奴隷ノススメ

明日の朝 家族を連れて
寒空の下 路頭に迷う

24時間止まらない 工場から聞こえてきた
悲鳴のような金属音 金属音の様な悲鳴
通りがかりに中から飛んでくる紙飛行機が
助けてくれと呼んでいる ここには人を喰う機械がいるって

その機械のスピードが あまりにも速くて
誰もが人間らしさを諦めることを覚えた
突然笑いだす奴が出てくるそんな時は
流れに遅れた誰かが 体ごと機械へ

吸い込まれていく 君の片腕が
ベルトの上から ベルトの上から
吸い込まれていく 君の片腕が
ベルトの上から 変わり果てた姿で出てきた

2才になった子供が 覚え立ての言葉を
無邪気に繰返す「カネガナイ、カネガナイ」って
このままいつまでも そうさいつまでも
続くはずだったのに 小さな幸せ

それから二人は 宗教に走った
何しろ救われない どうにも救われない
僕の所へは お願い来ないで
僕の所へは 来ないでくれないか

夜明け前 始発電車 荷物をまとめた人達が
ため息を凍らせて つぶやく「さあ遠くへ行こう」
そう言えばあの路地裏で 公園で あの地下道で
うずくまっていた人達は いまごろどうして……

僕は履歴者に 書き綴った事実で
これまで生きてきた これまで生きてきた
僕は履歴書に書き綴った事実で
これまで生きてきた これまで生きてきた

I don't wanna be your slave
長い40年が終る……

明日の朝 家族を連れて
寒空の下 路頭に迷う
明日の朝 家族を捨てて
寒空の下 路頭に迷う

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