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Somewhere Far Beyond 2018-2021

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ハーミットインというスモールビジネス/ホビービジネスのオーナーとして。趣味人として。息子として。父親として。そして一人の人間として。創作のこと。今まで出会ったカッコいい大人たち。…
「フルーツジュースでU.S.A.」「ゾンビに負けるな、クリエイター」「オールドスクールファンタジー…
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2018年8月の記事一覧

ねあかり

子供の頃、部屋が真っ暗だと眠れなかった。それは、部屋のあかりを消すと、真っ暗なはずなのにだんだん周りの物が見えてくるのが、たまらなく怖かったからだ。これは目の構造がそうなっているせいなのだが、そんな事を当時は知るはずもなく、祖母に泣きながら「くらくなると見える」と訴えた事もあったようだ。 そんな俺に安眠を約束してくれたのが「寝灯(ねあかり)」である。ほら、部屋用の蛍光灯についてくる「豆球」。何度かスイッチ切り替えてるうちに、小さくて、オレンジ色に光るのがあるじゃない? あれ

音をたのしむ

俺はミニチュアが好きで、文章を書くのも好きだ。そんな訳で、目とか指とかを、だいぶ酷使していると思う。ミニチュアをペイントしたりマイコンで文字を打ったりする間、あまり使わない感覚器官がある。耳だ。 製作や創作に没頭する時、俺はいつも音楽を聴く(今は、マイケル・ロメオの新譜War of the Worlds Pt 1を聴きながらこれを書いている)。静かなところの方が集中できる人もたくさんいるだろうが、俺の場合は音楽が…ヘヴィメタルが必要だ。 音楽は素晴らしい。とはいえ、音楽だ

エリーゼのために

ブルボンのお菓子が最高にうまいことは、すでに周知の事実だ。 「懐古なだけ」「思い出補正だ」「今のスイーツについていけてないだけ」などど負け犬たちがいくら吠えても、俺たちはブルボンがうまいことを知っている。ヘヴィメタルが決して死なないように、ブルボンもまた不滅なのだ。 ブルボンの豪華絢爛たるラインナップは、ホワイトロリータに始まり、ルマンド、バームロール、チョコリエール、エブリバーガー、きのこの切り株、そしてチーズおかきなど、枚挙にいとまがない。甘いものばかりかと思えば、た

時間はある。時計はない。

俺の生活空間にないものがある。 時計だ。 学生時代は腕時計をいつもしていたし、部屋にも時計があった。でも現在の俺は、家に時計を置かない主義で、ビジネスシーンでの交渉など、必要な時以外は腕時計もしない。当然ながら、俺のマイコンやスマホには時計がついているから、必要な時は確認する。でも、なるべく時計は見ない。できたら見たくない。家に時計は必要ない。 どうしてこうなったのか?

Night OwlとEarly Bird

気づいている人も多いと思うけど、俺は、極端な夜型である。Night Owl(夜更かしフクロウ)というやつだ。ハーミットインを創業してからというもの、俺は完全に夜型生活になった。 早起きはEarly Birdというらしい。インスタなんかは典型的なEarly Birdで、なんと朝の4時には起きているそうだ。くれぐれも睡眠を大事にしてほしい。早起きのくせに早寝してないから、インスタは確実に寝不足だと思う。 ところで、「朝は頭がハッキリして仕事が捗る」とか、「エグゼクティブは朝が

受け継がれていくもの

毎年この時期になると、実家のある地元で祭りがある。二日間の日程で、夜には盆踊りがあるのだ。毎年恒例の行事である。 子供のころ、俺の父が盆踊りの太鼓を叩いていた。父の太鼓に合わせて町内の人たちが踊るのを見て、「おとうさんってすげえ」と思ったことを覚えている。提灯が並ぶやぐらの上では、浴衣を着た若い女性たちが、楽しそうに踊っていた。父の叩く太鼓の響きが染み渡って行く夜空。そこに浮かぶ月を、俺は眠い目をこすりながら見ていた。 高校生になると、父は俺に太鼓を任せるようになった。東