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あなたの体の中心はどこ?

あなたの体の中心または重心はどこですか?

さあ、答えて見てみましょう。



心臓
ハート
お腹
丹田

・・・・・

いかがでしたか?
私たちの行動は、頭で考えて指令を出していると思われています。
脳が足や腕や手に指令を出して、歩いたり、ものをとったりしているのです。体の方は受け身で、脳の中から動かしていると思っています。

ところが欧米で人気がある日本の禅の訓練では、体の中心である丹田を意識して、すべての動作はそこから流れでるイメージを持つようにとしています。

歩くときは、お腹が真直ぐに前に進んで、足はその流れについていく感じです。座った姿勢から立ち上がるときは、お腹がたちあがり、体はそれについていく感じです。
ゴルフのスイングは重心を軸に体をひねるのです。テニスの選手やフットボールの選手は重心を低くして体をかがめて身構えます。ボートの選手もお腹から押し出したり引いたりしています。
このように体の重心を意識すると物事の動きがスムースで無駄がなく効率的です。

このように体の重心である丹田を意識することは、安定感、バランス感覚をまし、精神にも良い影響を与えることに気が付きます。心が穏やかになり意識の範囲が広がります。
会議で議論が白熱した時もお腹に意識を集中すると、何が語られているのか、その場の様子がどういう状況になっているのかが見えてくるのです。

このように日頃から気をつけていると、感情が安定するのです。怒りや妬みなどの有害な感情が生じた時も、意識を丹田に向けてみましょう。その感情の高まりが止まり、消えていきます。

あなたの体の中心または重心はどこですか?
と初めにあげた質問をすると、ほとんどの方が、頭だと答えるようです。
日本人の場合はどうでしょうか? 若い方は心臓やハートと答える方が多いのではないでしょうか? 運動している方やお年を召した方は、お腹あたりと答える方がいるのではないでしょうか?
今度、チャンスがあったら聞いてみたいと思っています。

日本人は、昔から腹を大切にしていたのでしょうか。腹に関する言葉が多いです。
「太っ腹」、「腹が据わっている」、「太鼓腹」、などの言葉があります。


私たちの思考、考えは『今このとき』でないことが多いです。

例えば、空を見てきれいな虹が見えたとしましょう。鮮やかな光景を醸し出している色彩が目の前にあります。この瞬間の身体的な純粋な知覚にとどまることをしないことが多いのではないでしょうか?

スマホで虹を撮影したりして思考が働きだすと、その瞬間に思考が、身体的な純粋な知覚と離れてしまいます。「きれいな虹だ、先月も見たな」と考えた瞬間に純粋な知覚から切り離されてしまうのです。今ある鮮やかな光景を経験していないのです。脳は、こういった経験を味合わないで、今見たものを分類して、それから虹に関連する思考や記憶を引き出そうとします。

はじめに虹を見たときの感動に比べて思考はかなり劣ります。鮮やかな光景を醸し出している色彩をただただ眺めて楽しむという喜びから私たちを切り離してしまいます。思考は実に迷惑です。このようなかい離した感覚が、つまり生の自然の経験をしていないという感覚が、満足感を人生から奪っているのです。

このようなことは、私たちの身の回りに山ほどあることに気がつくでしょう。そうしたことの積み重ねで、刺激を大きくしようとします。濃い味を求めたり、大音響の音楽を求めたり、飲み物のカフェインを増やしたり、おいしい味付けの料理に凝ったりしてだんだん刺激が強まっていくのです。

私たちの身の回りのものとの対話のなさである「かい離現象」は、このように刺激を強くしても埋まることはないのです。

この「かい離現象」を生むのは私たちの思考なのです。思考は頭が元です。私たちの中心を頭から丹田(お腹)に移動すると、本質からずれた思考が働かなくなります。

その時に、純粋な意識が芽生えます。その後は、不快を伴う「かい離現象」はおこらなくなります。






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