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Somewhere Far Beyond 2018-2021

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ハーミットインというスモールビジネス/ホビービジネスのオーナーとして。趣味人として。息子として。父親として。そして一人の人間として。創作のこと。今まで出会ったカッコいい大人たち。…
「フルーツジュースでU.S.A.」「ゾンビに負けるな、クリエイター」「オールドスクールファンタジー…
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#雑記

「Somewhere Far Beyond 随想集2018-2021」総合もくじ

イントロダクションハーミットインというスモールビジネスのオーナーとして。趣味人として。息子として。父親として。そして一人の人間として。 俺が今見ている世界、今まで経験したこと、今考えていること、ホビーや創作について思うこと、あるいは素晴らしい思い出、恩義を授けてくれた人たちについて語るエッセイを、不定期に『ハーミット・カウンシル』でしたためてきた。 『ハーミット・カウンシル』は、『ミニチュアペイント大全』を含むオールドスクールファンタジーミニチュアにまつわる様々な情報が収

オールドスクールファンタジーは古いのか?

オールドスクールファンタジー。「Old school」と言う、“古き良き”みたいなイメージの語が入っているため、「過ぎ去った過去を偲びながら、当時を知る人たちだけが楽しむ、懐古的ファンタジーコンテンツ」に思えるかもしれない。 けど、俺はそうは思わない。ハーミットイン開業宣言以来、俺は一貫して「オールドスクールファンタジーは懐古趣味や懐かしコンテンツじゃない」と言い、「現在進行形がキーワードだ」と言っている。 もちろん、オールドスクールと言うだけあって、その源流は古い。本当

エリーゼのために

ブルボンのお菓子が最高にうまいことは、すでに周知の事実だ。 「懐古なだけ」「思い出補正だ」「今のスイーツについていけてないだけ」などど負け犬たちがいくら吠えても、俺たちはブルボンがうまいことを知っている。ヘヴィメタルが決して死なないように、ブルボンもまた不滅なのだ。 ブルボンの豪華絢爛たるラインナップは、ホワイトロリータに始まり、ルマンド、バームロール、チョコリエール、エブリバーガー、きのこの切り株、そしてチーズおかきなど、枚挙にいとまがない。甘いものばかりかと思えば、た

振り返れば本の虫

評議会メンバー専用ホットラインで、「どんな本を今まで読みましたか」「オススメの本はありますか」とたまに聞かれる。実際俺は沢山本を読んできたし、オススメしたい本もたくさんあるよ。今でも入手できる本もあるし、残念ながら廃版になっている本もある。今後機会を見て、オススメ本なんかも個別に紹介したいなと思っているけど、今日はまず、俺の幼少期から大人になるまでの「読書の旅」を紹介するね。 俺の読書好きのルーツに、両親の蔵書がある。今回はつらつらと色々なタイトルが出てくるけど、その中に、

猫目じじいが俺に教えてくれたこと(後編)

「おじさん、どうしてこうえんの絵をかいてるの? すごい、じょうずだけど、ここは、こうえんじゃないよ」 猫目じじいは答えない。 その時、鳥が空を横切った。猫目じじいはそれをふいと見上げてコクリとうなづくと、何本かの筆を矢継ぎ早に取り、板切れ(それはパレットではなくほんとうに板切れだった)に出してある数色の絵の具をペシペシとキャンバスに載せた。するとどうだ。公園の空に、翼を広げて空に遊ぶ鳥が現れたのだ。やっぱり写真みたいで、それは本当に魔法のようで、俺は何が起こっているのか、

平安時代は平安だったの?

こないだの十五夜は、あいにくの曇天で月を拝むことができなかった。しょうがないので団子を食ったが、それはそれで楽しかったので、俺にとって月はオマケのようなものだったのかも知れない。 俺は、十五夜のような、季節ごとの行事をしっかりやるのが好きだ。なぜかというと、こうした時節ごとの催しを楽しむのが、日々の暮らしを豊かにすることに繋がると思っているからだ。

FEAR OF THE DARK AND BEYOND

俺の住んでいる町はいわゆる都市部で、夜中もそこらじゅうに電灯がついている。大変便利で、治安の面から考えても実に安心なのであるが、夜になっても完全な暗闇がなく、星すらロクに見えない都会は、想像し創造する環境という見地に立てば、不便この上ないと俺は考えてきた。 故水木しげる先生は、「電灯がそこらじゅうにあるせいで暗闇が追いやられ、都会に妖怪が住めなくなった」とかつて述懐しておられたが、これはまったくそのとおりだ。 暗闇がもたらす想像力というのは実に強い。子供のころ、オバケの特

やめる勇気 続ける秘訣

止まらずに進み続けること。始めたことをやり続けること。 それは簡単なようでいて、すごく難しいことだと思う。日記をつけることでも、早寝早起きでも、ジョギングでも、読書でも、仕事でも、趣味でも、なんでもだ。「続ける」ということは、大変なことだ。だから、それができなくなってしまう時、別に自分を責める必要はないし、そういうもんである。

街角のケーキ屋さん

FUJIYAをはじめ、俺は街角のケーキ屋が大好きだ。街角に建つなら、個人経営でもチェーン店でもいい。街角に建っている事が重要である。 嬉しい時やおめでたい時、あるいはちょっと哀しい時、人はケーキを食べたいと願うものだ。体にいいとか悪いとか、そういう次元の問題ではない。ケーキはQOLに直結するものであり、善悪の二元論で片付けられるようなことではないのだ。 ケーキを食べる……それは小さな贅沢であり、記念であり、甘い非日常であり、思い出であり、ご褒美であり、慰めである。俺にとっ

風邪の防衛策と風邪を治す方法

季節の変わり目は、昼夜の寒暖差がやばいため、体調を崩しがちである。すでにインフルエンザが各地で発生しており、我々は同族間のバイオテロにおののきながら、この国で生きてゆかねばならない。インフルエンサーとは大抵ウサン臭いものだが、インフルエンザは確実にやばい。 新ワークスペースは「横浜のチベット」と呼ばれる場所にあるが、ここは相当寒い。付近で暮らす野生のゾウやトラも、冬の間はより暖かい低地に移動するという。引っ越してからゾウやトラをまだ見ていないので、おそらくすでに移動した後な