後悔を取り戻す

福島県のあるゲストハウスで出逢った17歳の男の子。

その子はそのゲストハウスのヘルパーをしており、当日不在のオーナーに代わってゲストである私の対応をしてくれた。

で、なぜ来たのかや過去の私の話を少しするとむちゃくちゃ興味を持ってくれて、囲炉裏を囲んで話すことになった。


よくよく話を聴いてみると、その子は一昨日高専を辞めたばっかりであり、理由は勉学についていけなくなったからだそうである。

そもそも入学できたのも定員割れしたからであって、偏差値的に無理だと言われていた高専に奇跡的に入れたとのこと。


しかし...というか、やっぱり入ったところで勉学についていけず、1年から2年へは上がれたけど、2年から3年に上がる時に留年してしまい、そのまま中退することにしたのだそう。


で、私も高専出身だし、いろいろ思うところがあったのでお伝えさせていただいた。

「高専を辞めたことが勿体無いだとか、気にすんなとか周りは言ってるかもしれないけど、そんなことはどうでも良いと思います。一番大事なのは、自分自身にどう思われてるかだと思いますよ。」

と。


「自分自身から後悔だったり、モヤモヤだったり、そういうのを感じるならそれは一生消えない。だから、その後悔を取り戻す作業を必ずやらないと、ずっとこの先どこかで苦しみ続ける。その取り戻すことは高専に入り直すということではなく、自分自身に『後悔を取り戻せた』と思われたならなんだって良い。」


と。

凄い真剣に話を聴いてくれた。


しかし、

「あれ?これって俺のことじゃねえ?」

と感じ始める。基本的に人に言いたいことは自分に言いたいこと。人に言うことが"浮かんでくる"ではなく、"言いたい"ことは自分に言いたいこと。


私自身、彼と同じような体験がある。

当時の自分にとって、そして今もそのような状況に耐えられる自信がない環境下に置かれたことがある。

今、過去と同じような状況に戻ったとしても、乗り越えられる自信もない。


それでもやっぱり、どこかで後悔してるというか、その道が一番私が望んでいた道だった。

だから、彼に言ったことは自分にも言ったこと。


もちろん、後悔を取り戻す努力はしていたつもりだったけど、どこかで甘んじていたところもある。

けど、後悔は取り戻す必要があるし、取り戻せる。


そして、今まで取り戻してきた。

その少年との出逢いは、改めて自分を見つめ返す機会になった。

ありがとうございます。

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