短編読物:帝国軍将たちの群像
大広間の窓から見える城外の光景に、ガルソーグ卿は顔をしかめた。泣き叫ぶ民衆をオークどもが追い回し、城下の略奪を始めているではないか。大広間で隊伍を組み直す部下たちへ向き直るや、黒騎士は大音声で呼びかけた。
「皆の衆、ご苦労。城は落ちたが、伏兵が残っているやもしれぬ。まだ予断はならぬぞ。して、ドゥルクスはおるか」
「御前に、閣下」
「第四軍の愚行を今すぐやめさせよ。あのふしだらな女妖術師め、軍将にもなってまだ理を解さぬと見える」
「御意。閣下のお言葉、第四軍将どのに申し上げて