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『コウジカンリシャ』って誰?

建設現場では、工事管理者と工事監理者がいて、どちらも『コウジカンリシャ』と読み、ややこしいですね。

『カン』の部首から、前者を『タケカン』、後者を『サラカン』と呼び、現場では区別することがあります。

工事管理者はいわゆる現場監督のことで、現場の工程、品質、予算、安全の管理をする役割があります。

一方、工事監理者は、工事が設計図とおり行われているかどうかを管理する役割で、設計者が行うことが多いですね。


工事管理者と工事監理者は、本来立場上の優劣はありませんし、直接的は契約関係にもないのですが、工事監理者が発注者に近い立場であることから工事管理者に無理を言っていることも見受けられます。

契約関係でいいますと、発注者と施工者が建築工事請負契約を締結し、発注者と監理者が建築工事監理業務委託契約を締結しているはずです。
発注者から委託されていない監理者もどきは何の責任も権限もありませんからね。

委託されている工事監理者どのような責任と権限があるのでしょうか?

建築工事請負契約には通常請負契約約款という冊子が添付されていて、そこに工事監理者の役割が記されていて、一般的に建築工事監理業務委託契約とリンクしているはずです。
そうでない場合は、発注者の責任で調整を図る必要がありますね。

民間(七会)連合協定工事請負契約約款では、第9条に監理者の役割がしめされていて、第16条では設計及び施工条件の疑義、相違などについて双方に書面での通知を求め、必要に応じ、工期の変更又は請負代金額の変更を求めることができることになっています。


工事監理者の役割が適切に理解されず、工事管理者が泣き寝入りしていることもあると思います。
工事監理者による契約上の権限を逸脱した指摘指導には従う必要はないということになりますね。


契約上はこのような形式になりますが、なんかギクシャクする気しませんか。

通常は契約条項を持ち出さずに、立場の優劣を意識せず、双方でより良い建物を効率よく造るための協力姿勢があることが望ましいですね。

人間関係は難しいですが、大切です。


工事監理者と問題になりそうな場合に「契約上は、、では?」と抑止し回避できればよいですね。

問題になってからでは、感情的になってしまい収束させるのが困難になってしなうこともありますからね。

極力問題は少なくし、建物を造ることに力を注ぎたいものです。




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