プラグマティズムーレビューありがとうございます!!

ユーモラスで腕の立つ流れ者が熱いハートみなぎる西部劇を演じる面白い物語だけど、哲学者ジェイムズのプラグマティズムの解説はどうしたのか謎。笑いあり涙あり権力者の横暴も不正への怒りも悲しい過去もラブロマンスも盛り盛りで開拓時代の人間ドラマが理論や原因の追究より結果の良し悪しを重視してきた米国の夜明けを見せてくれるけど、プラグマティズム思想の解説はどうしたのか謎。インディアンに対する侵略、奴隷解放とは名ばかりの宣伝に使える大義を掲げたに過ぎない南北戦争など暗部も攻めるけど、プラグマティズム解説はどうしたのか謎。

(以上、レビューより)


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物語の中にジェイムズさんのおっしゃっている事はかなり網羅しているのですが…わかりにくいですかね、どっからが創作でどっからが哲学理論なのか…
ジェイムズプラグマティズムの一番の特徴は「科学と宗教は矛盾なく両立できるもの」という所だと思います。近代科学の発展により神やその世界創造の物語は理論的には否定されていますが、実際に人間は神的な物(存在全てに渡るプリンシパル=生死を越えた存在全ての存在意義)を求めてやまないわけです。死後の世界に対する恐怖や、輪廻転生という考え方も突き詰めれば「神的なもの」を求める心の表れ。その存在を証明ができなくても(神を求める)衝動があるならその衝動自体を神の存在証明としていい。…と言うのがジェイムズさんのおっしゃるプラグマティズムの大綱です。

もっと現実的な例で言えば例えばブッシュJrは「創世記を学校の歴史で教えるべき」と発言して頭おかしー呼ばわりされたりしていますが、実際にはそれはアメリカでかなりの票田となるキリスト原理主義者のような方々への配慮?いわばリップサービスで言っているわけです。つまり票になるなら創世記は史実でOK、というわけです。これもプラグマティックな思考方法です。
俗っぽく言えば「結果良ければすべてよし」です。

プラグマティズムは本来(提唱者はパース)功利的でドラスティックな実用性に特化した哲学です。ジェイムズさんはナイーブな幼少期を送っており、かなり心優しい方の様です。なので文章の中で具体例を挙げてくれないのです。具体例を挙げればドライな世界観を提示せざる得なくなるからです。しかしジェイムズさんが生きた時代はマンガで描かれる西部開拓時代そのものです。ジェイムズさんの頭にある世界は間違いなくその時代のリアルなアメリカです。社会矛盾を(主に武力による)解決をして成長を続けるアメリカを、その主体者としてどう受け取ればいいか…その思いをつづった(実際は講演)のが「プラグマティズム」なのです。


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