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Somewhere Far Beyond 2018-2021

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ハーミットインというスモールビジネス/ホビービジネスのオーナーとして。趣味人として。息子として。父親として。そして一人の人間として。創作のこと。今まで出会ったカッコいい大人たち。… もっと読む
「フルーツジュースでU.S.A.」「ゾンビに負けるな、クリエイター」「オールドスクールファンタジー… もっと詳しく
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2018年10月の記事一覧

メタルフィギュア氷河期とモケイラッキー

時は1990年代初頭。折しもメタルフィギュアは冬の時代を迎えていた。模型店やおもちゃ屋、ゲームショップにメタルの補充や新製品が届くことはもうない。「店に残るものが全て」という、おぞましき氷河期が到来したのだ。 新和。光和貿易。ホビージャパン……かつて世界各地からメタルを国内にもたらした総輸入元各社は軒並み撤退しており、日本語版が休止したAD&DやD&Dの関連製品は「値引」のステッカー貼りを甘んじて受けていた。俺が憧れ愛した、汗と血と死の匂いが漂うファンタジー・アートワークの

父と俺とランタン

子供のころ、父の書斎にあるランタンがとても羨ましかった。父は週末の夜になると書斎で灯をともし、本を読んでいた。その姿は、俺の憧れだった。昔、父のランタンに火をつけさせてもらった時の事を、今でも覚えている。 高校生になって、父からそのランタンを譲ってもらった時、本当に嬉しかったものだ。電球が付いているのではなく、タンクに燃料を入れ、マッチやライターで火をつけて芯を燃やす種類のもの。芯の長さを調整するツマミが付いていて、黒煙が出ず、かつ十分な光量を確保する「ちょうどいい長さ」に