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ハワイタイムマシーンZ/太平洋のど真ん中で 13.カメハメハ1世登場す

カメハメハ1世がハワイの歴史を作り始めます

ハワイ史を紹介している年表を見ると、キャプテンクックがやって来たあたりから、歴史が細かく記録されていたりします。西洋人によって、歴史が記録されるようになって来たんですね。

簡単な年表では、キャプテンクックがやって来た後、すぐに「カメハメハ1世がハワイ諸島を統一」って書いてあったりするんですけど、そこまでもいろいろとドラマがありました。

カメハメハ1世が生まれた場所、ハワイ島HAWIについては、以前書かせていただきました▼
04.カメハメハが生まれた家の近くに生贄が始まったヘイアウが

カメハメハ1世は生まれた時から伝説があります。
・カメハメハ1世が生まれた時、そのアフプアア(エリア)のアリイ(王族)が、カフナ(神官)から予言を伝えられる
・「王を食べてしまうもの」が生まれた!
・それを聞いたアリイは、カメハメハ1世を殺してしまう命令を出す
・養父がカメハメハ1世を連れて逃げ出して、10歳まで隠れて育てた

その結果、予言はあたり、カメハメハ1世はハワイ諸国を統一した、というのです。わたくしは、この連載「ハワイタイムマシーンZ」を書き始めるまで、普通に信じていました。が、最近はどうなんやろう?と思い始めています。

カメハメハ1世は、当時のハワイ島を治めていたカラニオプウの甥です。カメハメハが生まれたと言われている家の敷地も残ってますが、けっこう大きいです。そんなレベルの高いごっつい赤ちゃんを、そのエリアのアリイが殺そうなんてするんでしょうか? そんなことしたら、カラニオプウに処刑されてしまうのではないでしょうか。

ハワイには、神話のような物語がいっぱい残っています。フラになっているのはそういう神話的なものが多いです。それらは、なんだか切なかったり、理不尽だったりします。カメハメハ1世が生まれた時の話は、なんだかキリストが生まれた時のような感じで、称賛するというか、褒め称えるものというか。あれ?

”伝説”について勝手に思うこと

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カメハメハ1世については、いろんな伝説が山ほどあります。その中から、よく知られているものを2つ。

上の写真、左は、ハワイ島カパアウ(HAWIよりちょっと東)の道路沿いに転がっている石です。カメハメハロックと紹介されています。わたくしが最初に聞いた時には、カメハメハがこれを持ち上げたのは少年の頃。「これを持ち上げたら王になる」と言われていた石を、カメハメハ1世が軽々と持ち上げた、というものでした。

写真で見るとそんなに大きいようには思えません。が、実際に見たら、ああ、これは無理ちゃうか、と思います。ほんまにでかい。大人でも持てません。

まあ、伝説のお話なので、話はどんどん変化していくのでしょう。最近では、カメハメハ1世がポロル渓谷から運んできた、なんてことを書いてるWEBサイトを見かけるようになりました。なんとか持ち上げたとしても、運ぶのは無理です。

右の写真は、ヒロにあるナハストーンです。ハワイアンの言い伝えによると、赤ちゃんをこの石の上に寝かせることで、アリイ(王族)の子かどうかが分かるそうです。普通の赤ちゃんは泣いてしまうのに、アリイの赤ちゃんは泣かないと。ほんまかいな、と思いますが、まあ、それは言い伝えですから。

この石にもカメハメハ1世の言い伝えがあります。この石は、重い(3トン以上)だけじゃなくて長いです。で、「これを持ち上げることができたものは偉大な王になれる!」と言われていました。で、カメハメハ1世はそれを軽々と持ち上げたそうです。わたくしは、このナハストーンも実際に見たことがあります。ほんまにデカくて、カメハメハロックを見たときより、これは無理でしょと思いました。

「その石を持ち上げたのは1789年で、カメハメハ1世の若かりし頃」なんて書いてあるWEBサイトもありますが、いやいや、1789年と言えば、カメハメハ1世はすでに戦いの真っ最中です。石を持ち上げてる場合じゃないと思います。

歴史を大きく変えるヒーローが登場する時は、こういう「なんだかごっつい話」が語られがちです。

日本の戦国時代のヒーローたちも、伝説系のいろんな武勇伝を持っています。中国の歴史でも朝廷が滅びる時は必ず悪い皇帝が現れて、それを倒す新しいリーダーが登場したりします。新しいことをするリーダーには、こういう伝説系の話が作られがちなのかもしれない。そう思うので、わたくしはこういうことは話半分で読むことにしています。

ハワイ島は3つに分かれました

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・1778年2月 キャプテンクックが殺される
・1782年 ハワイ島の王、カラニオプウ死去

カラニオプウは、自分の息子キワラオを跡取りに指名し、甥っ子のカメハメハ1世を軍隊の長に指名して亡くなります。キワラオは、やり手のカメハメハ1世が気に入らなかったみたいです。カラニオプウが亡くなった後、カメハメハ1世をやっつけようとします。が、逆に倒されてしまいます。

カメハメハ1世がキワラオを返り討ちにした。と、いろんな資料に書かれていますが、これもどうなんでしょう? 「やっつけられそうになったからやり返した」ような人間が、その後、いろんな王を倒しまくってハワイ王国をつくるなんてことをするでしょうか。わたくしは、カメハメハ1世は最初からハワイ諸島制覇を夢見てたように思います。

まあ、そんな話はどうでもいいですね。

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何がきっかけになったのか、そこまで書いてある詳しい資料を見つけられなかったので、適当ですいません。カラニオプウが亡くなって、ハワイ島は3つに分かれました。カメハメハ1世がキワラオを倒したことで分断してしまったのかもしれません。とにかく、上の図のような感じで、キレイに3つに分かれてしまいました。

・ハワイ島北部 カメハメハ1世/Kamehameha
・ハワイ島ヒロ ケアヴェマウヒリ/keawemauhili
・ハワイ島南部 ケオウア/Keoua

同じ頃、マウイ島のカヘキリがオアフ島を征服します。なんだか、日本の戦国時代みたいです。

※カヘキリがオアフ島を征服したのは1783年だと書いてある資料もありました。まあ、そのあたりということで。

地図が並んだのでついでにハワイ諸島の大きさについて

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ハワイの勢力図が並んだので、ついでにハワイ諸島の地図について書かせてください(わたくし地図が大好きなもので)

旅行でよくハワイへ行かれる方でも、ハワイ諸島の島の大きさは意外とご存知なかったりします。

8つも島がありますが、面積はそれほど大きくありません。合計すると、日本の四国と同じくらいです。一番大きいのがハワイ島で、四国の半分くらいあります。つまり、ハワイ島は、それ以外の7つの島々の合計と同じくらい大きいのです。

ハワイ島のオプショナルツアーで、1日で島を一周してしまうものがありますが、四国の半分を1日で回るのはちょっと無理っぽいです。なぜそんなことができるか、というと、ハワイ島にはほとんど町がないから。

2018年ごろのデータでは、四国の人口は約380万人でした。ハワイ島は四国の半分くらいの大きさなので、190万人くらい住んででもいいのですが、ハワイ島の人口は2011年で約18万人です。現在はもう少し増えていると思いますが、四国の約10分の1です。人が住んでいない空間がいっぱいあるから、より広く感じるわけですね。

ちなみに、ハワイ全島(8つの島の合計)で人口は約140万人ですが、半分以上の95万人はオアフ島在住です。

脱線してすいません。カメハメハ1世に話を戻します。

。。。。つづく

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