FEAR OF THE DARK AND BEYOND
俺の住んでいる町はいわゆる都市部で、夜中もそこらじゅうに電灯がついている。大変便利で、治安の面から考えても実に安心なのであるが、夜になっても完全な暗闇がなく、星すらロクに見えない都会は、想像し創造する環境という見地に立てば、不便この上ないと俺は考えてきた。
故水木しげる先生は、「電灯がそこらじゅうにあるせいで暗闇が追いやられ、都会に妖怪が住めなくなった」とかつて述懐しておられたが、これはまったくそのとおりだ。
暗闇がもたらす想像力というのは実に強い。子供のころ、オバケの特