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クラゲの小部屋:掘り出し物映画編 後編【2016】

さて、昨日の『本当はもうちょっとあるんだけどなぁ…チラッチラッ』という高度な釣りにおごうさんが見事に引っかかってくれた事に気分を良くして、引き続き掘り出し物映画3選、後編ですw。

掘り出し物映画って、映画好きの人にとってはちょっとしたステータスみたいなもんだと思うんですよね。「ああ、メジャーな映画は大体観たけど、本当に好きな映画ってもっとB級とかマイナー映画だったりするんだよね」って言うと、ちょっと通っぽいでしょw?
そういう自慢をしたいが為に、日々映画をあさりつまらない映画を山のように観て、その中から珠玉の掘り出し物映画を探すのです。

とまぁ、ちょっと言い過ぎた感はありますがw、『映画に詳しいでも知らない映画をおすすめする』というのは、なんちゃって映画通を気取るうえでは欠かせない要素なのであったりするのですw。

そして、この『掘り出し物映画選』は、まさにそういう邪な人にピッタリの記事であり、まっとうな人は素直にツタヤの『トップ10』を観たほうが良い映画の打率は高いと思ったり~w。

そういう訳で、この記事はそこまで本気にならなくて、ちょっと時間が出来て気になる作品があったら参考にして頂けると嬉しい感じで書いておりまーす!

それでは、後編スタート~!


●マッドマックスよかったけど違う感じの映画を言って満足感に浸りたい人にオススメの映画はこちら!w

ターボキッド
(2015)

これぞB級映画。カナダ映画です。
お話としては、核兵器が使われて文明が崩壊した1997年、コミックをバイブルにしている少年が謎の少女アップルと共に、水を独占する極悪首領ゼウスとチャリンコに乗って対決する、というものです。うん、なんかこれだけでB級w。

ここで使っている『B級』という言葉は、ある意味でA級(ハリウッド的なメジャー映画)よりも評価の高い褒め言葉です。『メジャーにおもねる事無く、自分の好きな表現に貪欲に暴走した』事を評価するという意味ですね。まぁ、B級映画には定番のゴア描写(グロテスクな表現)など、色々お決まりの作法もあったりするんですけどねw。

80年代チックなセンス(特にターボキッドやアップルさんの衣装w!)に回転刃を腕から発射するステキデザイン(ちょっと古めがまたイイw)の悪役など、至る所であふれるB級愛をツンツン刺激されます。基本的には全然違うはずなんだけど、どこかマッドマックスを思い起こさせるのは、もしかしたら『(あっちはA級でも)とめどないB級映画へのリスペクト』が共通しているのかもしれませんw。

全然違っているかもしれませんがw。
もし予告編を観てちょっとでも興味が湧いたら、オススメしますよ~。
ダメな人には全然響かないとは思いますがw。


●レヴェナント面白かったけど、違う映画で意識高い系をアピールしたい人にオススメなのはこの映画!

ベルファスト71
(2014)

イギリス軍の若い兵士が、IRA(アイルランド共和軍)が溢れかえるベルファストという町で暴動鎮圧に失敗して撤退する中、一人取り残されるというイギリス映画です。街の住民が全員命を狙って来る中、なんとか逃げ切ろうと夜の街を疾走する映画は、どこか『どんなことをしても生き延びる』というレヴェナントの主人公ヒュー・グラスと被ります。え、被らない?すいません、無理やりこじつけたかっただけだったりしますw。

この映画は実際に1971年に北アイルランド・ベルファストで起きた暴動を下敷きにはしておりますが、このおはなし自体は実際にあった話ではありません。内容に関しても社会批判という部分よりも、どちらかというとアクションが主体となって作られています。

なので、『若い兵士が敵だらけの街からどうやって一人だけで逃げ切れるか』という部分がメインなんですけど、そのヒリヒリ感がすごいんですよね。
自警団みたいな人たちが、徒党を組んで兵士を探し回るんですが、時には助けてくれる人がいたりして。誰が敵か見方かも分からないまま、逃げ回る様は本当に絶望感しかない。ドアの一枚向こうにいる追手をナイフで殺さなければいけない状況など、観ているだけで心臓がぎゅっとしますw。

そういう意味で、観る人にとっても刺激が強い映画ではありますが、『周りの奴らは全員敵』というサバイバル・スリラー映画の中では、かなり純度が高い作品ではないかなーと思いました。

そういうのが好きな方には、オススメです。



●やっぱり韓国映画だよね、って人にオススメしたいのはこの映画!

コインロッカーの女
(2015)

残念ながら昨年は韓国映画を観る機会が少なくなってしまいましたが、それでも毎回観るたびに、韓国映画のクオリティの高さに驚きます。

予算自体は日本とそんなに変わらないはずなのに、演出や脚本、演技など、ハリウッドにすら存在感を認めさせる説得力は本当にスゴイですよね。国が映画学校を支援していたり、産業を守るためにスクリーンクォータ制(映画館において一定程度の割合で国産映画を上映しないといけない保護制度)だったりする事が影響しているのかは分かりませんが、一時期の韓流とはまた違う、本格的な内容が楽しめる韓国映画は、映画ファンにとっては外すことの出来ない要素ではないかと思ったりもします。(刺激は相当強いですけどw)

この『コインロッカーの女』という映画は、裏世界で借金の取り立てをしている一家(全員血の繋がりはない)の娘、イリョンの物語です。

父親の代わりに借金を背負っている青年と淡い恋をして、家族の掟に逆らって一緒に逃げようとするお話なのですが、その描写の容赦のなさがスゴイ。

まずこのイリョンという主人公は赤ちゃんの時にコインロッカーに捨てられてホームレスに育てられ、人さらいにさらわれて使い捨てにされた挙句に今の母親(さらって捨てた本人)の所に疑似家族として転がり込み、借金の取り立て屋の仕事をしているのです。もうそれだけで、お腹いっぱいw!

裏世界の借金の取り立て屋ですから、その仕事もバイオレンス!医者と結託して角膜やら腎臓やらもほいほい取り立てます。

この映画の最大の肝の部分は『疑似家族』感という部分なんですね。裏世界のドンとして君臨する母親が大黒柱として中心にいて、子供達に『鉄の掟』を守らせることによって秩序を保っている訳です。

母親は非情で、利用価値がなくなればいつでも息子たちを切り捨てそうですが(元々血の繋がりはないし)、でもその表情がうかがい知れない顔の中にちょっとだけ『何か』を感じるんですね。それが愛情なのか、何なのか。

こういう『疑似家族』な感じはどことなく懐かしい感じを受けました。マンガだったか、ドラマだったか。その懐かしい感じと今の韓国映画のえげつない表現がミックスされて、なんとも味わい深い作品になっている訳です。

特別『ここ数年で傑出した一本!』という訳ではないのですが、今の韓国映画を味わうための一本としてはオススメ出来るのではないかと思うんですよね~。



前回と合わせて以上6選が、私がお正月におすすめする掘り出し物映画でした。

人によっては『おいおい、知っている映画ばっかりじゃん』という方もいるでしょうし、『ほとんど聞いたことがない』という方もいるかもしれません。

あくまで『私が2016年で観た中で、掘り出し物だと思った映画』として観て頂けると嬉しいです。暇な時に借りるもよし、私の変態性をここで測るのも、またよしですw。

前、後編と2回に分けて書いてきましたが、もしもご参考になったら嬉しいでーす!ではでは~!


●【前回】クラゲの小部屋:掘り出し物映画 前編【2016】https://note.mu/heso/n/nb65a429e9ef6?nt=like_5802


(ちくわ【どんぐり】)

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