って、好きなことやれば、もっと人生も楽しいかなって思う時もある」

―今日のどんなエピソードになりますでしょうか?
 
古矢
(浜田さんは)結構毒舌だったりしますよね。リハーサルの時とかも、まあ、 結構ブラックジョーク的な笑いで 周りが引いたりしているような時は散見しますよね。でも、あの、優しいっていうか、その、すごい礼儀正しくて、キチンとしてる。
それはまあ、大人だから当たり前だよって言うと思うんだけど、本人は。
(浜田さんは)どこか、仕事で関わってる人間とは、ある一線を、 キチンと設けてるような気はするんですよね。そこがまあ、ものすごい深い優しさなのかもしれないし、わからないですけれども、すごく礼儀正しくあるというか。それは、いつもオーディンスに対しても、 ちゃんともてなしてくれるじゃないですか。ライブに行けば、「よく来てくれてたね」っていうのはもちろん、「僕の音楽を見つけてくれてありがとう」って言ったりね。そういう、なんかキチンともてなしてくれるっていう感じがすごくありますよね。
でも一方で、さっき言ったように、その毒舌っていうか、古い会報を読むと、ある1983年に見た映画について、主人公について「単純なバカ娘というか、魅力が無い」って書いてたりとか。 「なぜこんな立派な男が、 そんなバカ娘に恋をするのだ!」って書いてたりとか。すごいね、辛辣なことを書いてる。で、そのことを、インタビューで改めて聞くと、「元々自分はそういう、物事に対して辛辣なこと言ったりする性格なんだ」と。「今は、年を経て、 表現が、ソフィスティケート、洗練されてきてるけど、もう根っこはもう、全然変わってない。」で、「あの頃と同じように、好きなことを言って、好きなことやれば、もっと人生も楽しいかなって思う時もある」とか言ったりするんです。
 
―じゃあ、今の浜田さんはしっかりセーブされてるっていうことなんですか?
 
古矢
そうだと思いますよ。だから、ロケでも、ライブのリハーサルとかでも、 やっぱり色々なトラブルとか、トラブルというほどじゃないけど、アクシデントって起こるじゃないですか。そういう時に スタッフ同士がこう揉めてたりすると、まとめるの、浜田さんですからね。
無駄に論争したくなる時ってあるじゃないですか。自分が正しいと思ってたら。でも、そういうことは今やってもしょうがないから 、明るい側面を見て、仕事を進めていこうっていう感じかな。見習いたいですね。
で、さっきの映画の話だけど、すごい辛辣に批評した後に書いてあったことがあって、「それでも、とにかくこの映画の映画館は超満員なんだ。 ということは、超満員総立ちコンサートというものも、逆に少し問題があるんじゃないかと思ってしまう今日この頃だ」って書いてあって。
 
―それも、ある意味じゃ自分に向けてのブラックジョーク?
 
古矢
そう。ていうかね、本当に問題意識っていうか、ただ単にこう 盛り上がってるから、それでいいんだっていうようなことではないんだっていうね。 人間不信とまではいかないけど、何かを問いかける、自分に問うっていう。
 
―そういうとこがありますよね、確かに。

非常に硬派っていうか、何か 現代詩の詩人のような、何か、そういう“柔らかくない詞”が聞ける 曲

―で、このエピソードを話した後にまたもう1曲お願いしたいんですけど、
 
古矢
浜田さん、バンド、AIDOやってたじゃないですか。この 「AIDOのテーマ」っていう曲があるんですけど、これは浜田さんが詞を書いて、曲も浜田さんですよね。 歌詞はちょっとだけしかないですけど、インストルメンタル部分が多いですけど、すごくさっき言ってた辛辣とかいう言葉では表せないかもしれないけど、非常に硬派っていうか、何か 現代詩の詩人のような、何か、そういう“柔らかくない詞”が聞ける 曲という意味で、AIDOのテーマをぜひ聞いてください。

次回「THE ROAD FOR SHOGO~浜田省吾への道 Vol.1古矢徹 その4」は広島FM「#PUSH」で2023年6月28日(水)OA予定


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?