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ハワイタイムマシーンZ/太平洋のど真ん中で 02.カメハメハが生まれたのはハワイ島

ワイキキのど真ん中にあるアーミーミュージアム

2001年のことです。カメハメハ1世のお墓はどこにあるのか?そんな疑問を持ったまま、わたくしはハワイ情報サイトの編集長として、広く浅く取材をしておりました。ハワイのことをよく知らないのに上陸したので、毎日が発見でした。ワイキキのこともよく分かっていませんでした。と、ワイキキの中心に、アーミーミュージアムなるものがあることを知りました。アメリカ陸軍の活躍を伝える博物館で、入場無料です。

建物の前にはアメリカ軍の戦車「M24」と、旧日本軍戦車「九五式軽戦車」が並べられています。ちなみに、どちらも軽戦車ですが、M24の主砲は75mmあるのに、九五式軽戦車は35mmしかありません。こんなおもちゃみたいな戦車で戦っていたのか。これを見て、アホやなあと言ってる日本人の親子がいましたが、わたくしはそうは思いませんでした。こんなボロボロの戦車で、日本を守るために戦ってくれた先輩たちに感謝の気持ちしかありません。

※75mmというのは主砲の口径サイズのことです。

あ、あの戦争が正しかったと言ってるわけじゃないですよ。そんな話はどうでもよくて。

このミュージアムはアメリカ陸軍の要塞です。日本が攻めてきた時に備えて造られたものやそうです。結局、日本がここまでやってくることはなく、アメリカ陸軍の歴史を残す資料館みたいなものになって、いろんな武器、写真、資料が展示されています。

この中に日本人の顔をしているのに、ドイツ軍と戦った人たちについての展示がありました。日系移民の息子たちで構成された日系人部隊です。わたくしの好奇心はまたしても刺激されてしまい、日系移民の歴史についても調べ始めてしまうことになるのですが、それはまた次の機会に。

1775年の地図にカメハメハ1世はいなかった

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アーミーミュージアムは要塞として造られています。なので、中は遊園地のお化け屋敷みたいに暗い感じです。壁に掲げられた資料にライトが当てられていて、夜の街角のよう。アメリカ陸軍関係の物ばかりなのに、ひとつだけ、アメリカ軍がやって来る前のハワイを描いた地図が展示されていました。

それは、1775年のハワイの勢力図でした。ハワイに、西洋人(キャプテンクック)が初めてやってきたのは1778年です。ってことはその3年前です。

カウアイ島の王/カマカヘレイ
オアフ島の王/カハハナ
マウイ島の王/カヘキリ
ハワイ島の王/カラニオプウ

おお、当時はそれぞれの島に王様がいたのか。と、そこであれ?っと思いました。カメハメハ1世はハワイ島からやってきました。が、王様の名前が違います。カメハメハ1世はまだ王様じゃなかったのかな?(その頃はまだよく分かっていませんでした)

帰ってから調べました。カメハメハ1世が、カウアイ島以外の島々を征服したのが1795年。1775年はその20年前です。カメハメハ1世が生まれたのは1758年ごろという仮説で計算しても、まだ未成年です。

ってことは、カラニオプウってのは、カメハメハ1世のお父さんなのか?

もっと調べました。カラニオプウは、カメハメハ1世のおじさんにあたる人でした。そして、カラニオプウには、息子がいました。カメハメハ1世は、その息子と戦って倒しています。え? どういうこと???

カメハメハ1世が生まれた場所へ行こう

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2004年のことです。旧ソニーマガジンズ(現・M-ON! BOOKS)さんからハワイ島の本を出させていただくことになりました。ハワイ島へ行くなら、カメハメハの生まれ故郷を見てこよう!わたくしは鼻息を荒くしながらいろんな資料を読みあさりました。当時、ハワイ史について詳しく書いてある日本語の資料はほとんどありませんでしたが、英語ならいろいろあります。

っていうか、ハワイ島について調べてたら、いろんなことが分かりました。っていうか、それまでハワイのことをよく分かっていませんでした。

ハワイ州の8つの島の面積を合計すると日本の四国ぐらい

なんと!そんなに小さかったのか!

ハワイ島はその中でも一番大きくて四国の半分くらい

え! ということは、他の島々はもっと小さいということです。驚いて調べてみたら、ワイキキがあるオアフ島は3番目に大きい島ですが、日本の香川県よりも小さいことが分かりました。

あ、ちなみに、わたくしが小さい頃、日本で一番小さい都道府県は大阪府って習いました。が、大阪港の埋め立てや関西国際空港ができたりして、いつの間にか香川県より大きくなっていました。なので現在は、日本で一番小さい都道府県は香川県です。そんなことはどうでもよくて。

ハワイ島まで約50分

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わたくしが初めてハワイ島へ上陸したのは2000年のことです。ツアー会社の副社長に日帰りで連れていってもらいました。ハワイ島は四国の半分もある大きな島です。日帰り行けるところは限られていて、ホテルを数件回るぐらいしかできませんでした。溶岩に覆われただだっ広い大地には感動しましたが、何もない、という印象しか受けませんでした。

翌年、取材でマウナケア(標高4205mの山)へ行き、山頂で星空を眺めるツアーをやってるマサシさんと知り合います。その後、マサシさんにイルカと泳ぐことを教えてもらって、ハワイ島へ通うようになってしまいました。なので、ハワイ島の本を出すことが決まった時も、10回以上上陸していました。

が、ハワイ島は四国の半分くらいある大きな島です。島を一周したことはありましたが、行ったことがない場所はいっぱいありました。

この取材でハワイの歴史も勉強するぞ!

2004年の段階で、わたくしは、カメハメハ1世が生まれた場所がどこにあるかは突き止めていました。ハワイ島北部のHAWIという町の海岸線です。でも、まだ行ったことはありませんでした。

2004年10月、わたくしはワクワクしながらハワイ島に上陸したのでありました。

※冬といってもハワイ島は北緯19度ちょっと。沖縄が北緯26度ぐらいですから、10月でもめっちゃ暑いです。


。。。。つづく


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