10/21(土)はTHE PIXEL STREETにドット絵を見に来てくれ
この記事で私が言いたいただ一つのことはタイトルに書いた通りで、約10日後の 2023/10/21(土)にドット絵のイベントであるTHE PIXEL STREETが開催されます。ドット絵に興味のある人、もしくは興味がない人、どなたでもぜひ見に来てほしいと思っています。つまり全人類に来てほしいということです。
THE PIXEL STREETは開催時間は10時〜18時と丸一日やってるので、東京近辺の方なら気軽にふらっと来て1〜2時間ぐらい見て帰るとかでも良いのではないかと思います。入場料パンフは1000円ぽっきりです。たった1000円で最先端のドット絵が楽しめます。
記事を書いたきっかけ
さて、わたし自身は別にTHE PIXEL STREETの関係者でも出展者でもなく、ただのドット絵大好きおじさんの立場でこの記事を書いています。もちろん私も当日見に行く予定で、たいへん楽しみにしています。
ドット絵大好き人間の方々は、もうすでにイベントのことは重々承知かと思いますので、この記事はどちらかといえばドット絵のことをあまり知らない人・詳しくはない人向けに伝えたいことを書きます。
というのも、私が職場で「もうすぐドット絵のイベントがあって楽しみなんですよ」という話をしたら、ドット絵とは普段全く疎遠な同僚にも、興味を持ってもらえたりしました。なので、まだまだ世の中にはこれからドット絵にこれから興味を持って貰える人がたくさんいるのではないかなと思って筆を取ったところです。(なお、職場ではわたしがドット絵大好きおじさんであることは周知されています)
もちろん職場の同僚が「ドット絵に興味を持った」と言ってくれたとしても、よくあるお世辞かもしれません。その人が実際にイベントに見に来てくれるかはわからないのですが、まあせっかくなので、その人ないしは同じような人に向けて、ドット絵イベントの楽しみ方のガイドになるようなものを描いてみようと思い至ったわけです。
なお、大前提として、イベントの楽しみ方は人それぞれで、もちろん私が考えるドット絵イベントの楽しみ方を押し付けるつもりは毛頭ありません。ただ、やはりドット絵という文化をとりまく環境や流れ、ドット絵の鑑賞の仕方のポイントなどがあると、初めてふらっとドット絵のイベントを眺めて、より楽しめるのではないかと思うわけです。
ドット絵イベントの歴史
THE PIXEL STREETは今回が初めて開催されるイベントです。ただ、その開催までの流れとしてはPixel Art Park(以下PAP)のことにも触れる必要があるでしょう。PAPは2015〜2020年に開催されたドット絵のイベントです。
そもそも、PAP以前は広く開催されたドット絵のイベントというものはほぼありませんでした。せいぜい、一部のドット絵好き仲間だけが集まる小さなインターネットの掲示板で交流されるとか、小さなオフ会があったりする程度で、一般にドット絵が広く展示されるような機会というのは皆無でした。
初回のPAPも数人のクリエイターが展示していたのみで、会場もこじんまりとしたものだったことを憶えています。ただ、そこからPAPは好評により年々と発展して、すぐに広い体育館の会場を埋め尽くさんとする人で溢れ、大変盛り上がったイベントに成長していました。ネットで検索していただけると、当時のレポート記事なども残っているので、雰囲気や当時の熱がわかるのではないかとおもいます。
ただ、不幸なことにコロナ禍の影響によって、2020年の開催は本の販売のみという大幅な縮小開催を余儀なくされました。その後も再開の機会は検討されていたようですが、2022年に無期限中止の告知がなされています。
PAP以外にもドット絵のイベント自体は他にもあったものの、やはりPAPほどの大規模のイベントとなると運営が大変であろうことは想像に難くなく、ここ数年はドット絵のお祭りもなくなって寂しい思いをしていたものです。(コロナ禍だからというのももちろんあるでしょう)。
そんな中、THE PIXEL STREETの開催が告知され、また新しいお祭りを開いていただけることになったので、大変嬉しく思ったのを憶えています。一度止まった流れをまた動かすのは多大な労力がかかるものです。コロナ禍もいまだ難しい状況にはあります。そんな中、新たなドット絵イベント開催という決断をしていただいた運営の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。
ドット絵という文化自体の歴史というのはまだまだ浅く、ゆえにまだまだ発展途上にあると私は考えます。文化が発展するには、やはり人口が必要です。ドット絵を知る人が多ければ多いほど、ドット絵を描く人が多ければ多いほど、より発展し今よりも良いドット絵が産まれる可能性が高まります。そんな発展途上の文化を促進するには、ドット絵のイベントというカンフル剤が存在することは大変に意義のあることです。
ドット絵イベントの体験
インターネットというのは便利なもので、「ドット絵」とか「Pixel Art」などで検索していただければ、玉石混交の大量のドット絵がすぐに体験できます。ドット絵の多くはデジタルアート(おおよそPC上で描く絵の意味)ということもあり、インターネットとドット絵の相性はとてもよいです。SNSでも毎日様々なドット絵がながれてきます。ただ、あまりにも膨大なドット絵群は、ドット絵にあまり馴染みのない人が急に多量に接種するには多すぎてお腹がはちきれてしまうかもしれません。
ドット絵というものは、昔から変わらないようでいて、実は結構変わっています。10年前あるいは5年前のドット絵群と、現代のドット絵群は様相が変わっています。ずっと眺めていると、毎年新しい発見というのはやはりあります。
ただ、「昔から変わらないようでいて」というのも相対的には事実で、たとえば近年の目まぐるしい3Dの進化に比べると、ドット絵群の変化というのは一見するとその違いは微々たるものに見えるかもしれません。
大量のドット絵を長年接種していくと、微々たる違いに気がついて楽しんだりもできるのですが、すぐには難しいでしょう。
そこで、とりあえずイベントで出展されているドット絵をざっと眺める、というのはドット絵の文化に触れるにあたってはちょうどいい塩梅なのではと考えます。ある種、今年のドット絵イベントに出るドット絵群は、今年しか得られないものです。もちろん、出展数には限りがあるので、ドット絵群の一部を切り取ったものではありますが、まあいまの最先端ドット絵と言っても大きな間違いではないでしょう。
公式サイトの作家一覧を眺めてみてもらうとわかるように、ひとくちにドット絵といっても、様々な表現があります。ただのギザギザした絵とか、ゲームの中にある小さな絵だけがドット絵ではないのです。
特に近年は、昔に比べて「ドット絵」という言葉が指す表現は、格段に広くなりました。たとえば、ドット絵といえばファミコンやスーファミみたいなやつという感覚の人であれば、様々なドット絵の幅というものを感じられるのではないかと思います。
もし事前に時間があれば、作家一覧から飛べる作家のWebサイトやSNSにある画像を漁ってみておくと、イベントがより楽しめるでしょう。公式アカウントが告知している範囲でもよいです(お品書きなどがリツイートされたりしています)。ざっと見てみて、なんとなく気に入った作家さんがいれば、当日イベントで見に行ったり、作家さんとお話してみるのもいいでしょう。
わたしはしきりに「ドット絵」を特別なもののように言ってはいますが、ドット絵もただの絵です。ドット絵というものに感じる思いは人それぞれでしょう。素直に絵としてとらえ、ドット絵という表現がどういったものなのか感じ取ってもらえればよいと思います。自分がドット絵に感じる感情は何なのか、ドット絵が自分の人生にとってどんな効果をもたらすのか、ドット絵が人類にどのような意義があるのか、2023年のうち1日間だけでも見て考えてみるのも楽しいのではないかと思います。
いや、ちょっと重く書きすぎました。ぱっとドット絵をみて、「今のドット絵ってこんなのもあるんだ〜」ぐらいで良いんじゃないかとおもいます。たぶんそんなちょっとしたことが、皆さんの人生をほんのり豊かにしたりしなかったりします。たぶんね。
そうそう、当日はドット絵以外にもLIVEもあって、ドット絵と親和性の高いチップチューン等も楽しめるそうです。目ではドット絵を楽しみつつ、耳ではチップチューン等を楽しめる、全身で体験できる場というのはなかなかありません。
ドット絵の鑑賞
上でも書いたようにドット絵は人それぞれ好きなようにそれぞれ楽しんでもらえればいいとおもうのですが、たとえば例として下記のようなことを考えて鑑賞するとより楽しいかもしれません。
好きなピクセルを探す
ピクセルはドット絵の最小単位の点のことです。ドット絵全体をぱっと見て得られる絵としての印象というのもそれはそれで大事なのですが、時間をかけて、そのドット絵を構成するピクセル一つ一つに着目してみると、このピクセルが好きだなと思うところがあるかもしれません。
好きになるポイントはいろいろありえます。多くのドット絵は制約ゆえにデフォルメや省略表現が必要になり、そのピクセルの置き方の試行錯誤が読み取れたり、読み取れなかったりします。うまいピクセルの置き方をしたな、とか自分では思いつかないような省略をしてるな、みたいなことを感じることもあるかもしれません。
たくさんドット絵を見ていくうちに、「このピクセルはどうしてここに置いたんだろう」「わたしだったらここにも置くかも」「ここのピクセルが興奮する」などと次第に思えるようになる場合があります。なお、そういった感情が発露したことによる責任は私はとりませんのでよろしくおねがいします。
身の回りに置きたいドット絵を考える
特にドット絵イベントでは、普段あまり供給されないドット絵のグッズや小物が販売されていたりします。これはインターネットでドット絵を見ているだけでは得られないものです。アクキーとか缶バッチとかステッカーとか。まあいろいろあります。みなさんのカバンやキーホルダーに付け加えるならどのドット絵か、生活する上で身につけるとしたらどのドット絵がよいか、探してみるのも良いでしょう。絵画の鑑賞でしばしば言われる、家に飾るならどの絵画か考えてみる、と同様ですね。
自分でもドット絵が描けそうか見る
ドット絵というのはさまざまな大きさのものがありますが、特に小さめのものを構成する要素というのは、一般的な絵に比べれば相対的には少ないです。
なので、「あっ、これぐらいのドット絵なら自分でも描けそう!(注: 失礼な場合があるので声に出さず心に留めておこう)」というラインを探ってみるのもおもしろいかもしれません。
実際真似してやってみるとおんなじように描けたり、意外と描けなかったりします。単純なようでいて、奥が深いのがドット絵の魅力の一つです。絵を構成するピクセルが自分だったらどこまで理解できそうか、または似たようなピクセルを生み出せそうか、はたまな全く別のあらたなピクセルの置き方ができそうか、思索を巡らせるのも楽しみ方の一つです。
おわりに
つらつらと書きましたが、最初に言った通り、私が言いたいことは、10/21はぜひTHE PIXEL STREETに来てねということです。それだけ。
あと、感染症対策は各自の考えのもとしっかりしていただけると嬉しいです。今後もドット絵のイベントはたくさん開催してほしいのでね。