【データで振り返る】2023年第1回中山、東京開催
意外な結果?
フェブラリーステークスが終了し、中山、東京の第1回開催が終了しました。ホームグラウンド東京競馬場での馬券成績がイマイチの私ですが、今年に入ってからも中山でプラス収支を出したものの、東京のマイナス収支がそれを打ち消す形となっています。どうにかしないといけないなぁと頭を悩ませていたところ、それぞれの競馬場の傾向はどうだったっけ?となり、早速調べてみることにしました。
データ検証には仮説の設定が必須です。印象的には東京競馬場の方は長い直線での力勝負となり人気決着になり、中山はトリッキーなコースゆえの紛れが多いという感じですが、果たしてどうなるでしょうか?
データ分析してみる
まずはこの1〜2月の開催に限定して抽出します。データはJRA-VANのTargetを利用して抽出します。対象はこの期間に行われた全レース、つまり障害競走も含まれます。また、中山は金杯の開催やその後の3日間競馬の関係でレース数が東京よりも多くなっているという点は挙げておきます。単位は全て%です。
勝率
人気順 東京 中山
1番人気 40.6 28.6
2番人気 13.5 21.4
3番人気 13.5 8.3
4番人気 9.4 15.5
5番人気 5.2 1.2
1番人気の勝率は想定どおり、東京競馬場の方が高いという結果になっていますね。この開催に限ると、東京競馬場での2番人気、3番人気の勝率が同じになっているのと、中山競馬場での3、4番人気の勝率の逆転と5番人気の勝率がやけに低くなっているのが特徴かと思います。ただ、この後に過去5年のデータを見ていきますが、これはこの開催に限った特徴と言えます。特に中山の5番人気がほぼ勝ってないってのは異常とも言えますね。
本命党の私は、だいたい単勝の購入対象は4番人気くらいまでに落ち着くことが多いと思います。4番人気までの勝率を足し上げると、東京の場合は77.0%、中山は73.8%と大きな差はありませんが、3番人気までだと東京は67.6%、中山は58.3%と10ポイント近く差が発生します。
的中率を上げるという観点からは、東京ではより上位にいる馬を買うのがベターだったようです。まぁ、1番人気の率が飛び抜けていますので、そりゃそうだという結果ですが、後に見るように2番人気の勝率が下がった分を1番人気が吸収しているという見方もできますので、合計の数値は過去の傾向と変わらないのかもしれません。であれば、過去データを睨みつつの予想も悪くはなかったと言えます。
上位人気の馬がいいかも説があるとは言え、1番人気だとオッズ低いからなぁと思って手が出なかったりします。そこで、全レースで単勝を100円を買った場合の戻り値を示す「単勝回収値」を見ると、必ずしもそうではないことが分かりました。
単勝回収値(カッコ内は平均単勝オッズで倍率)
人気順 東京 中山
1番人気 91(2.6) 75(2.8)
2番人気 50(4.2) 94(4.4)
3番人気 74(6.3) 55(6.2)
4番人気 70(9.3) 119(8.7)
5番人気 64(13.5) 17(11.9)
オッズだけ見ると東京と中山でそれほどの差はありませんが、単勝回収値で見ると東京での1番人気が思いのほか高いことが分かります。つまり、東京は力勝負で安く収まりがちとの印象がありましたが、単勝について言えば、実は1番人気が最も回収率を上げる可能性があったということ。一方の中山は勝率では1、2番人気で東京ほどの差はついていなかったが、単勝回収値では2番人気の方が良かったという結果でした。そしてなんと言っても4番人気の回収値の高さが特筆もので、この開催ではまさに仮説どおりの紛れが発生していたということができるのではないでしょうか?
次に連対率、複勝率です。
連対率
人気順 東京 中山
1番人気 55.2 51.2
2番人気 34.4 35.7
3番人気 32.3 25.0
4番人気 18.8 22.6
5番人気 13.5 13.1複勝率
人気順 東京 中山
1番人気 68.8 67.9
2番人気 49.0 45.2
3番人気 45.8 40.5
4番人気 33.3 32.1
5番人気 19.8 22.6
これは不思議なことに両者ともに大きな差はありませんでした。連対率で見ると東京での1番人気は4割の確率で勝っているが、連対率は55%。中山のそれは3割弱の確率でしか勝たないが、連対率は51%。なるほど。。。
ただ、連対率、複勝率ともにやや東京の方が3番人気までの範囲では高くなっており、紛れが少なめなのかなという印象です。
結局、第1回東京開催は1番人気が安定的に勝っていたということで、上記のような数値になっていたのだと思います。一方の中山は1番人気がやや不安定であったため、単勝回収値は紛れがあったという結果だが、かろうじて馬券圏内には上位人気馬が滑り込んでいたということですね。
過去5年のデータを見てみる
統計的にはデータが多い方がデータの信頼度が増すというように言われています。データは2000件くらいは最低でも必要と言われていて、それも踏まえて5年分のデータを取ってみました。単位は%、カッコ内は前出の今年の第1回開催のものです。
勝率
人気順 東京 中山
1番人気 34.7(40.6) 33.9(28.6)
2番人気 19.5(13.5) 17.6(21.4)
3番人気 13.3(13.5) 13.5(8.3)
4番人気 9.8(9.4) 9.3(15.5)
5番人気 5.9(5.2) 6.7(1.2)連対率
人気順 東京 中山
1番人気 52.7(55.2) 52.0(51.2)
2番人気 38.1(34.4) 37.1(35.7)
3番人気 29.9(32.3) 28.7(25.0)
4番人気 21.7(18.8) 20.1(22.6)
5番人気 15.0(13.5) 16.1(13.1)複勝率
人気順 東京 中山
1番人気 65.5(68.8) 65.3(67.9)
2番人気 53.0(49.0) 50.6(45.2)
3番人気 44.1(45.8) 42.1(40.5)
4番人気 33.6(33.3) 32.2(32.1)
5番人気 25.8(19.8) 27.0(22.6)
ざっと見た感じでは、コースごとの際立った特徴というものはなさそうです。そう見ると、やはりこの2月の東京では1番人気が馬券予想において重要だったんだなという感想です。勝率では2番人気が過去5年のデータと比較して6ポイント下げています。逆に1番人気が6ポイント上げていて、3番人気以降が過去分とさほど変わらぬ傾向ですので、1番人気が2番人気の勝ち鞍を吸収していたという見方もできなくはありません。
天気や馬場差といった要素もあるのでしょうが、これまで、開催ごとに通常と違った傾向が出るということがあったのかは分かりません。しかし、これは興味深いデータを拾うことができました。もっとも、これは開催終了後の検証ですので、開催中にこの傾向が顕著に現れるということがあるのかは別問題ですが、こういった視点からデータを拾って見るのは面白そうだという発見を得ました。
なお、ここには載せていませんが、過去5年の第1回開催のみのデータを見ても、過去5年全体の数値とさほど変わりませんので、勝率に限って見ると、今年の第1回東京開催は1番人気が突出しており、中山は2〜5番人気が普段とは違う様子だったというのは上述のとおり。中山について無理矢理こじつけると、若干ではありますが、短期免許騎手の影響もあるのかなといった印象もあります。第1回の中山ではバシュロ騎手が短期免許でそれなりの騎乗数がありますが、レーン騎手やムーア騎手などの馴染みの騎手はさておき、初めて来る場合、最近で言えばマーカンド騎手、イーガン騎手、ムルザバエフ騎手なども該当しますが、その場合では最初は人気にならないことが多いと感じています。しかし結果としては上位に持ってくることがあり、バシュロ騎手も度々4番人気以下を3着以内に持ってきています。まぁ、絶対数としては少ないので微々たる影響かもしれませんが、そんなところも気になった次第です。
さておき、自分自身の単勝の成績でいうと、結果的に上位人気をうまく拾うことができた中山ではプラス収支、1番人気にこだわらなかった東京ではマイナス収支どころか、1度も的中できなかったという結果になったという結論です。統計は取っていませんが、いま思えば、東京開催では単勝1番人気のオッズが低い場合には単勝馬券の購入を回避していた(もともと1倍台は買っていないが)のと、馬連も単勝1番人気のところはなんとなく外していたような気もするので、これは思い込みによる負けと言えますね。
他の券種についてもやってみる(かも)
今回は単勝人気に焦点を当てての検証でしたが、時間があれば馬連などにも対象を拡大してやってみようかと思います。ただ、Tagetで馬連のデータを拾う方法がちょっと分からなかったので、まずはそこの勉強からですね。
(了)
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