とことん『配筋検査のポイント②』-読むだけで手直しが減らせる-
一歩突っ込んだ『配筋検査のポイント』
柱・梁はメインフレームですから、その配筋は最重要になりますが、その他の配筋やコンクリートに打ち込まれる物にも目を向け検査時に確認する必要がありますね。
この辺りを自然に検査できるとベテランの雰囲気がでかもしだされますよ。
壁配筋のポイント
地下外壁など土圧を受ける壁の継手位置は地上部とは異なりますので、事前に確認しておきましょう。
壁縦横筋共、終端を柱・梁のコア内に定着する場合、かぶり厚さが確保できていないことがありますので、結束してもらいましょう。
特に縦筋を梁に定着する場合は梁筋落とし込み後、壁縦筋を梁コア内に納めることになりますがので、忘れていることがありますね。壁の第1鉄筋の位置は仕様書により異なりますが、柱・梁から70程度でよいでしょう。
最上階は主筋の定着長さが長くなっていることが多いですので事前に確認しておきましょう。
梁と壁が直交する場合、梁筋を組んだ後で壁横筋の配筋をすることになりますので、忘れていることがありますね。
垂れ壁の縦筋は梁筋落とし込み後になり、忘れてしまうことがありますので、必ず確認するようにしましょう。
又、結束不十分でかぶり厚さが確保できていないことも多いですね。1階壁縦筋の差し筋は、コンクリート打設後かぶり不足になっていまっては手直しが大変ですので、かぶり厚が十二分に確保できる位置に差し筋しましょう。
壁筋はあき重ね継手にできるので鉄筋が同一位置になくても大丈夫ですよ。構造スリットの振れ止め筋が偏りして定着長さが確保できていないことがあります。
特に縦筋は下ってしまいがちなので、しっかり結束してもらいましょう。スペーサーはふかし寸法をプラスしたものを使う必要があります。
柱・梁も同様です。
スラブ配筋のポイント
スラブの主筋が外側になっていることを確認しましょう。
主筋は短辺方向とは限らないので図面の確認が必要ですね。スラブ筋第1鉄筋の位置は梁型枠から70程度放し、バーサポートが梁型枠内に落ちてしまわないようにしましょう。
スラブ上筋は下り易いので、バーサポートは特に重要です。入隅部や屋根スラブなどのひび割れ補強筋は、上筋の上に乗せるとかぶり厚さが確保できていないので、上筋の下に配筋しましょう。
スラブ筋の定着の起点は一般的に梁側面になりますが、上部増し打ちの場合(1階ではほとんど梁上部は増し打ちになっていますね)の定着の起点が梁天になっていることがありますので確認が必要です。
梁上部のスラブ定着筋が跳ね上がっていてかぶり厚さが確保できていないことがあります。押え筋などで所定の位置に納めましょう。
D19以上の鉄筋の場合は、継手方法及び位置を事前に確認しておきましょう。
一般的にD19以上は圧接となっていることが多いです。バルコニーなどの跳ね出しスラブでは下端に目地棒がありますので、目地底からかぶり厚さを確保しなければなりません。
屋内外のかぶり厚さの違いにも注意しましょう。1階スラブ下がピットの場合、下端は屋外のかぶり厚さを確保することになることがありますので、事前に確認しておきましょう。
スラブ下の断熱材は仕上げにならないですね。
型枠関連
型枠内の清掃状況はよく確認する必要があります。
荷札・スペーサー・おがくずなどがよく落ちていますね。鉄筋工事だけではなく、セパレータもかぶり厚さを確保する必要があります。
階段やスラブ引きセパレーターなどがよくかぶり不足になっています。施工図通りひび割れ誘発目地が設けられているか確認しましょう。
構造スリットの設置状況も確認する必要があります。
水平スリットの長さが不足していたり、柱に食い込んでいることもあります。
又、必要な個所に耐火材が仕様されているか、止水が連続しているかも確認しておきたいですね。梁のカットオフ長さ位置を型枠にしるしておくと間違いが少なくなりますし、現場で確認しやすいですね。
地中には木片などの異物が混入しないようにしなければならないので、地中梁底型枠などは残さないようにしましょう。
その他
コンクリートの打継部は弱点になりやすいので、新旧のコンクリートが一体となるように処理する必要があります。
打設後の脆弱なコンクリートやレイタンス・鉄筋に付着したコンクリートは除去する必要があります。埋設配管(CD管・PF管)のアキは30mm以上確保し、梁から500mm以内は平行に配管はしないように極力分散し、配筋に沿って結束はしないようにしましょう。
柱・梁にボックスを埋め込んではダメですね。バルコニーなどにクーラー用インサートを埋め込む場合、井形の丸鋼のかぶりが確保できない製品が多いです。
その場合はインサート取付後丸鋼を切断するようにしてください。埋込スリーブの固定で釘を用いた場合は、型枠脱型後、防錆処理をしましょう。
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