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デザインフェスタ42の裏側から 作品篇

☆コラボ作品『otava』の舞台裏

『otava』という作品は、前回の『デザフェス41』の時に展示する為の作品として、miiinaさん、どでかごんさん、そして私の3人で製作した作品でした。

miiinaさんがデザフェスで一緒に展示する人をお誘いする中で、「コラボでなら」と言うどでかごんさんと、「それならこういうお話でどでちんとコラボしたい!」とごねる私をmiiinaさんが取り持ってくれたのが始まりでしたw。

『いつかはどでちんとも何か一緒にやれたらいーなー』と思っていたので、この機会に実現出来たのはとても嬉しい出来事でした。

ですが、どでかごんさんはとても大変だったと思います。設定や世界観は私が提示して、それをどでかごんさんに文章に起こしてもらう形だったのですが、自由度が限られているうえに、字数の制限もあり細かい設定は私に確認を取らなければいけないので、とてもやりにくそうな印象でした。

しかもせっかく書いてもらった文章もmiiinaさんと二人で「ちょっと感じが違う」と言い出したりもしてw、やり直して頂いたことも数知れず。細かい表現とかも一字一句話し合って修正してもらったりして、その度にどでかごんさんは大変な時間を注ぎ込んでくれました。(翌日お仕事があるのに私が無理を言って時間がないのに朝まで打ち合わせしてたりしてましたw)

そしてどうにか完成して『デザインフェスタ41』の展示を終えて安堵したのも束の間、miiinaさんから「次のデザフェスで本を出したい」とのお言葉がw。

そんな訳で再び三人が終結して、日夜あーだこーだと紛糾しながらぎりぎりまで色んな作業が繰り広げられたのです。
どでちんの「ダダダーっとやります」という言葉が全然信用出来なくなったのもこの時でしたw。(←どでかごんさんはスロースターターなのですw)

一方の私も、色んな作業が難航しておりました。

今回は極力アナログで行こうと思っていたので、慣れない画材に苦労し、全然思ったように進みませんw。
また中のイラストは以前の物を使うから大丈夫だろうと思っていたのですが、いざやり始めてみるとちょっと寂しくて『ならばちょっと挿絵をはさむのはどうか・・・?』『蔵書票を入れる・・・?』などと自分で自分の首を絞める始末ですw。

限られた時間の中で出来る作業は限られていて、でも人前に出すのならやっぱりやり切りたいという気持ちもあって、何度かダウンしつつもギリギリまで詰める作業が続いていたんですね。
(本当、間に合ってよかった・・・w。)

miiinaさんもこのコラボ作品にとってなくてはならない存在でした。
全体的なクオリティを見て貰っていたのはもちろん、作品の中で出てくるドール服やブローチを作ってもらったり、展示のための買出しに付き合って貰ったり・・・それを製本までのスケジュール管理やデザフェスの手続き、他の方との連絡業務など、色んな作業をこなしながらやってもらっていたのですから、相当大変だったろうと思います。

そうして三人で一進一退を繰り返して出来上がった作品は、私にとって特別なコラボ作品となりました。完成したどでちんの文章は素晴らしく、miiinaさんの展示は素敵でした。そうしてきっと私一人では出来なかったであろう素敵な作品が出来上がったんですね。

今でも本当にどでちんとmiiinaさんと一緒にコラボ作品が出来てよかったなーと思います。何より三人で作り上げる作業が楽しかった!

大変だったけどw!

☆コラボとしての共同著作権

これはちょっと個人的な話になるんですが、ずっと『コラボのジレンマ』について考えていたんです。それは『コラボするのは楽しいけれど、最終的に自分の作品にはならないというジレンマ』でした。

私自身、何度かコラボ企画をさせて貰ったりしたのですが、その時にいつも感じていたのが『コラボのジレンマ』でした。
せっかく参加してくれた人が時間を掛けて作品を作ってくれたのに、それを『自分の作品として発表することが出来ない』という部分がずっと引っかかっていたんです。

誰かと一緒に作品を作る以上、それが当たり前といえばそうなんですが、それでもやっぱり作る以上は『自分がやった作品』として発表したいと思うんです。『誰かと作った作品』でもあるし、それが『自分の作品』としても扱えるような感じに出来ないだろうか。
そんな事をずっと考えていました。

今回のコラボの話になった時に、最初にお二人に希望したことが『これを共同著作物として、それぞれが同等の権利を持つようにしたい』ということでした。つまり、『三人のコラボ作品』であると共に、『個人の作品として商品化出来る』という提案ですね。

このコラボ作品自体には誰にも報酬は発生しません。けれど、もしやろうと思えばそれぞれが自分の思う形で商品化出来る。そういう形が出来ないかなーと思ったんです。

ちなみに今回のデザフェスでは『otava』の本を販売しましたが、それはmiiinaさんが主導した商品であって、私やどでかごんさんにはその売り上げは入ってきません。その代わりそこに関わる出費もmiiinaさんが一人で持つという形ですね。

一方で私も『otava切手』を商品化して販売致しました。こちらの売り上げは全部私の方に入ってきます。もちろん出費は私持ちです。
どでかごんさんはほとんど宣伝していなかったけどw、電子書籍を自分の商品として販売しております。

直接のアマゾンへのリンクはこちら。電子書籍が売れれば売れるほど、どでかごんさんが報われますw。

それぞれが、それぞれのやり方でマネタイズをし、その為に作品の魅力を最大限に引き出す。それが私が望んでいた形でした。

それがうまくいったかどうかは分かりませんが(収益的なことで言えば微妙かもしれませんw特にどでかごんさんの負担は大きかったなーと感じています)、『コラボのジレンマ』の私なりの回答が、曲りなりとも実現出来たことは大きな出来事でした。

もちろんこれは、お二人の理解とご協力あってこそのお話なので、全てのコラボで実現するのは難しいかもしれません。あるいは、もっと関わる人みんながメリットを享受できるやりかたがあったかも。


これがお二人にとって良かったのか悪かったのか、聞いていないので分かりませんがw、それでも誰もが途中で投げ出さずに最後まで頑張れたのは、きっと『誰かと一緒に作ることの楽しさ』があったからだと思うんですよねー。
そういう細かい話は抜きにしても、やっぱりどでかごんさんやmiiinaさんと一つの作品を作り上げていく作業は楽しかったのです。

それこそが、コラボの楽しさの原点であるし、作業の途中で全然関係ないことを話していても『一緒に作品を作っている』という気持ちが、まるで受験生同士で息抜きをしているようで、なんだか余計に楽しかった気がしますw。
こんな感じ、しーんせーんw!


デダフェス41、42と三人で一緒に作品を作れたことは幸運でした。
私がやりたかった事はほとんと実現出来たし、自分自身の課題も含めてたくさんの勉強をさせて頂きました。そして何より製作から展示、そして来てくださった方々との会話まで全てが楽しかったです。

関係者の皆さん、そしてmiiinaさんとどでかごんさんのお二人に、心から感謝を表したいと思います。
もちろん、皆さんにも。


男爵うれしーーっw!


(終)

(おまけ:どでちんが「ジム・ジャームッシュみたいなのできた」とひとりごちていた宣伝ポスターw)

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