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ハワイタイムマシーンZ/太平洋のど真ん中で 17.ハワイ王国初期の話/カウアイ島が制覇できません

ハワイ王国建国1795年。この年、カメハメハ1世は地位も手に入れています

カメハメハ1世がハワイ王国の建国を宣言したのは1795年です。その年に、カメハメハ1世はもうひとつ大事なものを得ています。それは、王位というかなんというか。

第8話で紹介させていただきましたが、ハワイ各島の王は、タヒチからやってきた、ウルとナナウルという兄弟の末裔です。ハワイ島だけが、サモアからやってきたピリの末裔で、王位という意味ではワンランク下でした。カメハメハ1世は武力でハワイ諸島を征しました(この時点ではカウアイ島はまだです)が、王位は低いままです。これもなんとかしたかったみたいです。

カメハメハ1世は、位が高い、ケオプオラニという女性を奥さんにもらったのです。ケオプオラニは、当時ハワイでトップクラスの地位だった、と書いてある資料もあったりしますが、どうなんでしょう?

ちなみに、カメハメハ1世には他にも奥さんがたくさんいましたが、ハワイ王国を継ぐのは、ケオプオラニが生んだ子どもたちです。

が、ケオプオラニはバースストーンで出産させてもらえませんでした。なぜか?

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わたくしは英語が超苦手です。でも、歴史が大好きなので、こういうことはいっぱい調べて自分が納得できる内容が出たら、なるほど、と勝手に答えを出しております。

・ケオプオラニはカメハメハ1世よりもかなり位が高い女性だった
・カメハメハ1世はケオプオラニに会うときは常に頭を下げていた

これはいろんなところで紹介されているので、ケオプオラニがかなり位の高い女性であったことは確かです。が、

・オアフ島にあるバースストーン(クカニロコ・バーストーン)は王族が出産のために使う石
・ウルやナナウルの血を引く位が高い王族しか使えなかったらしい
・ケオプオラニはそのクカニロコ・バーストーンで出産できなかった

カメハメハ1世の位が低かったので、それは無理やったと紹介されていたりします。が、ケオプオラニもピリ系の末裔やった、と書いてある資料なんかもあります。これに関しては、わたくしはどっちやった、という意見はありません。それよりも、カメハメハ1世が、

・ケオプオラニの前では「常にひれ伏して」いた
・クカニロコ・バーストーンでは出産できないと言われて素直に従った

ということに驚きます。異国の文明を次々に取り込みながら、ハワイの文化は守っているのです。人間として魅力を感じます。

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残すは、カウアイ島だけ。カウアイ島のカマカヘレイ女王は1794年に亡くなり、息子のカウムアリイが後を継いでいました。


1796年、カメハメハ1世は1万以上の大軍でカウアイ島をせめました

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ハワイ王国を建国した翌年の1796年、カメハメハ1世は最後の敵、カウアイ島のカウムアリイを倒すため、またしても大軍を編成しました。 オアフ島に攻め入った時と同じ1万以上の兵を持つ大軍です。

が、突然嵐がやってきて、カメハメハ1世の軍はばらばらになって撤収したそうです。嵐ですから、被害もありました。かなりの兵力を失ってしまったみたいです。

次の総攻撃は1803年です。けっこう時間がかかっています。どうしたのか、と思って調べたら、この間に、ハワイ島でちょっとした反乱があったみたいです。が、カメハメハ1世はこれを抑えています。現在は飛行機を飛ばせばすぐですが、その当時は船(船といってもカヌー)しかない時代です。カウアイ島を責めるためにオアフ島まで出てきていたのに、ハワイ島の騒ぎを抑えてしまうなんて、やっぱりカメハメハ1世は強者やったんでしょう。

さて、次の総攻撃と書きましたが、1803年の総攻撃は中止されています。なんと、ハワイ諸島にペストが大流行したのです。世界的に見れば3度目の大流行ですが、ハワイアンからすれば初めての病気です。そして、それまで外の世界とは縁がなく、キレイな空間で生きてきたハワイアンは病原菌に対する免疫力がほとんどありませんでした。兵士たちは続々と倒れ、戦争どころではなくなり、攻撃は中止されました。

偶然の出来事ばかりなのですが、カメハメハ1世の攻撃をうまくかわすカウアイ島のカウムアリイを見て、ハワイアンは「彼も神に守られている」と噂したそうです。

その頃のカメハメハ1世はラハイナに住んでいたそうです

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晩年のカメハメハ1世が、ハワイ島のカイルア・コナにいたことはいろんなところに書いてあります。では、カウアイ島を征するまで、カメハメハ1世はどこにいたのか?

なかなか見つからなかったのですが、見つけました。なんと、ラハイナにいらっしゃってました。

昔のハワイ王国の首都はマウイ島のラハイナでした。どの資料を見ても、ラハイナが首都になったのは1820年からと紹介されています。 カメハメハ1世はその前にラハイナへやってきていたのです。ラハイナに、カメハメハ1世の家があります。完成したのは1802年。

ちょっと整理してみます。

・1796年 カウアイ島1回目の攻撃(嵐で撤収)
・★ハワイ島で起きたちょっとした反乱
・1802年 カメハメハ1世がラハイナに住み始める
・1803年 カウアイ島2回目の攻撃(ペスト流行で中止)

ハワイ島で起きたちょっとした反乱が、いつ頃始まったのかは調べ上げることができませんでした。すいません。とにかく、ハワイ王国を宣言したものの、まだ新しい国は完全にまとまっていたわけではなかったみたいです。カメハメハ1世は、ハワイ王国の中心的位置にある(カウアイ島を征していなかったその当時)ラハイナで、目を光らせていたってことでしょうか。


。。。。つづく


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