マガジンのカバー画像

ハルクウーベン博物誌〜ファンタジー世界の住人たち〜

31
オールドスクールファンタジー世界『ハルクウーべン』のモンスターや種族を詳しく紹介するクリーチャーガイドブック。
運営しているクリエイター

#ワールドガイド

ハルクウーベン博物誌〜ファンタジー世界の住人たち〜 序章&項目一覧(24年9月更新)

『ハルクウーべン博物誌〜ファンタジー世界の住人たち』は、オールドスクールファンタジー世界『ハルクウーべン』に住まう様々な種族やモンスターたちを紹介するnoteマガジンだ。 ここで記される様々な事物を突き止めるため、多くの冒険者や探検家、魔術師、そして学者たちが多大な労苦と時間を費やし、また時に道半ばで命を落とした。原本はハルクウーベンに住む人々の言葉で書かれているため、それを我々の言葉に訳し、君に届けるのは何大抵のことではないが、これから時間をかけて少しずつ、しかし着実に掲

種族解説:ノーム

ノームはドワーフの遠い親戚にあたる種族で、両者には多くの共通点がある。どちらも人間より背が低く、男性はひげを生やし、岩屋に暮らしていて、見た目よりずっと器用に動く指で細工物をこしらえるのが上手だ。ゆえにこの世界に住まう多くの人間は、ノームとドワーフの違いをほとんど理解できていないし、しようともしていない。 実際のところ、一部の知ったかぶりが勘違いしているように、ノームは単に生活習慣の異なるドワーフ民族では断じてない。気質や性格、文化と思想において、両者には大きな隔たりがある

種族解説:エルフ

エルフは古き種族であり、ドワーフよりも早くハルクウーベンに栄えた民である。彼らは歌と星空を愛し、秩序だった世界を求める種族だ。上古よりも昔の時代…まだ人間が文字はおろか、言葉さえ知らなかった太古の黎明において、人の子らに言葉と歌を贈ったのがエルフであると伝わる。人間は、エルフやドワーフといった種族の助力があってこそ生存し、文化文明を発達させるにいたった。野人が昔ながらの暮らしをそのまま送っているのを見れば、文明諸国を興した人間の先人たちがエルフやドワーフから施された恩恵がいか

種族解説:ドワーフ

ドワーフ。彼らの言葉にならえば「富み栄えしもの」は、丘陵や山をくりぬいた岩屋に住む種族だ。彼らは自身の岩屋を砦町と呼びならわしめており、往時の栄光はないにせよ、大陸の至るところにドワーフの砦町が残っている。砦町にはそれぞれ王がおり、砦町の同郷意識は、人間やエルフのそれとは比較にならないほど強い。 ドワーフの背は人間より低いが、がっしりとした体型で、体力もあり頑健だ。男は豊かな髭をたくわえ、女は髪を長く伸ばす。彼らは優れた採掘者であり、建築家であり、並ぶものなき鍛冶職人にして

種族解説:人間(およびその諸国と特記すべき地域)

人間は、ハルクウーベン全土で栄える種族だ。各地に強大な文明諸国を築き、種族として繁栄の絶頂にあるといってよい。短命であるがその気質は溌剌(はつらつ)としており、欲が強くて深く、世代を越えての技術や知識の伝承にも優れている。 生まれついた地域により、白人種、黄色人種、黒人種がいるが、これらの混血はかなり進んでいる。肌や髪、瞳の色や顔立ちも異なるほか、背丈や体格も多種多様だ。この世界の人間は我々とよく似ているが、現実の世界、さらに言えば現代社会と比べた時、その道徳観や倫理観は我