PE関連おすすめ書籍: プライベートエクイティ 6つの教訓

積み本していたところ、有名PEツイッターアカウントで紹介されていたので手に取ってみました。PE業界の中の人には殆ど常識のような事項であるものの、経営の観点からPEのプラクティスを整理する、という意味では良書だと思います。

教訓1: 会社のフルポテンシャル(「ここまで高められるか」であって、予算でも、希望的観測という名の長期計画でもない)の明確なイメージを念頭に置いて、その中から戦略的選択を行う。指標となるのはキャッシュフロー。企業資源計画の分散は失敗のもと。

教訓2: フルポテンシャルを追及する上で必要な道筋、だれが、何を、いつ、どこで、どうやって到達するか、具体的な行動に重きを置いて計画を策定、日常業務のレベルまで落とし込む。

教訓3/4: 必要な組織再編を行い、適切な人材を配置し、当事者意識を持たせ、主要評価指標をモニタリングする。有用な人材を採用し、ふさわしいインセンティブを持たせる。最初に乗り越えるべきは金銭。

教訓5: 現金の創出とバランスシートの厳しい管理の為に借入金を活用する。すなわち、経営幹部は負債比率が高いほど、現金を貴重な資源と見なし、その有効活用に注力する。

教訓6: 結果主義の組織風土を醸成し、反復可能性の開発に取り組み、積極的に解決策を探る姿勢を育む必要がある。その前提として、適切な経営陣とマネジメント・プロセスが必要。

所感: 教訓1と2は当然。実務上は、教訓3/4で出てくる人材レベルのKPIモニタリングが難しい印象。特にスタートアップになると守備範囲の広さが求められるので、単一的な指標が当てはめにくい。教訓5は、過度なレバレッジが掛かると、逆にリスキーな運営で財務規律を失うことになるので、同じくKPIでの財務レシオのモニタリングが必要。教訓6は3/4の別の側面か。

所感②: 新品の販売がなくなって中古のみのようです。


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