本気で生きないでいれる唯一の生き物

この世のすべてのものは、すべて本気である。ただ一つを除いて。

シマウマさんは本気でシマウマをやっていて、本気じゃなくなったら死ぬ。ボールペンは本気でボールペンをやっていて、本気じゃなくなったら壊れるorインクが無くなる。布団は本気で布団をやっていて、植物はアスファルトからでも生い茂る。花は本気で咲き誇り、風も本気で吹けば本気を込めて吹かない時もある。

そう、すべてのものは本気でソレ自身をやっている。人間を除いて。
人間は唯一、本気で生きないでいることができる。人間だけが本気で人間をしないでも生きられる。
自然界の動物は病気にならないと言うが、それは本気だからだ。

飼育しているペットが病気になるのは、人間が本気じゃないから、必要に迫られて病気になっているに過ぎない。
親が本気で生きてないから、それを正すために子どもが病気になったりするように。


人間が本気で生きないでいれるのは3つの技を使えるからだ。

言い訳、責任転嫁、正当化。

これら3つがあるおかげで、人間は本気で人間をしないで生きられる。言い方を変えれば、本気で生きる道を生きるための猶予期間がある。だからこそ病気という弊害が生まれ、事故という現象が起きる。


そして、この3つの中でもレベルがある。

一番レベルが低いのが正当化、一番マシなのが言い訳。真ん中に責任転嫁が位置する。

なぜ正当化が一番レベルが低いかというと、文字どおり、自分が間違っているのに、本気で生きていないのに、本心じゃないのに、「正しい!」と言い張ってるからだ。そうやって本心に蓋をして、本当は嘘なのにそれが正しいと言い張っていると、人間はとうとう自分の本音が分からなくなり、だからこそ現代は自分の本当の気持ちが分からなくなっている方々が多い。

自分とは何か?やりたいことは?目標は?自分が大切にしたいことは?自分の軸とは?等々。

で、言い訳は自分の"本当"を生きていないとはいえ、あくまでも"自分は間違いだ"という認識がある。しかし、責任転嫁はその間違いを人のせいにしているが故に、言い訳よりレベルが低いのだ。
(私の感覚だが、女性性は責任転嫁しやすく、男性性は言い訳しやすい印象である)

こう書くとこれら3つがまるっきり悪者のように思えるかもしれないが、これらが無ければ生きていくのはとてもとても大変である。
常に常に本気。心が育ってない段階でこれを強いられると、人間はすぐに淘汰されてしまう。

セミは1週間という短い人生の中で本気で生きている。いや、1週間だけだからこそ、本気で生きれるのかもしれない。しかし人間は(現代は)80年以上もの平均寿命を誇る。そんな長い年月の間、エゴを持った人間が本気で生き続けるなんて、想像を絶する。

正当化や責任転嫁、言い訳の存在を正当化するつもりはさらさらないが、それでもこれらが自動車のハンドルのように"遊び"を与え、私たち人間に人生の余暇や娯楽を与えているのかもしれない。

しかし、私から見たら、余暇や娯楽しか過ごしてない人間も多々見受けられる。つまり、言い訳や正当化、責任転嫁しか人生でやっていない(笑)

まあ、それも一興。


人間を除くすべてのものは本気だ。太陽は明日も本気で太陽をしてくれるから昇り、生命に力を与えてくれる。

もちろん、我々すべての人間はその人なりには一生懸命生きている。
(決してバカにしているわけではないが)一生懸命言い訳をしたり、一生懸命責任転嫁をしたり正当化をして、どこかでそれに気づきながら生きている。

そうやって私たちは、生きている。生かされている。生きているんだ。

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