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Somewhere Far Beyond 2018-2021

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ハーミットインというスモールビジネス/ホビービジネスのオーナーとして。趣味人として。息子として。父親として。そして一人の人間として。創作のこと。今まで出会ったカッコいい大人たち。…
「フルーツジュースでU.S.A.」「ゾンビに負けるな、クリエイター」「オールドスクールファンタジー…
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#猫目じじい

「Somewhere Far Beyond 随想集2018-2021」総合もくじ

イントロダクションハーミットインというスモールビジネスのオーナーとして。趣味人として。息子として。父親として。そして一人の人間として。 俺が今見ている世界、今まで経験したこと、今考えていること、ホビーや創作について思うこと、あるいは素晴らしい思い出、恩義を授けてくれた人たちについて語るエッセイを、不定期に『ハーミット・カウンシル』でしたためてきた。 『ハーミット・カウンシル』は、『ミニチュアペイント大全』を含むオールドスクールファンタジーミニチュアにまつわる様々な情報が収

猫目じじいが俺に教えてくれたこと(前編)

小学校の通学路は、俺たちにとって最高の大人観察だった。登下校にあって、毎日同じ場所、同じ時間に、同じ人たちとすれ違う。大人というものは、自分たちが思っているほど平凡ではない。誰も彼もが、子供の目からすると個性的である。品性や行儀をわきまえぬクソガキであるからして、今思えば、ありえないほどに非礼で不名誉なあだ名をコッソリつけまくっていたものだ。 一部を列記しよう。「ブルドッグばばあ」「ハングリーさん」「おフランスおばさん(のちに「ザーマス」に変化)」「インベーダーおやじ」「親

猫目じじいが俺に教えてくれたこと(後編)

「おじさん、どうしてこうえんの絵をかいてるの? すごい、じょうずだけど、ここは、こうえんじゃないよ」 猫目じじいは答えない。 その時、鳥が空を横切った。猫目じじいはそれをふいと見上げてコクリとうなづくと、何本かの筆を矢継ぎ早に取り、板切れ(それはパレットではなくほんとうに板切れだった)に出してある数色の絵の具をペシペシとキャンバスに載せた。するとどうだ。公園の空に、翼を広げて空に遊ぶ鳥が現れたのだ。やっぱり写真みたいで、それは本当に魔法のようで、俺は何が起こっているのか、