3Dスキャナ Revopoint POP おぼえがき
Revopoint POPを買った。買ったというかKickstarterなので出資か?まぁその程度の意識の低さでとくに深く考えずに手に入れた。
3Dスキャンというものを使いながら学んでいるので、覚書きとしてつらつらと書いていこうと思う。
https://www.revopoint3d.com/revopoint-pop-3d-scanner/
Revopoint POPについて
このRevopoint POPという製品は中央から出した赤外線を本体で受信して点群データを得るみたいです。IRセンサーが2つついていますね。原理とかアルゴリズムよく知らんけど。ちなみに赤外線レーザーはクラス1らしいのであんしんだね(どれだけ信用できるか知らんが)一応、RGBセンサーもついてるのでテクスチャも撮れる。
スキャン速度が遅く、点群データ処理も頼りないのでスキャン中のブレにめっぽう弱く、手持ちスキャンは実用的じゃないな、というのが今のところの感触。もっぱらターンテーブルに物体を載せてスキャンしている。
3Dスキャン トラブルと対策Tips
3Dスキャンを何回かやってみたところ、スキャンに適さない物体の特徴というものがわかってきた。
黒いものは3Dスキャナから発射した赤外線が吸収されて反射してこないのでスキャンできない。透明もダメ。設定次第で部分的に映ったりもするが。
かといって光沢のあるものもスキャンが難しい。スキャン対象物のより広い部分をスキャン範囲に収めるため、対象物の斜め上からスキャンする場合が多く、光沢のあるものは斜め上から入射した赤外線の大部分を鏡のごとく斜め下に反射してしまい、スキャナに赤外線が帰ってこない。スキャナと対象物を正対させれば部分的にスキャンができる。
要するに、石膏像のような、明るい白色で、マットな質感のものがスキャンに向いているという結論になる。
これら表面に関わる問題の対策として、対象物の色を白くマットな状態にしてやればいい、という方法がある。現像スプレーが安くて使いやすく、また昇華するのでふき取り要らずの専用スプレー(AESUB)というものもあるらしい。制汗剤(Ag+)も使ってみてはいるが、まだ効果を実感できていない。ちなみに現像スプレーと昇華スプレーの膜厚は5~20μ程度みたいですね。https://mtin.co.jp/blog/394/
んでもって、形状に特徴がない物体もスキャンに向いていない。回転台に湯呑のような円筒形のモノを置く、あるいは平面に向かって平行にスキャンすると、今スキャンしたデータと1フレーム前にスキャンしたデータの位置情報を擦り合わせる基準点が見つからず、データがズレる。
例えば、これはマグカップを電動ターンテーブルでスキャンしたときの話だが、最初は良かったものの、マグカップを乗せたターンテーブルを回転させていき取っ手がスキャナと反対側に行ったところでスキャン用ソフトウェアが特徴点を見失った。そこから30°ぶんくらいはデータが欠損、取っ手が見え始めたところでデータ取得が再開されたが、結果として見失う前の位置の取っ手と、30度ズレて再度スキャンされた取っ手が2つあるマグカップの3Dデータが生成された。
この対策として、特徴点となる目玉模様のマーカーを貼ってやればいい。特徴点さえあればいいので、別の方法でもできそうですね。
アンダーカットについては、要するに顎の下やカップの中や底が撮れませんね、という話。
これはスキャン中にカメラを動かすことで解決できる。カメラ用の三脚を流用すればスキャナの高さと角度を自由に変更できるが、一般的な三脚(自由雲台)は角度のロックを解除して動き出すときにガクっとショックがある。これでスキャン中に点群データの位置がズレてスキャン失敗することが多い。なのでギア雲台を用意するとより良い。
スキャンお役立ちアイテム:
1.現像液スプレー:本来は別用途のものだけど乾拭きや水洗いで簡単に落ちる白色のスプレーなのでちょうどいい。吹くとスキャンしやすくなる。 https://www.monotaro.com/g/00008677/
小さいサイズのスプレー缶(スプレーの中身はいっしょ。) https://www.monotaro.com/g/04131679/
2.昇華スプレー(AESUB) :これは3Dスキャン用の製品。吹くとスキャンしやすくなる。数時間で昇華して飛んでくらしい。 https://store.shopping.yahoo.co.jp/systemcreate-pro/aesb.html
3.制汗剤(エージーデオ/ Ag+):乾いた後に白い粉が残るので、スキャンの助けになるだろう。個人的にはあまり効果ないような気がする。 https://www.monotaro.com/g/04240540/
4.マーカーシール :スキャン中にデータの整合性をとる基準になる。まぁなんでもいいけどAliExpressで5000/10000枚35ドルとかで売ってる。 https://ja.aliexpress.com/item/1005002070750701.html
5.ギア雲台 :普通のカメラ用三脚と組み合わせて使う。上下動は三脚、角度はギア雲台を使うことでスキャン中に位置、角度を自由に変えられるので複数アングルから撮れてアンダーカット問題を解消でき、スキャン品質を向上させることができる。三脚は適当な安いので良い。3/8→1/4 インチネジ径変換アダプタも必要。
※現像液や昇華スプレー、制汗剤の代用品として、ファンデーションを手で塗る、ベビーパウダーとエタノールを混ぜて霧吹きで吹く、乾くと粉が残る消臭スプレーetc...がトライされている。 要は物体の表面に白っぽい粉がまんべんなくつけばいいので知恵を使うといろいろできるはずだ。
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